解決事例

送られてきた遺産目録に不審点があるので調査してほしい。

  • ご相談者A男さん
  • 年齢:30代
  • 性別:男性
  • 続柄:長男
遺産分割協議プラン
ご相談までの経緯・背景

経営者のA男さん(30代)のお母様が亡くなると、父親から遺産相続に関しての書面が届きました。
弁護士から送られた書面を確認すると、遺産の総額やその内容、その金額に基づく遺産分割の提案内容が入っていたのですが、明らかにA男さんに譲渡される金額が低いことに不信感を覚え、当所にご相談にお見えになりました。
できるだけ早く解決したいと考えていたA男さんは裁判にまで進むことは希望しておらず、協議で迅速に解決したいというご希望でした。

ご相談までの経緯・背景

解決までの流れ

相手方から送付された提案内容を確認すると、不動産の評価額が時価ではなく「路線価」で出されたものでした。
通常、路線価で不動産評価額を出した場合、金額が安く出ます。
そこで、こちらでも簡易査定を取って比較してみたところ、やはり先方からの提案額が安く抑えられていることがわかりました。

不動産以外の財産についても調査を進めました。
不動産の漏れはないか、預貯金や有価証券、保険などについても漏れがないかなど、被相続人であるお母様の過去の言動や、自宅への郵便物などもチェックし、正しい内容が記載されているかなどを調べました。
預貯金の履歴の調査によって、相手方から提出された財産目録の預貯金の金額と、実際の金額が異なることがわかりました。
さらに、相手方がお母様の相続開始時の前後で使途不明な出金が数百万円あることや、相手が生命保険金を受け取っていたと思われることなどもわかってきました。
相手方に対して弁護士からこれらのうち、不適切な点を指摘。
使途不明金について回答を求め、相手に不利な事情を追及していきました。
なお、生命保険金は「遺産」に該当しないこともありますが、その判断のためには、そもそもどのような保険の内容であったのか、実際にどのぐらいの金額を受け取ったのかなどの情報が必要となるため、相手方にこれらの点を問合せしました。
これらの財産の調査を終え、相手方と交渉を開始しました。
協議では相手方からさまざまな反論が出てきます。
そこで、相手方の主張のおかしい点や、相手方に不利な内容の指摘をこちらから積極的に行いました。

結果・解決ポイント

協議の結果、当初相手方が提示してきたA男さんの取得額の倍額に近い金額で合意することができました。
遺産相続に際しては、先方から提出された内容をそのまま鵜呑みにすることはできません。
しっかりと内容を吟味し、正しい内容が記載されているのか検討する必要があります。
ただし、財産調査を行うかどうかについては慎重な判断が求められます。
財産調査を行うと2ヵ月、3ヵ月掛かってしまうことは珍しくありません。
早期に解決したい場合にはどうするのか、ご依頼者様のご要望を伺いつつ進めていくことになります。
このケースでは遺産目録を調べたところ、不審な点が多々見つかりました。
その点を先方に回答を求め、追及していくことで正当な権利を主張することができました。

また、相手方の弁護士とのコミュニケーションのなかで、合理的な理由を説明していくことで「このまま無理筋な主張を続けてもあなたのためにはならない」と、先方を説得してもらうことも早期解決のためには重要です。
協議での解決のポイントとして、すべての事柄を争うのではなく、協議で解決できずに裁判に発展してしまった場合、多大な時間と費用がかかってしまうことを念頭に置いて、相手方に対しても本当にそれでよいのか?相手方としても早期の解決を望んでいるのではないのか?と問いかけ、説明を尽くすことで早期の解決へと導いていくことを意識しています。
協議の段階で解決まで至れるかどうかは、相手方の考え次第でもあるので、「運」の要素も絡んできますが、なるべく「運」の要素を減らすために、多くの交渉材料を事前にできるだけ集めておくことで有利に交渉を進めることができます。
遺産相続は協議の過程で互いの感情が絡み合い、複雑化してしまいやすい分野です。
個人で解決しようとする前に、一度、弁護士にご相談にお見えになってください。

結果・解決ポイント

担当弁護士
authense
Authense法律事務所記事監修チーム
Authense法律事務所の弁護士が監修、法律問題や事例についてわかりやすく解説しています。Authense法律事務所は、「すべての依頼者に最良のサービスを」をミッションとして、ご依頼者の期待を超える弁護士サービスを追求いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問合せはこちら

コンテンツ

オペレーターが弁護士との
ご相談日程を調整いたします。