飲食店チェーンを展開しているC社は、上場に向けて順調に準備を進めていましたが、運営している飲食店のある店舗が、未成年者にお酒を提供してしまい、その未成年者が急性アルコール中毒で救急搬送される事件が起こりました。
上場するためには、審査に間に合う時期に「刑事処分なし」、という結果を獲得することが求められました。
弁護士がどのように解決へと導いたのかを解説します。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら
ご相談までの経緯・背景
飲食店チェーンを展開しているC社は、上場に向けて順調に準備を進めていました。
そのさなか、運営している飲食店のある店舗が、未成年者にお酒を提供してしまい、その未成年者が急性アルコール中毒で救急搬送される事件が起こります。
未成年者にお酒を出したということで、C社は書類送検されました。
ちょうど上場審査中だったため、この件は上場審査における致命的な不祥事になると指摘を受けることになりました。
上場するためには、審査に間に合う時期に「刑事処分なし」、という結果を獲得することが求められました。
-
些細なご相談もお気軽にお問い合わせください
-
メールでご相談予約
平日:10:00~最終受付18:00 /
土日祝:10:00~最終受付17:00
解決までの流れ
C社に対して処分を出すのは検察官です。
通常、外から「急いでください」とお願いしても、取り調べ、決裁などの手続きを経て、処分が下るのに何ヶ月もかかるのが通例です。
通常であれば、依頼を受けてもなにもできない案件なのですが、結果として、1週間ほどで不起訴を獲得し、C社は無事に上場を果たしています。
私はもともと検察官でしたので、どのような手続きで物事が進んでいくのかを熟知しています。
検察庁に電話をかけ、いつまでになにを進めて欲しい、できるはずだと筋道を立てて説得。同時に、検察官が忙しいことを言い訳にこの件の捜査を後回しにすることが一私企業の上場審査に致命傷を負わせるということを繰り返し伝える など、あの手この手でプレッシャーをかけ続けました。
その結果、検察官側は作業を進めてくれましたので、こちらは不起訴を獲得するための準備を進めていきました。
本件が、会社のチェックをすり抜ける「未成年者側の作為」によるやむを得ない事案だったことを説明し、事前に会社が取っていた「未成年者チェック対策」、「再発防止策」を早急にまとめた上、検察庁に、「この日までに不起訴処分を出してほしい」とお願いしました。
その結果、不起訴を獲得。無事上場審査を通過しました。
Authense法律事務所では、不祥事が起こらない環境作りから不祥事発生時の対応まで一貫してサポートする「企業不祥事対応プラン」など、多様な企業法務ニーズに対応するさまざまな料金プランをご用意しております。
また、スタートアップ後に陥りやすい株式周りの7つの落とし穴とその予防策をまとめたチェックシートなど、各種資料のダウンロードも可能ですので、こちらもぜひご確認ください。
結果・解決ポイント
上場審査は、不祥事が起きない体制であることも重要な基準となります。
書類送検というわかりやすい形はもちろんですが、社内でくすぶっている潜在化している火種も消さなければなりません。
そのためには、小さな火種のうちに通報窓口に情報が集まる体制を作ることが大切です。
同時に、火種が起こらない体制を研修などを通じて作っていくことも必要でしょう。
直接通報を受けられる通報窓口と、長期戦で問題が起こらない体制を作る研修の両輪で、健全な社内体制を作るとよいでしょう。