家族関係が複雑で法定相続分が分からず、相続人調査が必要。
- ご相談者Aさん
- 年齢:70代
- 性別:女性
- 続柄:次女(異母姉妹)
- ご相談者Bさん
- 年齢:70代
- 性別:女性
- 続柄:異母姉妹
-
ご相談までの経緯・背景
-
姉(80代)が死亡し、姉妹であるAさんとBさん(共に70代)が相続人となりました。しかし、AさんとBさんの家族関係が複雑で、Aさんらの二人以外にも相続人がいる可能性があることが発覚しました。そこで、Aさんらは弁護士に依頼し戸籍などを取り寄せて、相続人の調査を行いましたが、最後まで把握しきれず終了してしまいました。
AさんとBさんは、早急な遺産分割を望んでいたため、このまま遺産である預金口座を放置するわけにもいきませんでした。そこで、少なくとも自分たちの持分だけでも払戻しを受けるためにはどうしたよいのか対応に困り、相談にいらっしゃいました。
-
父は生前2回結婚しており、AさんとBさんは異母姉妹でした。また、前妻は父と結婚する前に、別の男性と結婚しており、その子どもも数人いることがわかりました。
そのため、自己の法定相続分がどれくらいなのかが判然とせず、また銀行に対してAさんとBさんが相続人であることを証明できるものが未だ用意できませんでした。
-
解決までの流れ
-
弁護士は、まず相続人を調査するために戸籍を収集することから始めました。戸籍収集は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本を揃える必要があります。
被相続人である姉の戸籍を調査した結果、代襲相続にあたる場合も存在したため、相続人は全部で11人いることがわかりました。そのうち、民法の規定に従って相続分を計算した結果、Aさんの法定相続分は11分の2、Bさんは11分の1であることがわかりました。
これらの事実を踏まえて、弁護士は、Aさんらの戸籍情報を含めて提出した上で、銀行に対して預金の払戻しを求めることにしました。また、過去の裁判例を踏まえれば、他の相続人の同意がなくてもAさんらは単独で払戻しが可能であり、銀行に預金の払戻しを拒む理由は特にないはずであることも伝えました。
交渉の結果、銀行所定の相続手続依頼書に必要事項を記載すれば、Aさんらは法定相続分に従った預金の払戻しが受けられることになりました。
-
結果・解決ポイント
-
銀行からの払戻しの結果、Aさんらは合計で1000万円近くの預金を取得することができました。銀行に払戻しを依頼してから、1ヶ月程で無事に解決しました。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問合せはこちら