寄与分とは、被相続人の生前に、その財産の維持や増加に影響するような貢献をした相続人がいる場合、他の相続人との間の不公平を是正するために設けられた制度です。民法における寄与行為の態様には、被相続人の事業に関する労務の提供、被相続人の事業に関する財産上の給付、被相続人に対する療養看護が規定されています。
民法上、家庭裁判所は、寄与の時期、方法、程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定めるとされており、裁量的な要素が強くなっています。
前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
寄与行為の具体的な算定方法の一例をご紹介いたします。
◆被相続人の事業に関する労務の提供
家業従事型の場合
寄与分額=寄与者の受けるべき相続開始時の年間給与額×(1-生活費控除割合)×寄与年数
◆被相続人に対する療養看護
相続人が実際に看護した場合
寄与分額=付添人の日当額×療養看護日数×裁量的割合
第三者に看護を頼み、費用負担をした場合
寄与分額=負担費用額