最近、よく耳にする「産後クライシス」という言葉。
産後、夫婦関係が急速に悪化する状況を指しますが、場合によっては、産後クライシスが原因で離婚してしまうこともあります。
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産後クライシスと産後離婚の原因をチェック
以前から、出産後の女性の精神不安や夫への愛情の希薄化によって、夫婦仲が悪化する問題は存在しましたが、一般的に、「育児ノイローゼ」といった言葉で女性側の問題とされてきました。
しかし、最近では、男性側の行動も産後クライシス、さらには産後離婚の大きな引き金になると言われています。
では、まず、産後クライシスの原因を詳細に確認していきましょう。
・ホルモンバランスの大きく変化
妊娠・出産を機に、女性の体内のホルモンバランスは急激に変化します。
ホルモンバランスの変化がもたらす症状は、抜け毛が増える、湿疹が出るといった目に見えるものから、精神的に不安定になるといった目に見えないものまでさまざまです。妻の精神状態が不安定だと、つい夫を邪険に扱ってしまい、夫はとまどいや怒りを感じることがあります。
・生活環境や人間関係の変化
出産後は、子ども中心の生活環境になります。子どもが可愛い反面、寝不足が続いたり、自由な時間がなくなったりすることで、夫婦共に疲労が蓄積されます。また、産後、妻はしばらくの間、育児に専念せざるを得ないため、それまでの社会との繋がりが希薄になり、自分だけ社会から取り残されたような気持ちになることもあるかもしれません。こういったストレスが、夫婦仲にも影響する恐れがあります。
・夫の家事育児への不参加
心身共に余裕のない産後の妻にとって、共働きかどうかにかかわらず、夫の協力は不可欠です。父親として自覚のない行動や、「家事育児は妻がするもの」といった考えは、妻の中で大きな不満となります。
・夫婦の会話不足
子ども中心の生活になると、夫婦だけで会話をする機会が減ります。加えて、妻が精神的に不安定な時期ですと、会話しても口論になりがちです。そうすると、さらに会話が減るという悪循環が生じます。
たとえ夫婦であっても、信頼関係を失うと修復は難しく、会話不足を発端にセックスレスや家庭内別居を引き起こす場合もあります。
産後クライシスになってしまった場合の対処法とは
産後クライシスをうまく切り抜ければ、産後離婚の危機は免れるかもしれません。
では、産後クライシスになってしまった場合、一体どんな対処法があるのでしょうか。
いくつかご紹介します。
・産後クライシスについての知識を、あらかじめ蓄えておく
産後、妻の心身にどんな変化が訪れるのか、なぜ夫婦仲が悪くなるケースがあるのか、産後クライシスについて事前に勉強しておきましょう。
この時大切なのは、どちらか一方ではなく、夫婦共に勉強することです。問題が生じたときも、原因が分かっている分、冷静に対応できます。
・夫婦の会話を大切にする
大切なのは、日常会話だけでなく、自分が何を望んでいるのか、どういう精神状態なのか、口に出して伝えるということです。
「言っても無駄」、「自分が我慢しよう」と、無理に自分の意見を抑え込んでも、その場しのぎにしかなりません。両方が納得するまで会話をしましょう。
・家事育児の協力
家事育児の分担は夫婦によってさまざまですが、2人の仕事であると認識しましょう。日々の小さな協力が、夫婦の絆を強めます。
・自分の時間を作れるよう、夫婦で尊重しあう
子ども中心の生活になるのは仕方ないですが、ひとりでリラックスする時間も大切です。
時には、パートナーや親族を頼り、自由な時間を過ごしましょう。
・医療機関や相談窓口を利用する
子育てや夫婦関係について、誰にも相談できないという人は、医療機関や自治体の相談窓口を利用するのもひとつの方法です。
ひとりで思い悩むと、冷静な判断が難しくなってしまいます。第三者からの目線で、適格なアドバイスが得られるかもしれません。
産後離婚を検討した方が良い場合とは
産後クライシスの対処法を先述しましたが、当然、そう簡単に解決するものではありません。特に、以下のような場合は、産後離婚も視野に入れて良いかもしれません。
