他の相続人からの不当利得返還請求で敗訴、納得がいかない。
- ご相談者X1さん
- 性別:女性
- 続柄:次女
- ご相談者X2さん
- 性別:女性
- 続柄:五女
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ご相談までの経緯・背景
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両親の遺産(預金及び複数の不動産)を共同相続人である8人の兄弟で分割することになりました。
遺産分割協議において、預金については相続費用に充当し、不動産は相続人の共有として売却代金を相続人の持分に応じて分配することが合意されました。そこで不動産の売却手続を進め売却代金を分配したところ、X1、X2さんらに対して自己の相続分を超えて代金を受領しているとしてY2さんら他の共同相続人から不当利得返還請求がなされ、第1審で請求が認められました。
しかし、全額を支払うことに納得のいかないX1さんらは控訴したいと考え、ご相談にいらっしゃいました。
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X1さんは相続にあたって、共同相続人間で共有とされた不動産の相続税の負担をしていました。そのため、遺産分割協議後の紛争調停においてX1さんが負担した額についてY2さんが支払う合意がなされていました。そこで、X1さんはY2さんらが請求している額から、X1さんが負担し多額を差し引いてもらうことを希望されていました。
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解決までの流れ
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弁護士は、X1さんらが第一審の判断に納得がいかないとのことだったので、裁判所に対して控訴を提起しました。
そして、X1さんが他の相続人に代わって相続税を負担したこと及びそれについて遺産分割調停後の紛争解決調停においてX1さんとY1さんらとの間でその負担額の返還合意がなされたことを主張しました。その上で、X1さんが相続にあたって負担した相続税の額とY2さんらの請求する額とを対等額で相殺する旨の主張をしました。
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結果・解決ポイント
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遺産分割協議後の紛争解決調停において、Y1さんらがX1さんにX1さんが負担した相続税についての返還合意をしていたことが認められました。そのため、弁護士の主張した相殺の主張も認められ、第1審で認められたY1さんらの請求額約50万円から返還合意のなされた相続税である約40万円が差し引かれ、約10万円の請求へと減額することができました。
このように、裁判所の一審判決に納得がいかない場合、控訴提起をすることでより納得のいく結果を得られる場合もあります。
相続について疑問や不安、心配な点がある場合は、ぜひ一度、弁護士にご相談にいらしてください。
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