コラム
公開 2020.12.07 更新 2021.10.04

離婚する夫婦の特徴と離婚相談のポイントを弁護士が解説します

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一生を添い遂げることを誓って結婚しても、年月が経つと離婚に至ってしまう夫婦が少なからず存在しますが、弁護士の立場から見ると、離婚する夫婦には一定の傾向があります。
またやむを得ず離婚するなら、後悔のないように正しい知識を持って慎重に進めましょう。

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1.夫婦が離婚を考えるきっかけ

夫婦が離婚を考えるきっかけとしては以下のような事情が多くなっています。

1-1.性格の不一致

男女ともに「性格が合わない」という理由で離婚を希望する人がたくさんいます。
日常生活の中で相手の行動に違和感があったり、金銭感覚が違ったり、子育ての方針が合わなかったりして不仲になってしまう夫婦もあります。

1-2.不倫

相手もしくは自分が不倫をしたために離婚に至る夫婦も多数です。

  • ・夫が会社の後輩と不倫して家族への態度が冷たくなった
  • ・妻が不倫してあまり家に帰ってこなくなった

自分が不倫して「不倫相手と再婚するために今の配偶者と離婚したい」という人もいます。

1-3.暴力、モラハラ

相手から身体的な暴力やモラハラ(精神的暴力)を受けていて、耐えられないので離婚したいというご相談もしばしばお受けします。
暴力やモラハラは許されない問題なので、被害を受けているなら早めに離婚や別居をした方が良いでしょう。

1-4.相手の実家との不和

離婚を希望する女性からのご相談で多いのが「配偶者の実家との不和」です。夫の親と同居していてうまくいっていない、夫の親が近くに住んでいて、たびたびやってきては家庭に干渉してくるなどの状況があると、妻がストレスを感じて離婚を考えてしまいます。

2.離婚する夫婦の特徴

離婚してしまう夫婦には、総じて以下のような特徴があります。

2-1.充分なコミュニケーションをとっていない

夫婦共に仕事で忙しいなどの事情でコミュニケーションをとれていないと、すれ違いが大きくなって離婚に至ってしまいがちです。
夫婦のどちらにも経済力がある場合、「相手がいなくても自分一人で生きていける」と考えから、心のつながりがなくなると比較的簡単に離婚を決意する傾向があります。
相手への関心を失い、近くにいる異性と不倫してしまう方も少なくありません。

2-2.どちらかの実家と距離が近すぎる

どちらかの実家と物理的・精神的な距離が近すぎると離婚に至りやすい傾向があります。たとえば以下のような場合です。

  • ・夫の実家の近くに住んでいて、夫の母親が毎日のように訪ねてくるので妻がプレッシャーを感じる
  • ・夫の実家の母親や姉、妹などが妻から子どもを取り上げて囲い込み、妻が疎外感を感じる
  • ・夫がいわゆるマザコンで、住宅購入など夫婦で決めるべき問題についてもすべて母親の意見を聞き優先しようとする
  • ・妻の父親が経営者や医師など社会的地位や収入の高い立場の方で、夫を見下しており、いろいろと口出ししてくる

結婚生活を安定させるため、ある程度双方の実家からの距離が必要な場合もあります。

2-3.お金の問題

お金の問題が原因で離婚してしまう夫婦もいます。

  • ・相手に借金癖がある
  • ・相手が浪費家あるいは異常な節約家で金銭感覚が合わない
  • ・相手が生活費を渡してくれない

借金癖のある人は、親や配偶者からの援助で、貸金業者からの借金を返済しても、また繰り返してしまうことが多く、最終的に配偶者が愛想を尽かしてしまうケースがあります。

2-4.浮気癖

夫婦の一方に浮気癖があるため、他方の配偶者が我慢できなくなってしまうパターンです。
たとえば夫が社内などで不倫を繰り返しており、最初の何回かは「遊び」ですぐに別れたから妻も我慢できたけれど、夫がある不倫相手にのめり込んで結局離婚に至るケースなどです。

3.円満離婚の秘訣

夫婦関係が破綻して離婚を避けられないとしても、できる限り両者の話し合いで離婚を成立させる協議離婚(いわゆる円満離婚)を目指したいものです。そのためには、以下のようなことを意識してみてください。

3-1.感情的にならない

話し合いの際、お互いに感情的にならないことが重要です。相手をなじり攻撃すると対立が激しくなって協議離婚が難しくなってしまいます。

3-2.財産分与や養育費についての知識を身に付ける

財産分与や養育費の計算方法を始めとする法的な知識があると、スムーズに話し合いが進むこともあります。弁護士に相談し、法律という観点を用いて話し合うことで、お互いが納得できることもあるでしょう。

3-3.面会交流は積極的に行う

離婚の際、夫婦の双方が親権を希望すると円満離婚は困難です。相手に親権を譲ってもらうには積極的に面会交流を行うことがポイントになります。離婚しても子どもと会えるなら、相手も親権を譲りやすくなります。

4.離婚して後悔しないために

離婚して後悔しないためには、以下のようなポイントに注意してみてください。

4-1.冷却期間をおく

性格が合わない、子どもの教育方針や金銭感覚が合わないなどの理由で離婚を考えてしまったら、一度冷静になって考える期間を設けましょう。
同居したままでは気持ちを整理できないなら、いったん別居するのも1つです。弁護士や離婚カウンセラーなどにも相談してみて、どうしても離婚しか道がないということであれば離婚に向けて進んでいきましょう。

4-2.相手に不満を伝える

相手に不満を抱いているなら、一度その思いを伝えるべきです。夫婦であってもお互いの気持ちに気づいていないということが非常に多いものです。話し合いをすれば、意外とすんなり解決できるケースがあります。

4-3.財産分与や養育費を正しく計算する

財産分与や慰謝料、養育費などのお金の問題については、多少、時間や労力がかかっても、きちんと話し合いましょう。離婚後、経済的に困窮し、離婚してから後悔してしまうケースも少なくありません。

4-4.公正証書を作成する

離婚時に養育費などの約束をしても、守られなかったら意味がありません。離婚公正証書にしておけば、相手が支払をしないときに、裁判所の強制力により、給料や預貯金などの資産を差し押さえることができるので、不払いを防ぎやすくなります。
約束はしたけれど結局支払ってもらえていない、などの状況を避けるためにも、離婚時の約束事は公正証書にしておきましょう。

4-5.弁護士に相談する

離婚で後悔しないためには、弁護士への相談を強くお勧めします。

  • ・離婚するならどういった請求が可能か
  • ・交渉時の注意点
  • ・離婚の手続き(協議離婚、調停離婚、裁判離婚等)

上記のような点について、適切なアドバイスを受けられます。
自分で交渉するのが難しいときには、弁護士に交渉を依頼できますし、公正証書作成のサポートも受けられます。
弁護士は、DV被害の対応についても、アドバイスをしていますので、そういった危険のあるケースでも御遠慮なくご相談下さい。

5.夫婦問題はお早めにご相談を!

Authense法律事務所では夫婦の離婚相談に積極的に取り組んでいます。夫婦問題にお悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談下さい。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業(3年次卒業)、東京大学大学院法学政治学研究科修了。企業法務から、離婚、相続問題を中心とした一般民事事件、刑事事件など幅広く取り扱う。
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