相続人・財産調査

相続人・財産調査

金融機関に「残高証明書」の発行を依頼したいです

金融機関が口座名義人の死亡を確認した時点で、口座は凍結され、口座からの預貯金の引き落とし、解約、入金等が基本的にできなくなります。
しかし、相続人は遺産分割協議を進めるにあたって、預貯金にどれくらい残高があるのか確定する必要があります。
この場合、金融機関へ「残高証明書」の発行依頼を行います。

< 残高証明書の発行依頼に必要な書類 >
被相続人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
被相続人の除籍全部事項証明書(除籍謄本)
依頼者の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
依頼者の実印・印鑑証明書
発行手数料

※金融機関によっては、このほかにも必要書類がある可能性もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
残高証明書を発行してもらい、財産調査を進めていきます。

被相続人が会社を経営した場合、相続財産になりますか?

◆経営していた会社が株式会社の場合
会社は株主によって所有されているものなので、会社自体は相続財産にはなりません。
被相続人が株式を所有していたのであれば、株式は相続財産となります。それらを相続することにより、会社を相続することと同じような効果になることもあります。
ただし、会社を経営していた場合、財産と負債が混然としている場合も多く、思わぬ損をしたり、トラブルに巻き込まれることがありますので、この場合には相続のプロに相談し、しっかりとした法的手続をとりましょう。

◆被相続人による個人事業の場合
事業用の財産は一般の相続財産と同じで相続の対象となります。事業用の土地、建物はもちろん、機械や在庫も相続財産に含まれます。

被相続人が保証人となっていた場合、相続財産になりますか?

金銭消費貸借や賃貸借の家賃などの保証人になっていた場合は、保証債務も相続されます。
注意が必要なのは、被相続人が連帯保証人になっており、相続開始時には、借りた本人が順調に返済していたものの、相続完了後に返済できず連帯保証人に請求がまわってくる場合があることです。
ただし、雇用契約上の被用者の債務不履行責任や、不法行為等によって生じる損害賠償債務を保証する身元保証は、原則相続されません。

被相続人が借家に住んでいた場合、相続財産になりますか?

借家人としての地位を相続すると同時に賃料の支払い義務も相続します。

みなし相続財産について知りたいです

本来相続財産ではありませんが、被相続人の死亡を原因として、相続人のもとに入ってきた一定の財産を、税法上相続財産とみなしています。

代表的なものに、生命保険金、死亡退職金、弔慰金などがあげられます。
また被相続人が死亡する3年前までの間に贈与した財産も、みなし相続財産として扱われます。

◆被相続人が死亡する3年前までの間に贈与した財産
「被相続人が死亡する3年前までの間に贈与した財産」は、相続財産(みなし相続財産)として扱われ、相続税の課税対象になります。
相続人が死亡する直前に節税のために贈与しておくということを防ぐために作られている規定です。

◆生命保険金
生命保険金の受取人が被相続人ご本人になっていた場合、もともとその財産は被相続人のものになりますので、保険金は通常の相続財産となります。
しかし、保険金の受取人が相続人になっている場合は、被相続人(亡くなった方)の財産とは言いませんので、みなし相続財産として扱われます。
これも被保険者が死亡する直前に受取人を変更することにより節税することを防ぐために設けられた規定となっています。
ただし、受取人やこれまでの保険料負担者によっては、非課税の対象になる可能性もありますので、下記の表をご参照ください。

保険料負担者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
被相続人 父 被相続人 父 相続人 妻・子 相続税
(保険金非課税の特典あり)
相続人 妻 被相続人 父 相続人 子 贈与税
相続人 妻 被相続人 父 相続人 子 所得税

◆死亡退職金
生命保険金と同様、死亡退職金の受取人が被相続人になっている場合には、被相続人の財産になりますので、通常の相続財産になります。
しかし、受取人が相続人になっている場合には、みなし相続財産として扱われます。
こちらも被相続人が死亡する直前に受取人を相続人にすることによって節税しようとする行為を防ぐために設けられた規定です。

◆弔慰金
弔慰金は、本来非課税です。
弔慰金や花輪代が世間一般的な金額の範囲である場合には、課税されません。
非課税であることを利用して多額の弔慰金、葬儀料などが相続人に支払われたような場合には、節税の行為を防ぐため、みなし相続財産として扱われ、相続税の課税対象となります。
※「世間一般的な金額」の判断は大変難しいため、目安として業務上の死亡でない場合は「普通給与の約半年分まで」と定めています。

財産目録は作成すべきですか?

