離婚の際、離婚裁判になると大変な負担がかかるので、できるだけ調停の段階で解決するのが得策です。
離婚調停を成立させたいなら、いくつかポイントがあります。申し立て方法、基本の流れや進め方を知り有利な条件で解決しましょう。
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こんにちは、オー子です
私、オー子は夫との関係に悩む40歳、専業主婦。小学生の子どもがいます。
夫のモラハラと不倫で悩み、離婚しようと決意。いろいろなことを調べ、行動している真っ最中です。
最初は、どうしたらよいかわからないことばかりでしたが、財産分与や慰謝料、養育費のことなどを知り、専業主婦でも後悔しない離婚を実現できることがわかりました。できれば協議離婚で解決したかったのですが、夫は聞く耳を持ってくれず、話し合いになりません。
最近は協議離婚を諦めて離婚調停をしないと仕方がないかも?と考え始めています。調停はとても不安ですが、ちゃんと知識をもって取り組めばきっと何とかなるはず。
子どものためにも強くなって、よい条件で離婚を成立させたいです。
前回までのあらすじ
- 第1回モラハラは離婚の理由になる?
- 第2回風俗は不貞になる?法的に認められる証拠とは
- 第3回別居準備で重要になる「婚姻費用分担」と相手方の財産確認
- 第4回離婚の流れと弁護士に相談するメリットとは
- 第5回離婚の慰謝料は、どんなときにもらえるの?有責行為とは
- 第6回離婚時の財産分与や年金分割はどうなる?
- 第7回住宅ローンの財産分与はどうするの?パターン別に解説
- 第8回子どもの親権、面会交流はどうやって決める?親権取得には、経済力が必要?
- 第9回離婚協議前に知っておきたい養育費のこと
- 第10回離婚調停にかかる期間や流れ~離婚協議がうまくいかない方へ~
これまでオー子さんは離婚に関連するさまざまなことを学んできました。
- ・専業主婦でも2分の1の財産分与を受け取れること
- ・子どもの親権はオー子さんが取得できる見込みが高いこと
- ・子どもが成人するまでは養育費を払ってもらえること
- ・年金分割をしておけば、将来年金を受け取るときに増額してもらえること
- ・夫が不倫していたり夫からモラハラ被害を受けていたりしたら、慰謝料を請求できること
- ・夫と別居しても婚姻費用を請求できること
- ・協議離婚するには夫婦の合意が必要で、将来の支払を確実に受けるには離婚公正証書を作成しておくべきこと
最初は、わからないことばかりで、不安でいっぱいのオー子でしたが、だんだんと離婚に関する知識を身につけ、ベストな条件で離婚を実現しようと考えています。
ただ協議離婚を成立させるためには夫と合意しなければなりません。
オー子さんの夫はモラハラ傾向があり、オー子さんが自分で交渉しようとしても相手にしてくれないようです。
このままでは協議離婚は難しくなり、離婚調停が必要になりそうな状況になっています。
オー子の日々離婚調停を成立させたい!
夫と話し合って協議離婚しようと思ったけれど、やっぱり無理かもしれません。
全然話を聞いてくれないし、私が離婚の話を持ちかけるとすごい勢いで怒りだしてしまうから。
先日も、私が「話があるんだけど」と切り出そうとしたら、「うるさい!」と怒鳴られて、怖かったです。
もうこれ以上2人だけで話し合うのは無理かも。
離婚するには「家庭裁判所で離婚調停をしなければならない」と聞いています。
離婚調停って、どんな感じで進むんだろう?
調停委員が、夫の意見を押し付けようと迫ってきたらどうしたらいいのかな?
「お子さんも小さいし、離婚自体考え直しなさい!」とか怒られたりしないのかな?
有利な条件で離婚調停を成立させたいけれど、どうしたらいいのかわからない。
離婚裁判は大変と聞くので、できれば避けたいです。
はじめてのことで、不安に押しつぶされそう…。
どうか、離婚調停のことを詳しく教えてください。
弁護士が解説!有利な条件で離婚調停を成立させるには
離婚調停とは
離婚調停とは家庭裁判所で夫婦が話し合い、離婚について取り決めるための手続きです。
夫婦の間に調停委員が入って話し合いを仲介するので、相手と顔を合わせることはありません。
自分たちだけでは解決が難しい場合でも、離婚調停を利用すると解決できる可能性があります。
調停では裁判官も関与するので、法律的に適正な条件で離婚を成立させやすいメリットもあります。
オー子さんのように夫婦の力関係が不均衡で2人で話し合うと不利になりそうなときには、特に調停が役に立つでしょう。
離婚調停の進み方
離婚調停では、2人の調停委員が夫婦の間に入って話を進めます。
基本的に話し合いの手続きなので、調停委員が結論を強制することはできません。
オー子さんが心配しているように、調停委員から怒られたりするケースはほとんどないので安心しましょう。
また相手が理不尽な主張をするときには、調停委員から説得してもらえる可能性もあります。
たとえば夫から、理由もなく「養育費を支払わない」などと言われたら、調停委員が、法的に支払義務があることを説明してくれるでしょう。
離婚調停の期日は、月に1回程度のペースで開かれます。
離婚調停を有利に成立させるには
離婚調停を有利に成立させたいなら、以下のような工夫をしてみてください。
・自分の意見をはっきり伝える
調停委員に対し、自分の意見や希望をしっかり伝えましょう。
はっきりしない態度をとっていると、相手方の意見に同意していると思われ、相手方の意見を押しつけられてしまう可能性が高くなります。
たとえば、相手が財産分与の支払いをしぶっているとき、こちらがしっかり主張しなければ、受け取れる金額を減らされてしまうかもしれません。
心配な方は、事前に書面にまとめて持参するとよいでしょう。
・資料を用意する
調停は証拠主義ではないので資料は必須ではありませんが、有利に進めるには資料を集めておくべきです。
たとえばオー子さんのように夫が不倫していて慰謝料請求したいとき、証拠がなければ相手は不倫を認めない可能性があります。
そうすると、調停委員も、不倫があったことを前提に話を進めるわけにはいきません。
結果的に、慰謝料を払ってもらえない可能性が高くなります。
資料が必要なことについては、財産分与についても同様です。
・弁護士に依頼する
離婚調停を有利に成立させたいなら、弁護士に依頼するようお勧めします。
調停を始める前に、弁護士に、必要な証拠について相談することができますし、調停の席で、弁護士に、法的観点から発言をしてもらえます。
自分1人で調停を進めるのが不安なら、法律の専門家のサポートを受けましょう。
離婚裁判は大変
調停離婚が成立しない場合には、離婚裁判を提起することになります。
離婚裁判は大変な作業で、当事者にかかる負担も重くなります。
できれば早めに弁護士に相談し、まずは、調停段階で離婚問題の解決を目指すようにしましょう。
まとめ
離婚調停を有利な条件で成立させたいなら、事前準備が重要です。
自分の言いたいことをまとめて資料も集めておきましょう。
調停期日の当日は、なるべく感情的にならずにわかりやすく希望内容を調停委員に伝えてみてください。
自分1人で調停を進めるのが不安な方は、早めに弁護士に相談するようお勧めします。
当事務所でも、離婚問題に力を入れていますので、お困りでしたらお気軽にご相談ください。
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