離婚をしたとしても、子どもとの面会交流や財産分与などを決めておかないと後悔することになるかもしれません。今回は、そのようなことのないよう、離婚時に取り決めておきたい項目とそれぞれのポイントを紹介します。
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離婚の原因や形式によって変わる主な取り決め項目
離婚時における主な取り決め項目としては、子どもに関すること(親権・養育費・面会交流)、財産分与、慰謝料、年金分割が挙げられます。もっとも、離婚の原因や子どもの有無などによって、取り決める項目が変わってきます。たとえば、慰謝料に関しては浮気(不貞行為)やDVなどがあった場合に発生しますが、これらの不貞行為やDVがない場合は慰謝料が発生しないケースがあります。まずは、自分が離婚する原因や状況等を整理して、どのような項目を取り決めるか確認しましょう。
離婚後にも会える?会わせない?子どもとの面会交流
離婚の際に取り決める項目として、子どもとの面会交流があります。面会交流はまず夫婦の話し合いによって決めていきます。
面会交流で取り決めるべき項目
面会交流では以下のような項目を取り決めましょう。
- ・面会の頻度
- ・1回の面会時間
- ・面会する場所
- ・長期休暇(夏休みなど)の場合の取り扱い
- ・面会交流で発生する費用の負担
- ・面会交流ができなくなった場合の条件(病気になった場合など)
- ・学校行事への参加
これらの項目を、離婚が決まった段階で話し合っておきましょう。事前の話し合いで決めておくと、離婚後もスムーズに実施することができます。
面会交流の取り決めは細かいところまで相手に伝える
面会交流を取り決める際は、月に何回会いたいのか、学校行事に参加したいかなど、具体的な希望を伝えるようにしましょう。そうすることで、相手方に誠意も伝わります。ただし、その際は相手や子どもの都合にも配慮するようにしましょう。
離婚後の生活が不安。財産分与について
離婚することで出てくる問題として、資産に関する問題が挙げられます。この問題を解決するには財産分与を取り決めておく必要があります。財産分与は法律で認められた権利です。そのため、離婚を急いでしまい、分与について取り決めないでおくと、本来であればもらえる財産も手に入れられなくなる可能性があります。
財産分与には、
- ・清算的財産分与
- ・扶養的財産分与
- ・慰謝料的財産分与
といった3つがあります。
清算的財産分与
清算的財産分与とは財産分与のなかでも最も中心となる分与です。清算的財産分与の考え方は、結婚している間に夫婦で形成してきた財産は共有の財産とみなし、離婚時にはそれぞれがどれくらい貢献したかによって分配するというものです。これは離婚の原因となった有責配偶者からも請求できます。
扶養的財産分与
離婚によって、夫婦どちらかの生活が困窮する場合、その相手を扶養するという目的での財産分与が、扶養的財産分与です。離婚時に夫婦の片方が病気で、経済的に困窮する場合などに認められることがあり、経済的に強い立場にある側が離婚後に相手を扶養するため、一定額を定期的に支払うという方法が一般的です。
慰謝料的財産分与
慰謝料と財産分与は性質が異なり、慰謝料については、不法行為に基づく離婚慰謝料として請求するのが一般的です。もっとも、相手の有責行為によって婚姻生活が破綻した場合、その精神的苦痛について、不法行為に基づく慰謝料請求ではなく、財産分与として請求するケースがあります。これが慰謝料的財産分与とされています。
子どもの親権者の指定はどうなる?