財産目録には、被相続人が所有していた不動産(土地・建物)の評価額、預貯金、株式や国債等の有価証券、自動車や美術品等の動産の評価額等などの「プラスの財産」、住宅ローンや金融機関からの借入れなどの「マイナスの財産」についてもすべて記載します。

財産目録は法律で義務付けられているわけではありません。
被相続人が、生前に財産の一覧をまとめておいてくれれば問題ないのですが、一般的にそういったケースはごく稀です。遺言書があっても、財産目録が用意されていない場合には、しっかりと財産調査を行い、相続人全員が分かりやすいようにまとめましょう。被相続人の相続財産を明確にすることで、その後の相続税の計算や遺産分割協議を効率よく行うことができます。

財産目録に不備があった場合に想定される問題をご紹介します。

  • 遺産分割ができないため、正式に預貯金の引き出しや解約を進めることができない。
  • 財産が確定しないために遺産分割協議書の作成ができず、不動産の名義変更ができない。
  • プラスの財産と、マイナスの財産との比較ができないため、3ヶ月という熟慮期間内に相続放棄するかどうかの決定を行えない。
  • 相続税が発生するかどうかも、財産の総額が明確になっていないため、10ヶ月以内という相続税の申告期限内に申告をすることができない。そのため、相続税の控除が使えず、多額の税金を払う事態になってしまう。

このように、財産目録をしっかりと作成しないと、効率よく遺産分割協議を進められませんし、様々な手続きを期限内に行うことが難しくなります。
非常に煩雑な作業でありますので、相続のプロや弁護士にご相談されるのもよいでしょう。

財産評価に必要な資料について教えてください

相続財産を把握するには、それぞれの相続財産を相続税法の諸規則にしたがって評価する必要があります。 このように、相続税法の様々な規則にしたがい、それぞれの財産を評価することを「財産評価」といいます。
ここでは、相続財産の財産評価を行う際に必要な資料についてご説明いたします。
相続財産はプラスの相続財産である資産と、マイナスの相続財産である債務に分類できます。
このプラスとマイナスの財産を差し引きし、相続税の対象となる相続財産が決定されます。

資産の財産評価に必要な資料一覧
財産評価に必要な資料をそれぞれの財産ごとにご説明いたします。
※プラスの相続財産には現金預金、有価証券、土地建物等の不動産、未収入金等が含まれます。

◆預貯金の財産評価に必要な資料
預貯金の残高が相続財産となります。被相続人の亡くなった日の各種残高(普通預金や定期預金等)を証明する書類が必要になります。

・過去3年分の預金通帳
・預金証書 (定期性預金がある場合)
・預金残高証明書

死亡直前に預貯金が引き出されたり解約された場合、使途不明なものは手元現金残高として推測されます。

◆生命保険等の財産評価に必要な資料
被相続人が支払っていた生命保険契約が相続財産となります。
保険会社から実際に支払われた生命保険金や将来支払われるべき年金などを明確にする書類が必要です。

・死亡保険金の支払明細書
・保険証書

◆未収金(最終給与、退職金、貸付金等)の財産評価に必要な資料
退職金や貸付金等の未収金の将来支払われるべき金額を明確にする書類が必要となります。

・死亡退職金や弔意金、最終給与の支払い通知書
・貸付金のある場合は金銭貸借契約書
・請求書や契約書等(※契約に基づく未収金のある場合)

生命保険金(死亡保険金)は相続財産として遺産分割の対象になりますか?

生命保険金(死亡保険金)は、保険金請求権に基づき、受取人の固有の権利として取得されるものです。原則として、被相続人の相続財産にはあたりません(被保険者が保険金受取人の場合を除く)。ただし、他の相続人と著しい不公平がある場合には特別受益に準ずる場合もあります。

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