父の遺産を調べた結果、祖母の遺産の分割もまだだったと発覚。
- ご相談者Aさん
- 年齢:50代
- 性別:男性
- 続柄:長男
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ご相談までの経緯・背景
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相談者Aさんの父Xさん(以下、被相続人X)が亡くなり、Aさんが相続財産について調べていたところ、被相続人Xの母(Aさんの祖母)が所有していた土地の遺産分割手続きが未だなされていないことがわかりました。
被相続人Xは8人兄弟で、そのうち3名がご存命であったため、その子どもたち、つまりAさんのいとこにあたる8名、Aさんたち兄弟3名の合計14名が相続人ということがわかりました。
Aさんは、長男である自分が相続手続きをまとめようと考えていましたが、相続人の多さに、今後の手続きが不安になってしまいました。
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遺産分割手続きがなされていなかった土地の周辺は、被相続人Xの名義で登記している土地でした。被相続人XとAさんはその土地に建物を建て、長年暮らしていたため、Aさんはこの土地については単独相続を希望していました。
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解決までの流れ
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弁護士は、Aさん兄弟を除いた相続人全員に、「遺産分割未了の土地があること」、「本件土地の周囲は被相続人X名義であること」、「本件土地については被相続人Xが生前作成していた遺言書の対象から漏れてしまっていたために相続手続きがなされることなく現在に至っていること」などを説明した書面を送りました。
その上で、「本件土地を除く周囲の土地は既にAさんへの所有権移転登記手続きがなされていること」、「被相続人Xは本件土地についてもAさんに相続させる意思だったと十分に推認できること」、「Aさんが被相続人Xと共に、長年にわたり本件土地上に建物を建てて生活を継続してきたこと」、「相続人の間でAさんが単独相続することで意見が一致していること」を主張し、Aさんへの本件土地の所有権移転登記手続きに同意してもらえるよう協力を仰ぎました。
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結果・解決ポイント
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書面を送付した相続人の方々は誰一人異議を述べることなく、全員が同意書にサインし、書類を返送してくれました。これにより、Aさんは本件土地について単独で相続することができました。
今回のように、自分が把握していなかった相続人が現れたり、本来は済んでいるはずの手続きが済んでいなかったりなど、相続手続きはとても煩雑なものです。
遺産分割など、相続手続きについて少しでも疑問や不安、心配な点がある場合は、ぜひ一度、弁護士にご相談にいらしてください。
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