解決事例

遺産の不動産に設定された根抵当権を抹消して相続したい。

  • ご相談者Aさん
  • 年齢:70代
  • 性別:女性
  • 続柄:長女
遺産分割協議書作成プラン
ご相談までの経緯・背景

Aさん(70代)の妹Bさんが亡くなりました。Bさんは生涯独身でしたので、Bさんの兄弟が遺産相続することになり、長女であるAさんが相続手続きを行うことになりました。

Bさんの遺産を確認したところ、Bさん名義の不動産には根抵当権が設定されていたため、Aさんは抵当権の抹消手続きなど、いったいどうしたらよいか分かりませんでした。

そこで、Aさんは、相続に詳しい弁護士に、すべての相続手続きをお願いしたいと思い、当法律事務所へ相談にいらっしゃいました。

相続人である兄弟全員の合意により、Aさん以外の兄弟は既に相続放棄をしていました。

そのため、AさんがBさんの遺産すべてを相続することになり、相続手続きを進めていたのですが、不動産には根抵当権が設定されていました。

根抵当権とは、一定の範囲に属している不特定の債権について、極度額の限度で担保する抵当権のことをいいます。根抵当権を設定していれば、その極度額の範囲内で何度もお金の借りることができます。

しかし、Aさんはお金を借りる必要がなかったため、この根抵当権を抹消したいと考えていました。

相続不動産に設定された抵当権の抹消

解決までの流れ

相続不動産の抵当権ないし根抵当権を抹消する場合には、抹消原因が被相続人の死亡時の前後どちらにあるかによって手続がかわってきます。

すなわち、抹消原因が被相続人の死亡前に存在していた場合には、被相続人の所有権名義のまま抵当権の抹消登記手続を行うことが可能です。

一方で、抹消原因が死亡後に生じた場合には、相続人に所有権を移転してから、相続人の名義で抹消手続を行わなければなりません。

抹消原因によって遺産分割協議をするべき時期もかわってくるため、非常に複雑な処理となります。

弁護士は、Bさんが亡くなる前に抵当権の原因が消滅していたため、Bさんの所有名義のまま根抵当権を抹消し、その上で、遺産分割協議書を作成して遺産相続を行うことにしました。

結果・解決ポイント

Aさんは、Bさんの相続不動産に設定されていた根抵当権は抹消することができました。その上で、兄弟と遺産分割協議書を作成し、AさんはBさんの不動産を相続することができました。

相続不動産に設定された抵当権の抹消

担当弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(東京弁護士会)
千葉大学法経学部法律学科卒業、上智大学法科大学院法学研究科修了。不動産法務、不動産法務と切り離せない相続を中心とした法律問題に取り組む。国内総合デベロッパー、大手証券会社、不動産協会からのセミナー・講演依頼も多く、不動産法務を基軸に積極的に活動している。
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