被相続人の財産がプラスの財産よりもマイナスの財産の方が多いため、相続放棄をしたい・・・。相続手続が煩わしく、他の相続人とも関わりたくないため、相続放棄をしたい・・・等々。
相続放棄をする理由は人によって実に様々です。
ここでは、相続放棄の理由について、具体的にどのようなものがあるかを、相続に詳しい弁護士がご紹介いたします。ご自身が相続放棄するか迷われた際のご参考にしてください。
目次
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相続放棄とは
相続と聞くと、ついつい故人のプラスの財産(預貯金や不動産、株式など)を承継することを想像してしまいがちですが、相続によって承継するのはプラスの財産だけではありません。借金などのマイナスの財産もまた相続によって承継されてしまいます。
そのため、故人のマイナスの財産がプラスの財産を上回る場合には、相続してもマイナスにしかなりません。
こういう場合に用いられる手続が「相続放棄」です。
「相続放棄」とは、故人の財産を相続する権利の一切を放棄することを指します。相続放棄をすれば、プラスの財産はもちろん、マイナスの財産も承継しなくてよくなるのです。
このように、相続放棄はプラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合によく用いられることが多い手続ですが、実務上はそれ以外の理由でも相続放棄をする場合が多々あります。
ここでは、相続放棄の理由について、どのようなものがあるのか、具体例を挙げながら解説していきます。他の人たちがどのような理由で相続放棄をしているのかを知ることで、自分が相続放棄するべきかどうか判断する際の参考にしてください。
なお、Authense法律事務所では、相続放棄を検討されている方向けに「相続放棄プラン」をご用意しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
相続財産を法定相続人のうちの1名に集中させたい場合
相続財産を相続人のうちの1名に集中させるために、他の相続人が相続放棄を行う場合があります。
例えば、故人が地元で家業を営んでおり、故人の相続財産は家業を営んでいくために必要な古い店舗建物等の財産のみであった場合を想定してみてください。地元を離れて暮らしている相続人らにとってしてみれば、家業を継ぐつもりもないので、財産的価値も高くない店舗建物等の相続財産はあまり魅力的ではない反面、これまで故人の家業をすぐ側で手伝ってきた相続人にとってしてみれば、家業を継ぐために相続財産を何としてでも相続したいと考えるのが通常でしょう。
もし他の相続人らが相続放棄をすれば、家業を継ぐ相続人は単独で相続財産を相続することができるというメリットがあります。
他方で、家業を継がない他の相続人らも、相続放棄をすることで後々、被相続人が家業について多額の借金をしていたことが判明したとしても、当該債務を負う必要がないという安心感を得ることができます。
このように、相続人らの思惑が合致して、相続財産を特定の相続人に集中させることを目的として、相続放棄手続が用いられる場合があります。
相続手続から解放されたい場合
煩わしい相続手続から解放されるために相続放棄を行う場合もあります。
相続人間の仲が良好でない場合などは、だれがどの財産をいくら相続するのかという遺産分割協議でもめて泥沼化することが少なくありません。そのようなもめ事に巻き込まれることを嫌って相続放棄してしまうケースもあります。それほどもめないケースでも、大した相続財産もなく、また生活に困っているわけでもない相続人が、面倒な相続手続を回避するために相続放棄をすることもあります。
とはいっても、相続放棄の手続も、必要書類を揃えたり、家庭裁判所に申立てを行ったりと、それなりに手間暇がかかる手続です。仕事が忙しく、煩わしい相続手続から解放されたいと思って相続放棄を選択したのに、相続放棄の手続自体に煩わされる…なんてことになってしまっては元も子もありません。
そのような場合には、弁護士などに、相続放棄の手続を依頼することも一案です。相続放棄の手続のみであれば、一般的な相続事件の依頼と比べかなり安価で依頼することができます。気になる方は法律事務所のウェブサイトを見て料金を確認してみましょう。
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相続放棄申述書の「放棄の理由」について
相続放棄をするためには、家庭裁判所に相続放棄申述書を必要書類(戸籍など)と併せて提出する必要があります。
相続放棄申述書の書式は裁判所のサイトなどで公開されていますので気になる方は調べてみてください。
相続放棄申述書には、相続放棄をする理由について選択式で記入する欄があります。
選択肢として挙げられているのは、以下6つです。
- 被相続人から生前に贈与を受けている
- 生活が安定している
- 遺産が少ない
- 遺産を分散させたくない
- 債務超過のため
- その他
基本的にはどれを選んでいただいても相続放棄は問題なく認められますので、比較的近い理由のところに〇を入れると良いでしょう。上で紹介した例でいうと、「相続財産を法定相続人のうちの1名に集中させたい場合」には4を、「遺産分割協議で揉めるのが煩わしい場合」には6に〇を入れて「遺産分割協議でもめたくないから」等と正直かつ端的に書けばOKです。
相続放棄照会書・回答書について
相続放棄の申述を行うと、通常であれば1~2週間後に家庭裁判所から「相続放棄照会書・回答書」という書面が届きます(代理人に手続を依頼している場合は、届かなかったり、代理人宛に届くこともあります。)。
「相続放棄照会書・回答書」にも、相続放棄をする理由について具体的に記載してくださいといった欄が設けられておりますので、相続放棄の理由について、記載してください。
少し注意が必要なのが、相続放棄の理由として、「他の相続人から強くお願いされたから」のような記載をしてしまうと、相続放棄が真意に基づくものであるかどうか、裁判所から確認のための電話がかかってきたり、裁判所への出頭を求められることがあります。
相続放棄申述書や照会書・回答書の記載方法に迷ったら…
相続放棄は、被相続人の財産を一切承継しないという非常に大きな効果を生じさせる手続となります。他方で、相続放棄には相続開始の事実を知ってから3か月以内という極めて短い期間制限が設けられています。そのため、 自分は相続放棄した方が良いのか分からないという場合は、すぐに専門家に相談をして、納得のいく手続を選択するようにしましょう。
また、相続放棄手続が煩わしい方や、きちんと相続放棄できるかご不安の方、相続放棄申述書や照会書・回答書の記載方法に迷われている方々も、専門家に相談するとよいでしょう。
まとめ
被相続人の財産が債務超過という理由以外にも、相続放棄の理由は多々あります。
裁判所の申述書には、相続放棄の理由を記載する必要がありますので、自分が相続放棄をする理由を記載しましょう。
Authenseの弁護士が、お役に立てること
・ご自身が相続放棄すべきかお悩みの方については、弁護士がどのような選択肢があるのか、それぞれの選択肢のメリットやデメリットを示しながらアドバイスし、最善の選択肢をご提案いたします。
・忙しくて相続放棄手続をしている暇がない方、一人で相続放棄手続を行うことができるか不安をお持ちの方については、弁護士が代わりに相続放棄手続を代行いたします。
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