離婚届はいつ、どのような方法で作成すればよいのでしょうか?
協議離婚の場合、証人を2名用意し夫婦双方が署名しなければなりません。
調停・訴訟による離婚の場合では期限内に離婚届を提出する必要があります。
今回は離婚届の作成方法や提出時期、必要書類などの情報を手続き別に弁護士が解説します。
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離婚届とは
離婚届は、夫婦が離婚する際に役所に提出する必要がある書類です。
協議離婚の場合、役所に届出をした日から、離婚の効力が生じます。
離婚届が受理されると、婚姻時に相手の戸籍に入った側が今までの戸籍から抜け、もとの戸籍に戻るか、本人のみの新しい戸籍が作られます。
離婚届が必要なのは協議離婚だけではない
離婚届が必要なのは、協議離婚が成立したときだけではありません。
調停離婚が成立したときや訴訟で離婚したときにも離婚届を提出する必要があります。役所へ離婚届を提出しなければ戸籍は変わりません。
離婚届を提出しなければならないのは以下のすべての離婚のケースです。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 審判離婚
- 和解離婚
- 認諾離婚
- 判決離婚
協議離婚の離婚届
以下ではまず、協議離婚の場合の離婚届作成方法や提出時期、必要書類などの基本知識をみていきましょう。
離婚届には専用の用紙があります。
役所においてあるので、まずは受け取ってきましょう。
左側の欄
夫婦の氏名、本籍地や住所などの情報を記入する必要があります。
署名欄以外は、必ずしも本人が書く必要はありません。
一番下の欄に夫婦それぞれの署名押印欄があるので、その部分だけは本人が記入しましょう。
なお、令和3年9月1日より、押印は任意となりました。
右側の欄
2名の証人が記載する欄があります。
証人には特別な資格は不要で、成人であれば基本的に誰がなっても構いません。
多くの場合、お互いの親族に証人欄に記入してもらいますが親族関係のない人でも証人になれます。
提出時期
協議離婚の離婚届は、いつ提出しても構いません。
ただし受理された日が「離婚日」になります。
話し合いができたら早めに提出するとよいでしょう。
提出方法
役所の開庁時間に提出すると、その場で不備等を確認してもらえるので、基本的には開庁時間内に提出することをおすすめします。
開庁時間以外にも、休日や夜間などに提出することもできます。
但し、役所の支部などでは、時間外受付窓口がない場合もありますので、休日や夜間に提出する場合には、受付場所を確認してから、提出しに行きましょう。
土日祝、夜間に提出する方法
土日祝や夜間に提出したい場合には、離婚届等の書類を休日窓口、夜間窓口へ持っていくと、受け付けてもらえます。
ただし、その場で届出内容の審査をしておりませんので、預かりの扱いとなります。
記載漏れや誤り、必要書類の不足があったら後日、役所から連絡が来る可能性があるので、連絡をとれる電話番号を離婚届に記入しておきましょう。
役所の翌開庁日に担当職員が内容を確認し、不備がなければ受付した日にさかのぼって受理となります。
必要書類
協議離婚の離婚届提出時には、以下の書類が必要です。
- 作成済みの離婚届
- 戸籍謄本(本籍地が届出先と異なる場合)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
離婚届の注意点
未成年の子どもがいる場合
未成年の子どもがいる場合、父母のどちらが親権者になるか決めなければなりません。
話し合って決めた親権者を離婚届に記入しましょう。
その際、右側に養育費と面会交流について取り決め状況を記入してください。
法律上、養育費や面会交流についての取り決めは義務ではありませんが、決めておかないと離婚後のトラブル原因になります。
協議離婚であっても、事前に話し合っておきましょう。
婚氏続称届について
離婚後も婚姻中の名字を使いたい場合、「婚氏続称届」を提出しなければなりません。
離婚後3ヶ月以内であればいつでも提出できますが、続称を決めているなら離婚届と一緒に提出するとよいでしょう。
住所と世帯について
離婚届を提出しただけでは住民票上の住所は変更されません。また、世帯主が転居することにより、世帯主変更の届出が必要になる場合があります。
引っ越しをする場合や、世帯主が転居する場合などには住所変更や世帯主変更の手続きを別途行いましょう。
離婚の反映について
離婚届を提出しても、すぐに新しい戸籍の証明が発行されるわけではありません。
1週間程度かかるのが一般的です。
離婚した事実を早急に証明したい場合には、市区町村役場の窓口で「受理証明書」を申請しましょう。
受理証明書であれば、離婚届が受理されたら即日発行してもらえることがあります。
離婚届提出後、戸籍に反映されたかどうか知りたいなら離婚届を提出してから1週間~10日くらい経ってから戸籍を申請してみましょう。
調停や裁判離婚の離婚届
調停、判決や裁判上の和解などによって離婚した場合にも離婚届を提出しなければなりません。
この場合、署名は届出人のみで足り、相手方に署名押印してもらう必要はありませんし、証人も不要です。
必要書類
離婚届と本人確認書類の他、以下の書類が必要です。
- 調停離婚の場合…調停調書の謄本
- 審判離婚…審判書の謄本と確定証明書
- 和解離婚…和解調書の謄本
- 認諾離婚…認諾調書の謄本
- 判決離婚…判決書の謄本と確定証明書
確定証明書は審判や判決が確定してから裁判所へ申請して取得する必要があります。
提出期限
調停や訴訟によって離婚が成立したら「離婚成立日から10日以内」に離婚届を提出しなければなりません。
離婚の成立日
調停や訴訟で離婚が成立した場合、離婚成立日はそれぞれ「調停成立日」「判決の確定日」「和解期日」などとなります。
届出ができる人
基本的に調停の場合は申立人訴訟の場合は原告が提出します。
ただし離婚成立日から10日以内に、申立人(原告)が提出しない場合、相手方も提出可能です。
また調停や和解では調書に「相手方の申し出によって離婚した」と記載してもらえば相手方が提出できます。
たとえば夫が申立人の場合で、妻が離婚後の本籍地を異動する場合、妻がもとの戸籍に戻るか新しい戸籍を作るか選ぶため、、相手方(妻)の申出による離婚にするケースが多数です。
まとめ
協議離婚を成立させるには離婚届を提出しなければなりません。
不備があると修正を求められるなどして時間がかかるので、正しく作成しましょう。
調停や訴訟で離婚した場合にも離婚届の提出が必要です。
必ず離婚成立から10日の期限内に提出しましょう。
Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること
・協議離婚をする場合、離婚届を提出すれば離婚できますが、離婚協議書を作成しておけば、曖昧な口約束にならずに済みトラブルを防げます。弁護士にご相談いただくと、離婚協議書の内容や作成方法について、アドバイスをすることができます。
・離婚成立後は、離婚届の提出に限らず、さまざまな行政の手続きがあります。弁護士がそれぞれの提出先や手続きの内容について、説明、アドバイスいたします。
・協議離婚がまとまらない場合には、調停の申し立てを検討することになります。弁護士が今後の進め方や証拠の収集方法について、具体的にアドバイスいたします。
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