離婚をした場合は、子どもの親権を指定する必要があります。
法律で定められた親権の内容としては、
- ・財産管理権
- ・身上監護権
があります。
どちらも親としての権利ですが、一方で、親の義務という側面もあります。
親権の指定は離婚するうえで最初に必要
親権は父母が共同して行使することが原則です(民法818条3項)。しかし、離婚してしまうと、いずれかが親権を持たないといけません。そのため、どちらかが親権を持つことをまず協議で決めることが離婚においては最初にやるべきことといえます。
成人するまで毎月いくらもらえる?子どもの養育費について
子どもの親権者が決定したら、その後は養育費を取り決めます。一般的に養育費の相場は、夫婦の年収、子どもの数や年齢によって変動します。養育費は夫婦間で話し合って設定しますが、話し合いや調停で決まらなかった場合は、養育費算定表を重要な指標として、裁判官が決めることになります。
算定表以上の金額をもらえるケースも
養育費算定表が、養育費の相場とされていますが、算定表に基づいて計算された以上の金額をもらえるケースがあります。たとえば、算定表では子どもが公立中学、高校に進学することを想定して計算されています。そのため、子どもが私立中学や高校に通学する場合には、特別な事情として養育費の加算が認められることがあります。
老後に不安な年金分割について
離婚をした際に分割できるのは、財産だけでなく年金も同様です。年金分割は制度として認められており、平成19年4月から運用がはじまっています。
分割できるのは厚生年金
離婚における年金分割の対象となるのは厚生年金です。そのため、配偶者が国民年金のみに加入していた場合は年金分割できません。そのため、自営業や非正規雇用といった厚生年金に加入していない場合は、年金分割できません。ただし、自営業だとしても、会社組織の常勤役員としての報酬があれば厚生年金に加入しているので、その部分は分割対象となります。
年金分割には3号分割と合意分割の2種類がある
年金分割には3号分割と合意分割の2種類があり、それぞれ以下のように異なります。
- 合意分割
- 3号分割
- 離婚日
- 平成19年4月1日以降
- 平成20年5月1日以降
- 夫婦の合意
- 按分割合に関しての合意が必要
- 不要
- 分割対象期間
- 婚姻期間
- 平成20年4月1日以降の婚姻期間で第3号被保険者だった間
- 分割割合
- 2分の1(上限)
- 2分の1
- 請求期間
- 原則離婚日に翌日から2年以内
- 原則離婚日の翌日から2年以内
- 対象者
- 第3号被保険者だけでなく第1号、第2号でも対象
- 平成20年4月1日以降の婚姻期間で第3号被保険者だった期間がある者のみ
いずれの分割にも共通することとして、原則として、離婚日の翌日から2年以内に請求しなければ分割は認められないので注意しておきましょう。
金額面が気になる慰謝料について
慰謝料は、双方どちらかが精神的苦痛を感じた際に発生する費用です。主に浮気やDVといったものからくる精神的な苦痛が挙げられますが、離婚自体で生まれる精神的な苦痛によっても慰謝料が請求されるケースがあります。
不貞行為による慰謝料の二重請求はできない
配偶者の不貞行為について慰謝料を請求する場合、配偶者かまたは浮気相手に対し、慰謝料を請求します。ただし、配偶者と浮気相手に対し、慰謝料を二重に請求することはできません。たとえば、400万円の慰謝料請求が認められたとして、浮気相手から400万円の慰謝料を受け取っていると、それ以上、配偶者に慰謝料を請求できません。
慰謝料の相場は100〜300万円ほど
裁判において離婚慰謝料の金額を下す場合、
- ・離婚の原因
- ・婚姻期間の長さ
- ・配偶者の資力・収入
といったさまざまな事情が総合的に考慮されて決定されます。そのため、離婚にいたった原因行為が悪質かつ結婚期間が長い、さらには配偶者が高収入となると慰謝料が多くなる可能性があります。
ただ一般的に裁判で下される慰謝料の相場は、100〜300万円ほどといわれています。慰謝料を請求する場合には、裁判所にも納得してもらえる主張が求められます。たとえば、精神的な苦痛から心療内科に通った記録などがあれば、より客観的に状況を説明できます。
慰謝料は3年が時効
慰謝料を請求する際、注意しなければならないのが、離婚慰謝料については、原則離婚成立後から3年を経過すると時効が完成するという点です。
まとめ
離婚は離婚届を出せば、それで完了というわけではありません。子どもの面会交流、養育費、財産分与など、多くの取り決めごとがあります。まずは、夫婦間で相談して話し合いを進める方法がありますが、それでは決まらなかった場合、専門家である弁護士に相談しましょう。また、離婚時の取り決めについて、離婚協議書を作成しておくことをおすすめします。
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