遺産分割教護で作成した協議案に納得してもらえない。
- ご相談者Aさん
- 年齢:50代
- 性別:女性
- 続柄:長女
-
ご相談までの経緯・背景
-
父(80代)が亡くなったので、娘であるAさん(50代)と弟のBさん(40代)が相続人として父の財産を相続することになりました。Aさんは、生前両親が住んでいたマンションを息子に譲りたいと考えており、不動産を相続することにこだわりがありました。一方Bさんは、生前、父と仲が悪く、疎遠な関係にありました。
父の死後、Aさんは司法書士を介して、不動産についてはAさんが取得する代わりに父が遺した株式・預貯金などについては全てBさんが取得する内容の遺産分割協議案を作成しました。Aさんは、Bさんに対して遺産協議案に署名と押印をするように申し出ましたが、Bさんはその協議案の内容に不満があり、一切連絡がつかなくなってしまいました。
父の遺産分割を早期に解決したいAさんは、対応に困りどうしたらよいのか当事務所に相談にいらっしゃいました。
-
Bさんは、突然、Aさんに対して、遺産分割協議案記載の代償金を振り込むように求めてきました。息子が既にマンションに住んでいることもあり、不動産を手放すわけにはいかなかったAさんは、Bさんに代償金として250万円を振り込みました。
そこで、Aさんは、既に遺産分割協議案の内容どおりの支払いは済んでいると主張し、なるべく早期にBさんが署名・押印することを望んでいました。
-
解決までの流れ
-
弁護士は、不動産の相続にこだわりがあったAさんの意思を尊重して、以前の協議案通りの遺産分割を求めることにしました。すなわち、不動産についてはAさんが相続するが、有価証券についてはBさんが相続するよう、Bさんと交渉することにしました。
また、Aさんは両親の介護と葬儀を一人で切り盛りしており、Bさんは両親の容態を気にすることは一切ありませんでした。そこで、弁護士は、この遺産分割はAさんの貢献を踏まえた公平な分割であることも主張することにしました。
一方で、もし仮に交渉が不調に終わった場合には、Bさんが相続した価証券についても法定相続分に従って権利を主張すること、及び、既にBさんに支払った代償金も返還を求めることになる旨を伝えることで、Bさんとの交渉を優位に進めることにしました。
-
結果・解決ポイント
-
Bさんとの交渉を優位に進めた結果、Aさんは従前の協議案通り、不動産を相続することができました。当事務所に相談してから、1ヶ月程度で解決し、Aさんの望みどおり早期の遺産分割となりました。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問合せはこちら