コラム
公開 2021.01.15 更新 2022.08.16

モラハラは離婚の理由になる?

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DVやモラハラとは何か、モラハラは法定離婚事由になる?
DV、モラハラ。裁判で離婚できる?こんなお悩みありませんか?
この連載では、離婚に悩んでいる「オー子」の日常を通じて、離婚に関する法律を弁護士が解説します。

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依頼者:オー子

はじめまして、オー子です

私、オー子は40歳の専業主婦。毎日家事や育児で忙しくしています。
最近気になっているのが、自分や子どもに対する夫の態度です。
いつも高圧的に接してくるのでストレスが溜まり気味。
子どもに対しては基本的に「良い父親」なのですが、気に入らないことがあると怒鳴ることがあります。「もしかして、これってモラハラ?」と気になり始めました。

オー子の日々これってモラハラ?離婚の理由になる?

夫とは結婚して10年。結婚当初はお互いが好きだったから良かったけれど、徐々に気になり始めたことがあります。それは、夫のモラハラ気質。
私が料理をしても「食べたいものじゃない」と怒って食事を捨てたり、上から目線で、『お前はバカだから』と偉そうにいったり。確かに子どもには「良い父親」です。まじめな会社員で生活費も十分に渡してくれています。暴力を振るわれることはないし、家の中の物を壊すこともないから、モラハラについて、DVとして相談していいのかもわかりません。

それとなく友人に話をしてみても「良い旦那」と言われるし、親には心配をかけたくないから「不満がある」とは伝えられません。

私が我慢すればいいのかなと思っていました。しかし最近、気になることが起きました。夫は何かが気に入らなかったようで、突然態度が変わって子どもを怒鳴り始めたのです。子どもは驚き固まってしまい、泣いてしまいました。
このまま、この生活を続けていけるか不安になりました。離婚には理由が必要と聞いたことがあるけれど、モラハラは離婚の理由になるのか知りたいです。どうしたらいいでしょう?

弁護士が解説!モラハラとは。DVになる?

オー子さんのケースでは、夫による「モラハラ」が問題となっています。

モラハラとは

モラハラとは「モラルハラスメント」の略語。
モラル(道徳)に反する嫌がらせ、という意味ですが、夫婦間の場合には以下のような言動が該当します。

  • ・暴言を吐く
  • ・相手を見下す、高圧的に接する
  • ・異常に束縛する
  • ・何を言っても否定する
  • ・自分や実家の家族を侮辱する

オー子さんのケースでは、夫が常にオー子さんに高圧的に接したり侮辱したりしているようなので、モラハラに該当する可能性があります。

良い父親、良い夫でもモラハラになる

オー子さんの場合、夫が「良い父親」「良い夫」であることから「自分がぜいたくなのでは?」と悩んでしまっています。
これも非常によくあるお悩みです。

実際には、世間で「良い父親」「良い夫」と評価される方でも「モラハラ夫」であるケースが少なくありません。
モラハラ夫の特徴として、「外面が良い」「世間体を気にする」点を挙げられるためです。

周囲から「良い父親で幸せね」「良い旦那さんでうらやましい」などといわれても、ご本人はモラハラで傷ついているケースは多々あります。
「自分が我慢すれば良い」と考える必要はありません。

法定離婚事由とは

法律は、「法定離婚事由」を定めています。
法定離婚事由とは、裁判で離婚が認められるための要件です。
協議では法定離婚事由は不要ですが、モラハラ夫は離婚を拒絶する傾向があります。
その場合は、家庭裁判所に対し、離婚調停を申し立てることになります。そして、離婚調停でも、夫が離婚を拒絶すれば、離婚裁判をすることになります。

モラハラは、法定離婚事由に該当する可能性があります。
ただし一定以上の悪質なモラハラである必要があります。また、裁判において、夫がモラハラを認めなければ、モラハラの内容を証拠によって証明しなければなりません。
そのため、裁判で法定離婚事由を認めてもらうのは、一定のハードルがあります。1人では対応することが難しいので、早めに弁護士にご相談ください。

DV防止法とは

日本には「DV防止法」(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)という法律があります。
これはDV被害を防ぎ、被害者を保護するための法律です。
DV防止法にもとづいて全国にDVの相談センターが設置されています。また、被害者が今後、暴力を振るわれて生命や身体に重大な危害を受けるおそれが大きい、場合には「保護命令」を申し立てて身を守ることも可能です。保護命令とは、裁判所が加害者に対し、被害者に接近してはならないこと等を命ずる命令です。もっとも、保護命令の申立てができるのは、身体的な暴力や生命・身体への脅迫がある場合のみです。

オー子さんの場合には身体的暴力を受けておらず、生命・身体への脅迫もないので、すぐに保護命令を申し立てることはできません。
今後、夫から暴力を振るわれるようなことがあれば、保護命令の申し立てを検討することになります。

モラハラは第三者へ相談しよう

DV防止法における「暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動のことをいうとされており、モラハラもDVの一種といえます。
モラハラを受けていると、被害者は精神的に追い詰められてしまい、どうすればいいのか分からなくなってしまうケースがあります。
また、夫婦関係において、「加害者側」の立場が強く、離婚を決意したとしても、被害者が自分で離婚の交渉をするのは難しい場合も多いです。
そういったときには、まずは第三者へ相談するようお勧めします。

モラハラを相談できる機関をいくつかご紹介します。

自治体の女性センター、男女共同参画センター、配偶者暴力相談支援センター

DVの相談センターで、モラハラ被害について相談することができます。
全国の自治体には女性センターや男女共同参画センター、配偶者暴力相談支援センターといった相談機関が設けられています。
DVやモラハラ被害に遭ったとき、どうすれば良いのか、誰に相談すれば良いのかなど、相談できます。
オー子さんのように「まず何をすれば良いのかわからない」状況なら、一度利用してみることをお勧めします。

弁護士事務所

離婚を検討しているのであれば、弁護士に相談することは非常に重要です。離婚分野に力を入れている弁護士事務所では、DV・モラハラ相談を受け付けています。女性側に親身になって対応してくれる事務所も多く、初回は、無料相談に対応している事務所もあります。モラハラ夫と離婚するための手順や証拠集めの方法を具体的にアドバイスしてくれますし、代理人として、夫との交渉や離婚調停も依頼できます。

オー子さんのようにモラハラ問題に困っているなら、ぜひ弁護士にも相談してみましょう。

まとめ

夫が高圧的過ぎる、毎日馬鹿にされて辛い、子どもへの態度も気になる。

そういった状況なら、モラハラの疑いが強いといえます。
1人で抱え込まずに第三者へ相談しましょう。
程度にもよりますが、モラハラは法定離婚事由になる可能性があります。
辛い日々を我慢し続ける必要はありません。

モラハラを相談できる機関はいくつかありますが、離婚を真剣に考えているなら離婚分野に力を入れている弁護士事務所へ相談してみてください。
モラハラに関するさまざまな相談ができ、その後も、相手との交渉や調停なども依頼でき、心強い味方となってくれます。
無料相談に対応している事務所も多いので、ぜひ利用しましょう。

オーセンスは離婚問題に非常に積極的に取り組んでおり、モラハラ事案の解決実績も多くあります。
お困りの際にはぜひとも一度、ご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。企業法務から、離婚、相続問題を中心とした一般民事事件、刑事事件など幅広く取り扱う。
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