コラム
公開 2022.02.22

離婚率のデータを分析!離婚の多い都道府県は?熟年世代が増加?

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近年の日本における離婚率を解説する記事です。

離婚件数は近年、減少傾向にあります。

ただし婚姻件数も減少しているので実質的に「離婚率が減少している」とは言い切れません。

同居期間別にみると5年未満や20年以上の夫婦の離婚件数が多く、熟年離婚の増加傾向もみられます。

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日本の離婚率、離婚件数

日本における離婚率や離婚件数は、毎年厚生労働省から発表される「人口動態統計」をみるとわかります。
人口動態統計とは、出生人数や死亡人数、婚姻件数や離婚件数などの人口動態全般を示す資料です。

2020年(令和2年)の人口動態統計によると、日本全国における離婚件数は19万3251組でした。
人口1000人あたりにすると、1.57人が離婚している計算です(人口1000人あたりの離婚率)。

なお2020年における婚姻件数は52万5490組だったので、単純計算により離婚件数を婚姻件数で割ると離婚率は36.77%程度ともいえそうです。
ただし実際には「令和2年に婚姻した夫婦」が「令和2年に離婚した」わけではないので、この数字は必ずしも正しくありません。
あくまで「参考値」ととらえましょう。

いずれにせよ、同じ年に婚姻した件数の37%程度、人口1000人にすると1.57人は離婚しているのですから、日本の離婚率は決して低いとはいえません。

令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況 結果の概要
https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

離婚率、離婚件数の推移

「離婚率」は減少傾向にあるのか、増加傾向にあるのかどちらなのでしょうか?

日本で離婚件数が最多となったのは平成14年(2002年)で28万9836件でした。
人口1000人あたりにすると2.31人が離婚している計算となっています。
この年の婚姻件数は約75万5000組だったので、単純に割り算すると約38.3%程度となります。

平成14年以後、離婚件数は徐々に低下して2020年には上記のとおり20万件を切りました。
一方で婚姻件数も低下して52万5000件となりました。
「離婚件数÷婚姻件数」を「離婚率」とすればだいたい37~38%なので、大きな変化はありません。

日本では近年「離婚件数」自体は減っていますが「離婚率」はさほど減少していないといってもよいでしょう。

同居年数からみる離婚率

同居年数からみる離婚率

厚生労働省の人口動態統計では「同居年数別」の離婚件数も発表されています。
同居年数を「5年刻み」で区切り、それぞれの離婚件数を明らかにしているデータです。
これによると、離婚件数がもっとも多かったのは「同居年数5年未満」で58839件、全体に対する割合にすると30.44%となります。

次に多いのが「同居年数20年以上」で38930件、割合にすると20.17%程度です。

昭和60年以来の傾向をみると「同居年数5年未満」の夫婦は一定して離婚件数が多い傾向がみてとれます。
一方で「同居年数20年以上」の熟年離婚件数は昭和60年ころにはわずか12.26%程度だったものが平成17年頃に増加し(15.42%)、以後も減少せず現在は20%を超えています。
全体の離婚件数が減っても同居年数20年以上の夫婦の離婚件数は「高止まり」したままといえるでしょう。

日本では「同居年数20年以上の熟年離婚」の割合が増加している顕著な傾向がみられます。

離婚率が高い都道府県は?

人口動態統計では「都道府県別の離婚件数」も明らかにされています。
令和2年については都道府県別のデータはありませんが、令和元年(2019年)に発表されたものがあるのでみてみましょう。

離婚件数の多い都道府県

離婚件数の多い都道府県のトップ5は以下の通りです。

1位 東京都 22707件
2位 大阪府 16282件
3位 神奈川県 14890件
4位 愛知県 12342件
5位 埼玉県 12067件

他に「千葉県」でも1万件を超えており、北海道や福岡でも9000件以上となっています。
人口が多い都市部で離婚件数が多くなっており、ある意味当然の結果といえるでしょう。

離婚率の高い都道府県

人口に対する「離婚率」が高い都道府県はどこなのでしょうか?
トップ5をご紹介します。
なお「離婚率」とは人口1000人あたりの離婚人数をあらわすものとします。

1位 沖縄県 1.82
2位 宮崎県 1.73
3位 島根県 1.68
4位 長崎県 1.66
5位 佐賀県 1.64

6位は鹿児島県、鳥取県の1.63で同率でした。
他に離婚率の高かった県としては香川県の1.59、山口県の1.56、長野県の1.57、福井県の1.56、富山県・大分県の1.53などがあげられます。
これらのデータをみると「地方の離婚率が高い傾向」が読み取れます。

離婚件数のもっとも多かった東京都の離婚率は「1.15」と全国でもっとも低く、
他に離婚率の高かった神奈川県は1.28、大阪府でも1.31などとなっており、決して高くはありません。

日本では「地方部の離婚率が高い傾向」があるといえるでしょう。

データから読み解く、離婚しやすい夫婦の傾向

データから読み解く、離婚しやすい夫婦の傾向

人口動態統計データからすると、日本で「離婚率の高い(離婚しやすい)」夫婦には以下のような傾向がみられます。

同居年数の短い夫婦

同居年数が5年未満の夫婦は一貫して離婚率が高くなっています。
夫婦間の信頼関係が出来上がっていないこと、子どもがいないケースも比較的多いこと、夫婦の年齢が若く再婚可能性があることなどが影響していると考えられます。

熟年離婚

近年では同居年数20年以上の熟年夫婦の離婚率が増加傾向にあります。
女性の社会進出や有職者の女性が増えたこと、社会における意識変化で離婚が受容されるようになったこと、年金分割制度の浸透などが影響していると考えられます。

地方在住の夫婦

経済的な理由、これまで離婚せずに我慢していた女性が意識変化によって離婚を決意するようになったことなどが影響して地方における夫婦の離婚率が増加していると考えられます。

まとめ

近年の離婚の傾向を見てみると、「離婚件数」は減少していますが「離婚率」自体はさほど大きく低下していません。
また、「20年以上同居し続けてきた夫婦」の「熟年離婚」が増加傾向にあります。
地域別では都市部よりも地方部において、離婚率が高い傾向も読み取れます。
いずれにせよ、離婚するなら後悔しないように、正確な知識が必要ですし準備もしなければなりません。
迷っているならまずは一度、離婚問題に詳しい弁護士へ相談してみましょう。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

本記事でご案内したとおり、離婚は社会的にも珍しいものではなく現実的な選択肢です。
もし皆様にとって離婚が人生におけるより良い選択肢ではないかと感じられた場合には、ぜひ弊所にご相談ください。
離婚できる見込みがどの程度あるか、離婚に伴って相手にどのような経済的な請求ができるか、これまでの解決実績に基づく見通しをお伝えさせていただき、最適な解決方法をご提案させていただきます。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶応義塾大学法学部法律学科卒業、上智大学法科大学院修了。個人法務から企業法務まで多様な案件に従事する。特に、離婚、相続を中心とした個人法務については、請求側・被請求側、裁判手続利用の有無などを問わず、数多くの案件を解決してきた実績を有する。
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