贈与税とは、個人から現金や不動産など、経済的に価値あるものをもらった時にかかる税金のことです。この贈与税は、無償で譲り受けた場合だけでなく、実際の価値よりも著しく低額で財産を譲り受けたり、債務を免除してもらったときにも適用されます。
課税対象となる贈与
基本的に経済的に価値のある財産の贈与全てに課されます。例えば、現金、預貯金、有価証券、土地、家屋、貸付金、営業権などです。
以下の場合は、課税対象となりません。
・親から子への必要経費(生活費、教育費等)
・社会的に認められている香典費、花輪代など
贈与税の計算
贈与税の課税価格は、納税義務者が1月1日から12月31日までの間に贈与によって取得した財産の価額の合計額から非課税対象を引いたものです。
さらに、この課税価格から、基礎控除110万円を差し引きます。110万円以内の贈与額の場合は、贈与税はかかりません。この110万円を控除した額に10%から70%にわたる累進税率をかけて算出します。
この贈与税の税率は、相続税よりも急激な累進構造になっており、相続税では1000万円まで10%なのに贈与税では200万円まで、50%の最高税率は相続税では3億円超の額について適用されるのに対して、贈与税では1000万円超の額に対して適用される仕組みとなっています。
明らかに贈与税の方が相続税よりも重い徴税制度になっています。
贈与税は、暦年課税で1年間の基礎控除額が110万円です。
したがって、シンプルな生前対策(相続税対策)としては、年間で110万円以下の範囲の中でのやり繰りを考えるという方法があります。
この110万円の基礎控除を最大限利用する方法のほかには、配偶者控除を利用する方法があります。配偶者控除とは、婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であることと、居住用不動産または、居住用の不動産を取得するための金銭の贈与であれば、2000万円までは、課税価格から控除されます。
このような控除を利用しながら、相続税と贈与税をうまく使い分けて、自分の資産の最適な運用と相続方法を考えることが生前対策になります。