離婚する際にはさまざまな準備をしなければなりません。
今後の人生設計を立て離婚理由があるかどうかを確認し、証拠集め、お金の問題や子どもの問題の検討などの対応を進めましょう。
離婚後に受けられる公的扶助についても調べるのが得策です。
後悔しない離婚を実現する準備方法をお伝えします。
目次
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離婚の準備事項一覧
後悔しない離婚を実現するには、綿密な準備が必要不可欠です。
以下の事項について、整理しましょう。
- 離婚後の人生設計
- 離婚理由を検討
- 相手が離婚に応じそうかを検討
- 離婚原因や財産についての証拠集め
- 離婚の条件を検討
- 離婚後のお金のことを検討
- どこに住むか、家の問題を検討
- 熟年離婚の注意点
- 未成年の子どもがいる場合の離婚準備
- 別居するかどうか
- 公的扶助
以下でそれぞれの項目について解説します。
離婚後の人生設計
まずは離婚後の人生設計が極めて重要です。
その内容は、その方の年齢や子どもの有無、状況や仕事内容により大きく変わってくるでしょう。
たとえば、子どもがいる方なら「ひとり親」として子どもを育て上げることが重要課題となるでしょうし、熟年離婚する方なら残された人生をどう生きるかが問題です。
子どものいないご夫婦の場合には、再婚したり再婚相手と子どもを作ったりして新たな家庭を築くことを目標とされる方もいるかもしれません。
ご自身の状況に応じて「離婚後どういった人生を送りたいか」しっかり検討してみてください。
離婚理由を検討
次に重要なのが離婚理由です。
それにより、離婚できるかどうかが変わってくる可能性もあります。
たとえば「法定離婚理由」があれば相手が離婚を拒否しても裁判で離婚できる可能性がありますが、ない場合には基本的に相手が合意しないと離婚できません。
法定離婚理由とは、民法の定める以下の5つの離婚条件です。
- 不貞(不倫)
- 悪意の遺棄(家出、生活費の不払い、同居拒否など)
- 3年以上の生死不明
- 回復しがたい精神病
- その他婚姻関係を継続しがたい重大な事由(DV、モラハラ、長期にわたる別居など)
たとえば離婚理由として多い「性格の不一致」はそれだけでは法定離婚理由になりません。
ご自身たちのケースでは法定離婚理由があるのか、事前に検討しておきましょう。
相手が離婚に応じそうかどうかを検討
相手が離婚に応じそうかどうかも事前に探ってみるようお勧めします。
相手が離婚に応じるなら、法定離婚理由がなくても協議離婚や調停離婚ができる可能性が高いです。
性格の不一致のみが原因で、法定離婚理由がない場合も問題ありません。
一方、相手が離婚に応じない場合、法定離婚理由がないと離婚できませんし、離婚訴訟になる可能性もあります。
離婚原因や財産についての証拠集め
離婚準備としては、離婚原因についての証拠集めも極めて重要です。
たとえば相手が不倫している場合、不倫の証拠がなかったら離婚も慰謝料も請求しにくくなってしまいます。
DVやモラハラについても、相手が否定した場合に、裁判で認められるためには証拠が必要です。
財産分与を求める場合には、財産についての資料も集めなければなりません。
なるべく多くの証明力の高い証拠を収集しましょう。
離婚の条件を検討
離婚の交渉を始める準備として、まずは希望する離婚条件を検討しましょう。
事前に自分の希望をまとめておくと、交渉時に相手へ伝えやすくなります。
譲れる部分と譲れない部分を決めておくのも有効です。
最低限、以下の項目においてそれぞれ何を希望するのか考えておきましょう。
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
- 親権
- 養育費
- 面会交流
離婚後のお金のことを検討
離婚後、経済面で困難が生じないように収支についても検討しておきましょう。
仕事をしている方ならそのまま継続する方も多いでしょう。
今仕事をしていない方の場合、就職したり開業したりして収入を得る方法を検討しなければならない場合も多くあります。
相手から養育費をもらえるなら、いくらもらえるのか、それ以外にも行政による給付がどの程度あるのかも調べておきましょう。
どこに住むか、家の問題を検討
離婚後、どこに住むのかという居住場所の検討も重要です。
今の家に住み続ける、賃貸物件を借りて引っ越す、実家に帰るなどの選択肢があります。
住宅ローン返済中の方はローン返済をどのように続けていくのかも考えておきましょう。
熟年離婚の注意点
熟年離婚の場合、財産分与額が大きくなりやすいので、財産分与絡みのトラブルが多発します。
また年金分割の金額も大きくなる傾向があるので、請求者側としては必ず合意しておくべきです。
できれば親の熟年離婚について子どもの理解も得ておくと、離婚後の関係を円満に保ちやすいでしょう。
未成年の子どもがいる場合の離婚準備
未成年の子どもがいる場合には、親権者を決めなければなりません。
自分が親権を取得するのか相手に譲るのか、検討しましょう。
相手が親権を争ってきそうかどうか事前に予測しておくと、臨機応変な対応をとりやすくなります。
なおどちらが親権者になるかについて、子どもがある程度大きければ(概ね10歳以上)子どもの意見も聞くという方法もよいかもしれません。
親権者になる場合には養育費を請求することとなりますし、相手に譲る場合でも面会交流を請求し、条件を合意する必要があります。
どういった条件を提示するか、事前に決めておきましょう。
別居するかどうか
離婚前に別居するかどうかも検討しましょう。
別居するとストレスがかかりにくくなり、冷静に離婚を検討しやすくなるメリットがあります。
またDVやモラハラ事案では、身の安全を守るためにも早期に別居すべきです。
一方、別居には生活費が二重にかかるデメリットもあります。
ただし、お互いの収入や、子どもがどちらで生活しているかといった状況により、相手に婚姻費用(生活費)を請求できるので「収入がないと別居できない」わけではありません。
事前にどの程度の婚姻費用を請求できそうか、家庭裁判所が公表しているいわゆる「算定表」等で相場を把握しておきましょう。
婚姻費用の定め方
別居するなら別居前に相手と話し合い、婚姻費用についても取り決めておくようお勧めします。
どうしても相手が払わない場合には家庭裁判所で婚姻費用分担調停を申し立てましょう。
公的扶助
離婚後にどういった公的扶助を受けられるかも、役所に問い合わせて調べましょう。
公的扶助は、所得が一定以下の「ひとり親」を対象とするものが多数です。
公的扶助の例
- 児童扶養手当
- 児童手当
- 医療費補助
- 住居手当
- 就学支援
- 就業支援
- 交通費の減免
- 粗大ごみ料金の割引
- 生活保護
詳しくはお住まいの自治体へ確認してみましょう。
まとめ
今回は離婚前の準備事項をまとめました。
上記をしっかり行っておけば、後悔しない離婚を実現しやすいでしょう。
ただ具体的にどのような離婚条件を提示すべきかなど、判断が難しい内容も多々あります。
離婚の準備で迷ったときには弁護士に相談すると、状況に応じたアドバイスを受けられて有利な離婚を実現できる可能性が高まります。
迷ったときには離婚問題に積極的に取り組んでいる弁護士へ相談してみましょう。
Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること
・実際に離婚をした場合に、養育費や財産分与をどれくらい取得できるのか、お客様の希望する条件が叶えられる可能性がどれくらいあるのか等、法律や過去の例に基づいて見通しをお伝えし、離婚の条件について一緒に考えていくことができます。
・実際に離婚の協議を始める前に、どのような準備が必要か、別居を開始するのであればどのように別居を開始するべきか、法的観点からアドバイスさせていただきます。
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