コラム
公開 2022.08.03 更新 2023.04.07

よくある相続トラブルとは?事例をもとに詳しく解説!

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最近よく聞く「相続トラブル」。実際にトラブルになる事例とは、どういう事例なのでしょうか?
相続紛争の経験豊富な弁護士が事例をもとに、トラブルになりやすいケースを詳しく解説いたします。

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よくある相続トラブル事例について

相続トラブル事例は、年々増加傾向にあることはご存じでしょうか。
家庭裁判所で取り扱う、遺産分割事件数は、年々増加傾向となっております。

【遺産分割事件数】

  • 平成14年度:9140件
  • 平成21年度:1万0741件
  • 令和元年度:1万2785件

参照:裁判所HP「司法統計情報 遺産分割」

これらの相続トラブルは、元々仲の良くない家族に生じているのでしょうか?
はたまた、アパートや上場株式などの多額の資産を保有する資産家に生じているトラブルなのでしょうか?

答えは、両方とも「NO」です。

生前仲の良かった家族が相続をきっかけに険悪な状態になったり、財産が3000万円以下しかない相続でトラブルが生じたりと、トラブルの内容は多岐にわたります。

ここでは、相続案件の経験豊富な弁護士が、一般的にどのようなケースで相続トラブルになりやすいかを解説いたします。

よくある相続トラブル事例

よくある相続トラブルは、以下のようなケースです。

①相続財産の中に、不動産があるケース

よくある相続トラブル_①相続財産の中に不動産があるケース

不動産が一つしかない場合、誰がその不動産を取得するのかでもめることがあります。

一つの不動産を二人以上でわける「共有」という方法もあることはあるのですが、全てのケースでそのような解決が望ましいわけではありません。

特に賃貸マンションなどの収益不動産の場合には、誰がその不動産を取得するのかでもめることが少なくありません。

②相続人同士の関係性が希薄なケース

よくある相続トラブル_②相続人同士の関係性が希薄なケース

例えば、被相続人が、再婚をしており、前妻との間のお子さんが相続人となる場合、前妻との間のお子さんと現在の家族は、ほとんど関係性がないことがよくあります。

そのため、そのような相続人の間で、遺産の分け方について話し合いをすることは簡単ではありません。

また、他にも相続人が被相続人よりも先に亡くなっており、代襲相続となっているケースや第3順位(兄弟姉妹)が相続人となる場合も、相続人同士の関係性が希薄で、しっかりとコミュニケーションをとることができず、話し合いがまとまらないことが少なくありません。

③特定の相続人のみが、被相続人の身の回りの世話や介護を担っているケース

よくある相続トラブル_③特定の相続人のみが被相続人の身の回りの世話や介護を担っているケース

特定の相続人が被相続人の世話や介護を行っていた場合、「寄与分」の問題となることが多いです。

「寄与分」とは、相続人の中に、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者がある場合に、他の相続人との間の実質的な公平を図るため、その寄与した相続人に対して相続分以上の財産を取得させる制度です。

被相続人の身の回りの世話や介護をしている相続人は、身の回りや介護をしたことによって、被相続人の財産が減ることを防ぎ、財産を維持したとして、『寄与分』が認められることがあります。

特に、「介護」については、介護をした相続人としなかった相続人との間で、「介護した分」をどう評価するかについての意見の乖離が大きい場合が多く、紛争に発展しやすいです。

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④相続財産の中に「自社株」や「事業に必要な財産」があるケース

よくある相続トラブル_④相続財産の中に「自社株」や「事業に必要な財産」があるケース

被相続人が会社経営者や個人事業主の場合、「自社株」や「事業に必要な財産」は、その事業を承継する人にとって必要不可欠な財産となります。

そのため、もし相続人の中で、事業の後継者について意見の相違が生じている場合は、「自社株」の承継者や「事業に必要な財産」の承継者を巡って、紛争に発展する場合も多いです。

また、「自社株」は、評価が非常に難しい財産の1つです。評価金額を巡って、紛争が生じることもあります。

⑤特定の相続人のみが、被相続人から生前贈与を受けているケース

よくある相続トラブル_⑤特定の相続人のみが、被相続人から生前贈与を受けているケース

「生前贈与」については、『特別受益』に該当する場合は、遺産の前渡しとして評価することになります。そのため、生前贈与の有無、贈与した財産の評価金額を巡って、紛争が生じるケースが多いです。

相続トラブルは、「弁護士」に相談しましょう

相続に関わる専門家の中でも、「弁護士」は、相続トラブルの専門家です。そのため、相続トラブルが生じたら、速やかに弁護士に相談をして、適切な対応方法についてアドバイスをもらいましょう。

また、相続人だけで『遺産の分け方』を話すと、感情的になったり、法律的なことが分からず、紛争化してしまうこともあります。弁護士は、相続人の「代理人」として、遺産の分け方の交渉をすることが可能です。

相続トラブルになりそうな場合は、無理をせず、弁護士に交渉を任せることも検討しましょう。

まとめ

人の死は誰にでもやってきます。そこから生じる相続トラブルは、決して他人事ではありません。

まずは相続人でしっかりと話し合って手続きを進めることが大切ですが、トラブルに発展しそうな場合には、弁護士に相談をすることも検討してみてはいかがでしょうか。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

コラムでお伝えしたようなケースは、あくまで一例になります。

最近では、遺産額の多寡にかかわらず、もめるケースが多くなってきた印象です。自分の権利は、しっかりと主張したいという考えの方が増えてきたことが原因と考えられます。

冷静な話し合いができれば問題はないのですが、そこに感情が入ってしまうと、なかなか話し合いが前に進みません。

話し合いが難しいと感じられたら、冷静な話し合いをするためにも、一度弁護士にご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(大阪弁護士会)
同志社大学法学部法律学科卒業、立命館大学法科大学院修了。離婚、相続問題を中心に、一般民事から企業法務まで幅広い分野を取り扱う。なかでも遺産分割協議や遺言書作成などの相続案件を得意とする。
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