遺言書作成時、財産調査の注意点について教えてください
遺言書作成時に注意すべき財産調査についてご説明します。
◆生命保険金の受取人
生命保険の受取人が誰になっているのか確認しておきましょう。
生命保険金は受取人によって、「相続財産」に含まれる場合があります。
それに伴い、相続税の対象になるか等も変わってきますので、注意しましょう。
◆不動産の所在や評価額の確認
不動産を全国の複数箇所にわたって所有している場合や、山林・広大地を所有している場合には、その所在地や面積、私道の有無等を詳しく遺言書に記載しておきましょう。
また、その上で、以下のポイントを考えてみましょう。
- そもそも相続人にとって価値があるか。
- 抵当権、借地権等、権利関係のある土地ではないか。
- 必要のない抵当権は抹消手続きを終えているか。
- 貸している不動産の場合、契約内容は明確であるか。また契約書が存在しているか。
- 売却を考慮した際、売却しやすい形に整備されているか。
- 山林などの場合、相続人は相続したくないかもしれない。
◆財産評価の確認
金融機関と口座はどれくらいあるか。
預貯金はどれくらいあるか(現時点で)。
負債はどれくらいあるか。
株式や金融資産の評価はいくらぐらいか。
負債がある場合、返済額はいくらか。
保証人となっている債務があるか。
◆税金対策の確認
相続税がかかるほどの財産がある場合には、納税対策まで考慮しておくと、相続人がスムーズに手続きを進めることが出来ます。
遺産に係る基礎控除額
3000万円+(600万円×法定相続人の数)
※平成27年1月1日移行 改正後
遺言執行者の相続人に対する権利義務について教えてください。
遺言執行者の相続人に対する権利義務は委任の規定が準用されます。また、相続人に対しては、遺言執行者の権利として、費用償還請求権、報酬請求権、遺言執行者の義務として、善管注意義務、目録作成義務、報告義務、受取物等の引渡義務、補償義務を有します。
遺言書が見つかりましたが、被相続人本人が書いたとは思えません。遺言の内容に納得できない場合、どうしたらいいでしょうか?
遺言が法律的に無効であることを裁判所に確認してもらうための裁判手続として、遺言無効確認請求訴訟等を提起する方法があります。
遺言書を見つけたら、どうしたらいいでしょうか?すぐに開封してもいいでしょうか?
遺言書(公正証書遺言を除く。)を見つけた場合、相続人は遺言書を開封せず、家庭裁判所に提出して「遺言書の検認」手続を申し立てます。
遺産分割協議後に、内容の異なる遺言書が見つかりました。どうしたらいいでしょうか?
日付の新しい遺言書の内容が有効となります。ただし、共同相続人の全員が先の遺産分割協議の内容を維持することで合意すれば、その合意が優先されます。
遺言の内容に納得ができない場合、どうしたらいいでしょうか?
遺言書の内容が不公平で納得ができない場合でも、遺言は有効となります。ただし、遺留分侵害額請求権がある配偶者、被相続人の子、直系尊属(親や祖父母など)は、遺留分が侵害された額を請求する(取り戻す)ことができます。