・ドメスティックバイオレンス(DV)の被害
産後の夫婦関係の変化で、DVやモラハラが始まってしまう場合もあります。
普通、夫から妻へのDVが注目されがちですが、妻から夫へのDVも存在します。
「いつか変わってくれるかもしれない」、「妻からDVを受けていると知られるのは恥ずかしい」と思う気持ちも分かりますが、まずは自分と子どもの身の安全を確保しましょう。
・どちらか一方の不倫が発覚
産後クライシスによって、夫婦間のコミュニケーションが減ったり、セックスレスになったりすると、不倫につながることがあります。
不倫をされた側は、信頼していたパートナーの裏切りに傷つき、その傷は一生付きまといます。相手を憎みながら、何十年も結婚生活を続けるよりも、離婚を選択する方もいるでしょう。
産後離婚を決断!離婚するための準備とは
産後離婚を決断したのであれば、将来的に後悔しないよう、離婚の条件について詳細に取り決めていく必要があります。
産後離婚をするために大切な準備とは一体何なのでしょうか。今回は、代表的なものを挙げていきます。
<子どもの親権と面会交流>
親権とは、未成年の子どもを監護、教育するためにその父母に与えられた権利です。
時に、離婚後の親権をめぐって、大変な争いになることも珍しくありません。
未成年の子どもがいる場合、親権者を決めなければ離婚は成立しません。
親権者は、監護実績、経済力、生活環境などによって総合的に判断されますが、特に、子どもが小さい場合は、母親が親権者になることが多いのが実情です。
なお、親権者になれなかったとしても、親が子どもと会いたいと考えるのは当然です。
そこで、重要になってくるのが、面会交流権です。
面会交流権とは、子どもと離れてくらしている非監護親と子どもが面会、あるいは手紙や写真などを通して親子の交流を図る権利です。この権利は親だけのものでなく、子どもの権利でもあります。
いつ、どこで、どれくらいの面会ができるのかは、基本的には夫婦間の話し合いで決定されます。しかし、子どもが関係すると、話し合いも感情的になりがちですので、調停を申し立て、第三者を間において決めることもあります。もっとも、親の都合だけではなく、子どもの気持ちも尊重することが大切です。
<子どもの養育費>
離婚後、ひとりで子どもを育て上げるのは、並大抵のことではありません。
特に、経済的な負担は大きく、元配偶者からの養育費は大きな助けとなります。
金額や支払い方法は、法律で決まっているわけではなく、協議離婚や調停離婚であれば、夫婦間の話し合いで決定されます。
ただし、離婚の条件で争い、裁判にまでもつれ込んだ場合、養育費は家庭裁判所が発表している「養育費算定表」を用いて計算されます。
裁判所 養育費・婚姻費用算定表
https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html
※令和元年12月23日に公表された改訂標準算定表(令和元年版)です
<ひとり親への支援等>
シングルマザー、シングルファザーには、以下をはじめとする、さまざまな助成制度が設けられています。
・児童扶養手当
ひとり親から養育されている子どもに向けた手当です。各市町村の役場にて申請することができます。なお、金額は、所得および対象となる子どもの人数によって金額が細かく変動します。
・児童育成手当
18歳未満の子どもを養育するひとり親に向けた手当です。各市町村の役場にて申請することができます。
ここで紹介した以外にもさまざまな助成制度があります。
利用できる制度がないか、地方自治体などに問い合わせてみましょう。
まとめ
産後クライシスを上手に切り抜け、家族円満に暮らしていくことが一番だと思いますが、夫婦といえども、一対一の他人同士ですので、信頼関係の修復が難しいこともあります。
産後離婚を決断したら、まずは、その後の人生がより良い方に向かうよう、しっかりと相手と交渉をすることが重要です。投げやりになることなく、不安な点があれば、弁護士などの専門家に相談してみましょう。
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