福島:
きっかけとしては、共通の知り合いであるフォトグラファーの田辺さんを通じて知り合いましたよね。私の親友である”フォトグラファーの岡田君の奥様=田辺さん”で、普段から頻繁に交流をさせてもらっており、家族ぐるみの関係です。岡田君のアラスカの海の三部作を六本木オフィスの各会議室に飾らせてもらっているのですが、その際は、田辺さんにコンセプトメイクしてもらいました。
岩田さんと田辺さんは、昔からお仕事を一緒にされている印象ですが、いつ頃からのお知り合いなんですか?
岩田:
10年弱くらいの付き合いじゃないですかね(笑)。
私のデザインをしていたアーティストとのつながりをきっかけに、アーティストの事務所からデザイナーとして私、カメラマンとして田辺さんが選ばれ、現場で会ったことが最初の出会いです。
福島:
結構長いですね!デザイナーとして活躍されているということで改めて経歴を見ましたがすごい経歴をお持ちですよね!そして、実は法学部だったことに意外です(笑)
岩田:
昔のことなので、もう知識としては全然なく、法学部出身とは口が裂けても言えないです(笑)。
福島:
私も自分が法学部出身とは自信を持って言えないですね(笑)。
私の中の岩田さんに対するイメージが「音楽業界のすごい人」ですが、どんなキャリアを築いたら、法学部から音楽のレジェンドになられたのですか?
岩田:
とにかく音楽が好きだったので、大学卒業後は映像の会社のAD(アシスタントディレクター)として、雇ってもらいました。最初は撮影助手を行っていましたが、その後は「映像のパッケージを作れ」と当時の上司に言われ、パッケージのデザインに関わるようになりました。当時のデザインは「写植」と呼ばれる技術でパッケージを作成しており、当時の私は一から印刷会社の方に教えていただき、パッケージを作っていました。
パッケージのデザインに関わったことをきっかけに、グラフィックデザインへと手を付け始めました。より自分のやりたいことを求めていた頃、高校時代の友人から声掛けされ、協同経営者としてデザイン会社を設立することになりました。それが今の「7STARS DESIGN」と呼ばれるデザイン会社になります。
福島:
グラフィックデザインだと、当時は最新技術になると思いますが、抵抗はなかったのですか?
岩田:
抵抗感はなかったですね。元々、中学生時代からパソコンを持っていたこともあり、パソコンや最新技術への拒否反応や苦手意識はありませんでした。
仕事に関しても、私が「やりながら覚える」ことに長けていたこともあったことや、「7STARS DESIGN」はストリート系のデザインが多く、裏原宿が生息地帯だったため、遊びながら友好関係を築きながらコミュニティを広げ、仕事に繋がっていったことが肌に合っていたのだと思います。当時はただ「創りたいものを創ろう」とノリでやってきましたね(笑)
私は音楽が好きなことから、CDジャケットのデザインをメインで仕事をしていたため、フェスやライブハウスなどでCDを売れることで、自身のデザインに対する認知度が広がり、今に至りますね。
福島:
自分のやりたい仕事を、自分のやり方でされてきて、楽しそうですね!
話を聞く限りだと、「デザインを売り込みに行く」といった営業の仕事はされていない印象ですね?
岩田:
そうですね。営業部署や機能は持ったことがないです。日頃の知り合いを通じて、より知り合いの輪を広げて関係性を作っています。
営業部署や機能を持たない理由として、「新しいもの」、「自分とは違うもの」を追っかけ、売り込むことに対して、私はそこまで重要視していません。デザインに対して、時代とツールはその時々に応じて変化するもので、その中で良いデザインが創れるように心掛けています。そのため、考え方は常に今の感性に合わせようと心掛けてはいますが、流行りへのこだわりはありません。デザインの本質的な部分として「ストーリーをどう創るか」、「適材適所に対応できる選択肢を持つこと」を意識しています。
今までの自分が活躍できたことについては、たまたま自分のやりたいことと、やっていたことが、時代に合っており、それが最先端になっていたからではないかと思っています。
福島:
2021年8月に六本木オフィスの移転、事務所名やロゴが一新されました。当時、コーポレートサイトは同時にリニューアルされたものの、採用サイトはまだリニューアルされていなかったことが理由です。
従来の採用サイトは、デザインや写真などがブランドイメージと合わないことはもちろん、“採用サイト”としてコーポレートサイトとはまた別のデザインにしたいと悩んでいたときに田辺さんに相談しました。田辺さんからのアドバイスとして、「サイトの作り方として、企業向けと、芸能向けの採用サイト制作があること」、「企業向けだとお互いのフォーマットに合わせて対応するといったシステマティックな要素が強く、あまり柔軟性がないが、芸能向けだと“一緒に創ろう”というスタンスであるため、懇切丁寧に対応できる。こんな構図の写真の撮影や納品方法があるといったアドバイスもできること」を教えていただきました。
田辺さんは、フォトグラファーとしての活動だけでなく、プロデュースからコンセプトデザインまでといった、クリエイティブディレクションをしていたこともあり、その話をきっかけに、採用サイトについてもお願いできないかと相談しました。そして、知り合いのデザイナーを3名ご紹介いただき、3名のうち、ただの法律事務所ではなく、すこしエッジが効いているデザインを作成できることや、新しいコラボをしたいという想いがあった岩田さんにお願いをさせていただきました。
岩田:
それで私が選ばれたのですね!私としても、自分のやりたいことができる対象が増え、自分と感覚が近い人とのつながりができるチャンスだったので、ありがたいと感じ、仕事を引き受けました。
岩田:
今まで関わりがなかった業界との仕事について、特に気持ちへの変化はありません。理由としては、デザインの本質について、「何を伝えたいのか」をお客様と対話した上で、自分のやりたいことをやることは、今までの仕事とやり方が変わらないからです。
どちらかというと、もし自分たちがやっていたことが、お客様から見て「目新しい」と思うのであれば、その融合をやってみたいと思っています。
Authenseの採用サイトの話を聞いたときには、まずやりたいと思いました。Authenseに対して、どういった特徴を持った法律事務所かまでは知りませんでしたが、私たちが関わっていなかった法曹業界、法律事務所との繋がりができることは大事だと考えたからです。
福島:
繋がりを作ることは大事だと私も思います。個人的に岩田さんを選んだ理由としては、田辺さんがAuthenseのことを想ってデザイナー候補を挙げていただいた中で、「岩田さんが一番面白い人」と聞いていたことや、一緒に採用サイトを作るときに楽しくできる人は岩田さんだと感じ、表面的なものではなく、中身に訴えられるようなサイトが創れるだろうと思ったことが理由です。
岩田:
私たちもAuthenseと一緒に仕事をしていて楽しかったですね。
私たちが創った採用サイトは、のちに時代や状況に合わせて変化するものですが、「次にどうしていこうか」と可能性がある人としか今後も一緒に仕事を続けられないと考えています。Authenseの皆さんは、目指すことを決めたら、全員で動いているところがいいですね。そこは企業もバンドマンも変わらないと思います(笑)。
福島:
確かに(笑)。
Authenseの採用サイトを作成してみて、法曹業界、法律事務所と関わったことがない岩田さんから見て、Authenseはどう感じましたか?
岩田:
とにかく楽しかったですね。
印象的なことは撮影で、撮る側はもちろん、撮られていた皆さんも楽しんでいただけたと思っています。撮影が楽しいと思えることは、企業案件だとなかなか難しいですが、社風は掲げている通り、どの方もとにかくフランクで、私自身そこまで緊張せず撮影に取り組めました。
採用サイトを創り始めた当初は、社風が分からず、勝手に東京ミッドタウンに入っている法律事務所だから澄ました感じがあるかと思いましたが、受付の方も優しく温かく迎えていただいたところも印象的でした。
あと撮影時はとにかく、弁護士とスタッフの方がいい意味で見分けがつかなかったですね。誰を撮っているのかは職種を聞くまで分からなかったですし、弁護士の方は圧迫感なく自然に接することができました。弁護士とスタッフの方同士での撮影でお互いをイジリながら会話して撮影の雰囲気作りをしていただいたため、法律事務所だから、弁護士だからといった枠組みは関係なく、人間的に仕事をしてくれそうと感じました。
だからこそ、スタイリッシュでありつつも、人間味のある様子をデザインに絶対に取り入れたいと思いました。その想いに対し、撮影対象者の皆さんが応えてくれたことがとにかく嬉しく、楽しかったです。
福島:
悩んだと言えば、岩田さんより採用サイトのデザイン案を3パターン作成していただきましたが、その中で岩田さんが推していたデザインはありましたか?
今のサイトのデザインは、ボードメンバーが多数決で選んだものになっています。
個人的には3番目が面白く、今っぽいと感じていますが、コーポレートサイトと採用サイトでデザインがあまりにも違い、ブランドイメージと乖離してしまうことも懸念していたため、今のデザインになって安心しています。
またデザインの提示方法が、相手との関係性に応じて提示順や意図が配慮されていると感じたため、岩田さんの仕事の仕方が表れていると思いましたね!
岩田:
自分自身、デザインに対して表立って出すことは苦手なので、あの方法で提示しました。
また、採用サイトは流行り廃りがあるため、新しいことを取り入れやすいとは思うのですが、採用サイトの本質からは離れてはいけないし、法律事務所ならではの信頼性もあるため、3パターンいずれのデザインも好きではありますが、個人的にも今のデザインが一番気に入っています。
福島:
そうですね。表向きにコーポレートサイトとあえて違うように見せることはそう難しくはありませんが、とはいえ法律事務所だから、法律事務所らしくしないといけない部分もありますからね。
そういった考え方は、代表の元榮と似ていると思います。元榮は常に、受け手と作り手の考えやスピード感、関係性を配慮しているため、採用サイト制作を通じて、岩田さんの考えや仕事の仕方が似ており、今回お願いしてよかったと感じました。
岩田:
Authenseは他の法律事務所、士業のものと比べ、印象が異なると思います。
また採用サイト制作を通じてAuthenseは、Authenseグループとして様々なジャンルへと手を伸ばそうとしていることから、将来性があると感じました。
そんなAuthenseの本質を丁寧に創り込んだデザインになっていますので、是非楽しんでいただければ幸いです。
福島:
岩田さん、田辺さんを含め、採用サイト制作に関わった人たちの想いが詰まった採用サイトになっています。Authenseのブランドイメージや所員の人間味あふれる魅力的なサイトになっておりますので、是非Authenseに少しでも興味を持っていただけましたら、ご応募ください!皆様からのご応募お待ちしております。