解決事例

知的障害を持つ妹に成年後見人をつけ、遺産分割協議をしたい。

ご相談者:A子さん 年齢:40代 性別:女性 続柄:長女
成年後見開始の申し立てプラン

相談までの経緯・背景

40代女性のA子さんは4人姉弟です。
祖父が亡くなったため、叔父と4人の姉弟で遺産分割協議を行うことになりました。
懸念点は2つありました。
ひとつはA子さんの妹であるB子さんのこと。B子さんは知的障害を持っており、協議を進める上で成年後見人が必要でした。
B子さんと暮らしている母親が「後見人になる」と言っていましたが、母親はこれまでB子さんの財産を勝手に使い込んだり隠したりとやりたい放題。後見人に選ばれたら、今回受ける遺産も使い果たされてしまう可能性がありました。
もうひとつは相続税の支払期限です。祖父の残した遺産はほとんどが不動産でした。そのため、せっかく相続しても相続税が支払えません。相続税の納税期限までに、不動産を売却し、現金化したいとA子さんたち姉弟は考えていました。
ご相談までの経緯・背景

解決までの流れ

相続税の申告期限は死後10ヵ月です。
この期間内に遺産分割協議を終わらせて、不動産を売却しなければなりません。

まず、母親がB子さんの成年後見人にはふさわしくない、弁護士や司法書士などの専門職を後見人に付けるため、裁判所に上申書を提出しました。
これまで、母親がB子さんの財産をどのように使い果たしてきたのか、祖父の遺産が入っても、母親によって勝手に使われる可能性が高いことなどを訴えました。
次に、B子さんが後見人を要するレベルの障害を持っていることを証明するため、医師の鑑定をお願いしました。その結果、裁判所が推薦する医師の鑑定により、後見人が必要であることを認めてもらいました。

今回のケースは「死後10ヵ月以内」に不動産の売却を終わらせなければならないという、タイムリミットがありました。しかし、後見人の申し立てをしても裁判所の動きは遅く、なかなか進みません。
そのため、何度も裁判所に連絡し「早くして欲しい」とお願いしました。
結果、3ヵ月後にようやくB子さんの後見人に、弁護士が就くことが認められました。

今回の相続人である4人姉弟の間で、遺産分割についての争いはありませんでしたので、遺産分割協議自体はスムーズに進みました。
B子さんの後見人に弁護士が就き、4人が納得する内容で協議は進行。合意した内容に基づいて、不動産も無事売却でき、懸案だった相続税も支払うことができました。

結果・解決ポイント

ご依頼を受けてからすぐに、B子さんの後見人申し立てをスピーディーに進めたことが希望通りの解決に至ったポイントです。
後見人が決まらなければ遺産分割協議も進めることができず、無駄に時間がかかってしまう危険性がありました。

合わせて、母親がB子さんの後見人にならないよう、手を尽くす必要もありました。
母親がいかに後見人として不適格なのか、これまでの行いを申立書に詳細に記して提出することで、こちらの希望も叶えることができました。

相続にまつわる悩みは当事者同士だけで解決するのが難しいケースが珍しくありません。
お悩みの際は、まずは一度法律事務所にご相談されることをおすすめします。
状況の整理、今後の見通しなど、抱えている問題を整理することで、次に何をするべきかが見えてきます。
結果・解決ポイント

担当弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(神奈川県弁護士会)
一橋大学法学部法律学科卒業。相続を中心に、離婚、不動産法務など、幅広く取り扱う。相続人が30人以上の複雑な案件など、相続に関わる様々な紛争案件の解決実績を持つ。
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