遺留分侵害額請求したい場合にどうしたらいいのかを弁護士が解説します。
遺言や贈与によって一定の相続人の遺留分を侵害されたら、「遺留分侵害額請求」という金銭請求ができます。
ただし時効もあるので、早めに正しい手順で請求手続を進めましょう。
ささいなお悩みもお気軽に
お問合せください初回相談60分無料※一部例外がございます。 詳しくはこちら
オペレーターが弁護士との
ご相談日程を調整いたします。
- 24時間受付、通話無料
- 24時間受付、簡単入力
1.遺留分侵害額請求とは
遺留分侵害額請求とは、遺言や贈与によって「遺留分」を侵害された相続人が侵害者に対し、金銭の請求を行うことです。
兄弟姉妹以外の相続人には「遺留分」という、法律上最低限の遺産取得分が認められます。
しかし、遺贈や贈与が行われると、場合によっては一部の相続人が全く遺産を受け取れなくなってしまうケースもあるでしょう。
そういった場合、遺贈や贈与によって「遺留分」を侵害された相続人は、遺留分を侵害された分を、お金で取り戻すことができるのです。
そのための請求手続きを「遺留分侵害額請求」といいます。
2.遺留分侵害額請求権の時効
遺留分侵害額請求をするときには、どうしたらいいかわからず、時間だけが過ぎてしまうことも考えられます。
ここで忘れてはならないのが、遺留分侵害額請求権の「時効」です。
遺留分侵害額請求権は「相続開始と遺留分侵害を知ってから1年以内」に行使しなければなりません。
1年を超えると遺留分侵害額の請求権は時効にかかってしまいます。
なお相続開始や遺留分侵害を知らなくても、相続開始から10年が経過するとやはり権利が消滅します。
そこで、遺留分侵害額請求を行うときには、時効成立前に行ったことを明らかにするための証拠を残す必要があります。
具体的には、遺留分侵害額請求書を作成し、その書面を「内容証明郵便」で送付することが推奨されます。
3.遺留分侵害額請求はどうしたらよいか
以下では遺留分侵害額請求はどうしたらよいのか、具体的に説明していきます。
- 相手との関係が良好な場合
- 相手との関係が不和である場合
- 時効が迫っている場合
基本的に、こちらの3パターンによって対処方法が異なると考えられるので、順番にみていきましょう。
3-1.相手との関係が良好な場合
遺贈や贈与を受けた相手方との関係が良好で、時効成立時期が遠い場合には、まずは口頭や手紙などでお願いしてみることが考えられます。
相手が了承すれば、円満に話し合いによって遺留分侵害額を支払ってもらえます。
遺留分侵害額の支払いを受けるときには、相手との関係が良好であっても必ず「合意書」を作成しましょう。
書面化しておかないと、後からトラブルになるリスクが高まります。
3-2.相手との関係が不和である場合
遺贈や贈与を受けた相手(遺留分侵害者)との関係が良好でない場合、口頭などで請求をしても支払われる見込みは低いと考えられます。
内容証明郵便で遺留分侵害額請求書を送付する
そういったケースでは、当初から内容証明郵便を利用して遺留分侵害額の請求書を送りましょう。
内容証明郵便で送ることで、送った文書の控えが郵便局と差出人の手元に残ります。
発送日時が記録されるので、時効期間内に送付した事実を後に証明する資料になります。また配達証明をつければ、相手に郵便が届いた日にちも明らかにできます。
相手と話し合う
内容証明郵便を送付した後、遺留分侵害額の支払い額や支払い方法について相手と話し合いましょう。
このとき、遺留分侵害額の計算をしなければなりません。
遺産全体の評価を行い、遺留分割合をあてはめていくらの遺留分侵害額が発生しているか、計算をします。
相手の支払い能力によっては、分割払いを申し出られる可能性もあります。
最終的に相手と合意ができる金額などを慎重に探っていきましょう。
合意書を作成して支払いを受ける
遺留分侵害額の支払い方法について合意ができたら、その内容を書面化しましょう。
特に分割払いになるケースでは、合意書を「公正証書」にするようお勧めします。
公正証書を作成しておけば、相手が合意書で定めた金額を支払わないときに預貯金などの資産を差押えて回収することも可能となります。
遺留分侵害額調停や訴訟を利用する
相手と話し合っても合意できない場合や、相手がそもそも遺留分侵害額の支払いに応じない場合には、調停や訴訟を利用することを検討します。
遺留分侵害額調停は、家庭裁判所で行います。
調停委員を介して話し合いができますし、調停委員から相手に「遺留分侵害額請求を支払うように」と説得してもらえる可能性もあります。
調停でも合意できない場合には、地方裁判所で「遺留分侵害額請求訴訟」を提起しましょう。
裁判になれば、最終的に裁判所が何らかの判断を下してくれます。
裁判まで発展した場合には、裁判への対応が非常に大変ですので、弁護士に依頼することをお勧めします。
3-3.時効が迫っている場合
遺留分侵害者との関係が良好であっても、遺留分侵害額請求権の時効が迫っている場合には、内容証明郵便を利用すべきです。
時効成立前に請求した証拠が残らないと、相手から「時効が成立しているので支払わない」といわれる可能性があります。
ただし、いきなり内容証明郵便を送りつけると相手の気分を害する可能性が高いでしょう。
そういったケースでは、まずは相手に電話などで連絡を入れて事情を話し、これから内容証明郵便で遺留分侵害額請求書を送ると伝えておくようお勧めします。
そのうえで内容証明郵便を送って遺留分侵害額請求権の時効を止めて、具体的な金銭の支払い方法についての話し合いを進めてください。
4.弁護士に依頼するメリット
遺留分侵害額請求に関して、どうしたらよいのかわからない場合には、弁護士に相談・依頼することがお勧めです。
弁護士であれば、状況に応じた最適な請求方法を判断してアドバイスすることができます。
相手が強硬な姿勢を取っている場合でも、弁護士が代理人として内容証明郵便を送ることで、遺留分侵害額の支払いに応じてくれるようなケースが少なくありません。
遺留分に関する交渉は、なかなか大変な作業になりますが、弁護士に任せていれば自分で対応しなくてよいので精神的な負担も軽減することができます。
遺留分侵害額請求を検討されているなら、ぜひ弁護士までご相談ください。
まとめ
遺留分侵害額請求を行うときには、相手との関係性や時効成立までの期間により、とるべき対処方法が異なります。
相手が支払いに応じない場合には、調停や訴訟まで発展する可能性も高くなります。
どうしたらよいかわからない場合には、一度弁護士に相談しましょう。
最適な方法を確認でき、請求手続きを任せられるなど、大きなメリットがあります。
当事務所でも遺留分侵害額請求や遺産分割トラブル解決に力を入れて取り組んでいますので、お困りの際にはぜひご相談ください。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問合せはこちら
ささいなお悩みもお気軽に
お問合せください初回相談60分無料※一部例外がございます。 詳しくはこちら
オペレーターが弁護士との
ご相談日程を調整いたします。
- 24時間受付、通話無料
- 24時間受付、簡単入力