解決事例

兄弟の一人が弁護士を立てて遺産分割調停を申し立ててきた。

  • ご相談者Aさん
  • 年齢:60代
  • 性別:男性
  • 続柄:長男
  • ご相談者Bさん
  • 年齢:70代
  • 性別:女性
  • 続柄:長女
遺産分割協議プラン
ご相談までの経緯・背景

母(90代)が亡くなったので、長男であるAさん(60代)、長女であるBさん、次女であるCさん(70代)が相続人として母の財産を相続することになりました。

母は生前、遺言書を残していなかったので、兄弟同士で遺産分割協議を行わなければなりませんでした。

しかし、母が遺した財産をめぐって、兄弟の意見が合わず、遺産分割協議は成立しませんでした。

その後、AさんとBさんは、Cさんからいきなり遺産分割調停の申し立てを受けることになりました。Cさんの主張には、納得いかない部分があり反論したかったのですが、Cさんには弁護士が付いていたため、AさんとBさんはどうしたらよいのか当事務所に相談にいらっしゃいました。

Cさんの主張している遺産分割の中に、ある銀行の預金口座が含まれていませんでした。母の名義であることに間違いはないのにもかかわらず、Cさんが提出した遺産目録の中にその預金口座が含まれていないことにAさんらは納得がいきませんでした。

また、Cさんは母の生前、その銀行口座から度々金銭を引き出しており、この引き出した金銭を考慮した上で公平に遺産分割を行って欲しいとAさんらは考えていました。

また、Bさんは父が建てた不動産に住んでおり、父の死後その賃料を支払っていたのですが、Cさんにその負担部分を弁償してもらいたいとも考えていました。

遺産分割調停

解決までの流れ

弁護士は、Aさんらの反論どおり、なぜCさんが特定の銀行口座を遺産分割の対象に含めなかったのか、Cさん側の弁護士に説明を求めることにしました。すると、Cさん側の弁護士は、長年、Cさんが両親の介護を行ったことに対する見返りで、銀行口座の贈与を受けたのであり、そもそも遺産分割の対象にならないと主張しました。

弁護士は、口座の贈与は生前贈与にあたるので、これを差し引いた上でCさんの相続分を決めて遺産分割を行うのが公平であると主張しました。

また、Bさんが父の死後、月々支払ってきた不動産の賃料についても、父の死後、Aさん・Bさん・Cさんがそれぞれ3分の1に分割して負担するのが公平です。弁護士は、Bさんが月々支払ってきた賃料を加味した上で、遺産分割を行うべきと主張しました。

結果・解決ポイント

交渉の結果、Cさんが度々引き出していた預金は特別受益にあたるとして、これを加味した遺産分割調停が行われることになりました。

具体的には、Cさんは遺産を相続しないことになり、Aさんは、父が生前住んでいた不動産と株式の半分を、Bさんは、株式のもう半分とその他の財産を相続することになりました。また、Bさんが月々支払ってきた不動産の賃料についても、Cさんは自己の負担部分を弁償金としてBさんに支払うこととなり、Aさんらの希望通りの遺産分割が成立しました。

遺産分割調停

担当弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(東京弁護士会)
千葉大学法経学部法律学科卒業、上智大学法科大学院法学研究科修了。不動産法務、不動産法務と切り離せない相続を中心とした法律問題に取り組む。国内総合デベロッパー、大手証券会社、不動産協会からのセミナー・講演依頼も多く、不動産法務を基軸に積極的に活動している。
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