亡くなった父を介護していた母に、遺産を多く渡したい。
- ご相談者Aさん
- 年齢:50代
- 性別:男性
- 続柄:次男
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ご相談までの経緯・背景
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父(80代)が亡くなり、Aさん(50代)は相続人として父の遺産を相続することになりました。
Aさんは父の相続手続きをするために戸籍を調べていたところ、自分の兄Bさん以外に、父と父の前妻との間の異母兄弟(Cさん・Dさん)がいることがわかりました。
そこで、Aさんが異母兄弟に連絡をとってみると、そのうち、Cさんは1000万円以上の相続を主張してきました。
父の生前、献身的に父を支えた母のために遺産を多く渡してあげたいと考えていたAさんは、今後の遺産分割についてどうすればよいか当法律事務所に相談にいらっしゃいました。
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父の相続には相続人全員の参加が必要です。
本件では、母・Aさん・Bさん・Cさん・Dさんの5人が相続人となっていました。
実兄のBさんは相続放棄を希望していました。また、Aさんの母に相続分を多く残したい考えをDさんに相談したところ、Dさんも相続放棄を申し出てくれました。
しかし、Cさんは1000万円以上の相続を主張していました。
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解決までの流れ
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弁護士はCさんに対して、1000万円以上の相続は法的に難しいことを説明しました。
その上で、少なくとも法定相続分の6分の1を相続が可能であることを説明し、Cさんの了承を得ることができました。
一方で、Bさんについては、すでに相続を知ってから3か月経過しているため、相続放棄のできる期間が過ぎていました。
そこで、弁護士は、Bさんが有する相続分を、Aさんに譲渡することを提案し、Bさんもこれに同意しました。
これによって、Bさんが相続放棄をしたのと同様の結果を導くことができました。
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結果・解決ポイント
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弁護士による交渉の結果、母は2分の1、Cさんは6分の1を相続することとなり、遺産分割協議書を作成しました。
結果として、Aさんの母が父の遺産のすべてを相続したのち、AさんとCさんに対して、遺産分割の代償金を支払うことになりました。
これにより、母にできるだけ多くの遺産を相続させたいというAさんの希望が叶いました。
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