コラム
公開 2022.07.06 更新 2023.04.07

兄弟間での相続トラブル~よくある事例から予防策まで~

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元々仲が良かった兄弟が親の相続をきっかけに仲が悪くなったということは少なくありません。
相続が発生し、兄弟で遺産の分け方を話し合うときに、どのようなトラブルが生じるのでしょうか?
今回は、兄弟間での相続トラブルのよくある事例から、トラブルの予防策まで、相続に詳しい弁護士が解説いたします。

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はじめに

親が亡くなり、相続が発生すると、子どもたち(兄弟間)で相続手続きをとらなければなりません。

相続財産の中には、不動産や自社株など、評価方法を巡って相続人の間で意見が分かれるものも多く、兄弟だけで話し合いを進めると、紛争に発展してしまうケースもとても多いです。

ここでは、兄弟間での相続トラブルのよくある事例とその予防策について、詳しく解説します。

兄弟間のトラブルのよくある事例~財産の評価が分からない~

兄弟間の相続トラブルが生じやすいケースとして、下記のようなケースがあげられます。

相続財産のなかに不動産や非上場株式等、評価が分かりづらいものがあるケース

不動産については、実際に売買をしなければ『時価』は分かりません。
そのため、相続が生じた場合、不動産については、どうしても相続人が評価金額を想定して、遺産分割協議を進めることとなります。
そうしますと、相続人の中で、不動産の評価金額について意見が相違し、分割方法についてもめてしまうことがあります。

非上場株式についても、上場株式とは異なり取引価格が決まっていないので、いくらと評価するかが問題となることが多いです。
特に、非上場株式の中でも、兄弟の中に後継者がいる会社の株式の場合は、会社の経営面に大きな影響を及ぼすものになりますので、後継者と後継者以外とで分割方法につき意見が分かれることが多いです。

相続人が兄弟のみの場合でも、不動産や非上場株式のように評価金額について意見の相違が生じやすい財産が相続財産のなかにあるケースでは、遺産の分け方についてもめてしまいます。
このような場合は、なるべく早く弁護士に相談をして、評価金額がどの位になるのか、どのような分割方法があるか等を確認するとよいでしょう。

兄弟間のトラブルのよくある事例~生前贈与や寄与分~

兄弟間のトラブルのよくある事例~生前贈与や寄与分~
兄弟間の相続トラブルが生じやすいケースとして、下記ケースがあげられます。

  1. 兄弟の中で、被相続人から生前贈与を受けた人がいること
  2. 兄弟の中で、被相続人の介護や身の回りのお世話をした人がいること

①兄弟の中で、被相続人から生前贈与を受けた人がいること

兄弟で被相続人から生前贈与を受けた人がいる場合、当該生前贈与が「特別受益」に該当すると、遺産の前渡しとして、遺産分割時に自己の相続分から差し引かれることになります。
そのため、生前贈与を受けた兄弟と受けなかった兄弟との間で「特別受益」の有無・金額を巡って争いに発展することがよくあります。

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②兄弟の中で、被相続人の介護や身の回りのお世話をした人がいること

兄弟の中で被相続人の介護等を行った人がいる場合、当該兄弟に「寄与分」が認められる場合があります。
「寄与分」とは、被相続人の財産の維持又は増加について特別の貢献をした相続人等がいる場合に、その相続人等に対して、相続分以上の財産を取得させる制度になります。
しかしながら、介護や身の回りのお世話については、具体的にどのような内容だったのか、どのような頻度だったのか等を証明することは難しく、どの程度を「寄与分」として認めるかにつき、兄弟間で
意見が相違することも非常に多いです。

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①や②のような場合は、相続人同士で遺産分割協議を行うと感情的になってしまい、なかなか分け方が決まらないという事態に陥りがちです。
無理に相続人同士で協議を行うのではなく、弁護士を代理人として協議を進めることも検討してみましょう。

兄弟間のトラブルのよくある事例~遺留分~

兄弟間のトラブルのよくある事例~遺留分~
被相続人が遺言書をのこしていたが、遺言書の内容について不満のある兄弟がいる場合、『遺留分』の問題に発展することがあります。
『遺留分』とは、一定の相続人に認められる最低限度の相続分になります。

遺言があっても『遺留分』の問題が生じる可能性がありますので、遺言書の分け方に不満のある兄弟がいる場合は、早めに弁護士に相談をして、遺留分の請求の可否や遺留分の金額等についてアドバイスをもらうようにしましょう。

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兄弟間の相続トラブルは誰に相談すべき?~予防策~

兄弟同士で遺産分割の話を進めると、正しい法的知識が無いため話合いがうまく進まず、感情的になってしまうこともあります。
そのため、遺産分割の話をするときは、相続トラブルの経験が豊富な弁護士に相談をして、法的なアドバイスをもらうようにしましょう。

最近では、生前に兄弟の相続トラブルについて相談される方も多いです。
生前であれば、遺言書や家族信託等でトラブルを未然に防ぐこともできるケースもあります。
親の相続をきっかけとした兄弟トラブルを生じさせないためにも、生前から弁護士等に相談をして対策をとることも検討されることをお勧めします。

まとめ

元々仲が良かった兄弟が親の相続をきっかけに仲が悪くなったということは少なくありません。
相続での兄弟トラブルを防ぐためにも、早めに弁護士に相談をして、手続きを進めるようにしましょう。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

・相続については、ちょっとした誤解や、感情の行き違いでもめるケースも少なくありません。
 この様なことを避けるためにも、相続発生前後を問わず、弁護士に相談することをおすすめいたします。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、早稲田大学大学院法務研究科修了。相続に関する相談会や、労働問題のセミナーなどにも取り組んでいる。
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