解決事例

父から相続した一軒家に無償で住み続ける姉夫婦を退去させたい

ご相談者:B子さん 年齢:70代 性別:女性
その他の立退交渉プラン

相談までの経緯・背景

依頼者のB子(70代)さんの父親は、生前、余った土地に一軒家を建て、娘夫婦(B子さんにとっては姉夫婦)に無償で貸していました。
やがて父親はなくなり、不動産はB子さんが相続しましたが、姉夫婦はそのまま住み続けていました。
固定資産税などの観点からも、このまま無償で貸し続けることは難しいとB子さんは考えていました。
とはいえ、姉妹間での訴訟は望んではいませんでしたので、立ち退き交渉を行ってほしいと当所にご相談にお見えになりました。

解決までの流れ

ご依頼を受けてから、まずは姉夫婦のもとを訪問し、立ち退いてほしいと伝えると、当初は「しょうがない」「そろそろ限界かなと思っていた」と、前向きにこちらの話を聞いてくれていました。

しかし、具体的に退去後に新たに賃貸物件に入居するとなると、毎月の家賃の支払いが発生します。
姉夫婦は年金暮らしで、一人娘は無職。一家に収入がない中で、家賃を支払うことが難しいと感じたのか、ある時期を境に交渉自体を拒否されるようになりました。

訪問しても居留守を使われ、電話をしても出てくれません。
そこで、粘り強く手紙を送り、時間を見つけては訪問を繰り返し、少しずつ会話ができる環境を再構築していきました。
信頼関係を築いていき、お悩みを伺っていくと、やはり退去後の生活に不安を感じておられました。
そこで、提携の不動産業者と連携して、「ここの物件はどうですか?」と提案、さらに詳しくお悩みを伺い相談に乗って…と、時間を掛けて心の扉を開いていきました。
最終的には、「24時間いつでも相談に乗るので、いつでも電話してください」と直通の電話番号を伝えたところ、交渉を拒否していた先方から相談の電話がかかってくるようになりました。

少しずつ解決に向けて歩を進めていき、立ち退き料の交渉へと進んでいきました。
当初、姉夫婦からは法外な金額の解決金を伝えられていましたが、粘り強い交渉の結果、最終的には双方が納得できる金額で合意。無事、立ち退きも完了しました。

結果・解決ポイント

立ち退き後、建物は取り壊し、B子さんは新たにマンションを建てて土地を有効活用しています。
無事に立ち退きを完了させることができたのは、粘り強い交渉の結果だと感じています。
姉夫婦は長年、家賃を支払うという経験をしたことがなく、賃貸物件に入居して毎月家賃を支払うことに対して不安を抱いていました。
何度も訪問や架電を繰り返し、少しずつ会話の量を増やしていき、信頼関係を構築することで、退去後の不安や悩みを引き出し、可能な限り相談に乗る。これらを丁寧に進めていき、交渉を上手くまとめることができました。

ご依頼者のB子さんと姉夫婦は姉妹でもあり、裁判で争うことは希望されていませんでした。
交渉で解決を目指す際、スムーズに話し合いが進むことばかりではありません。
今回のケースのように、交渉を拒否されることもしばしばです。
立ち退き交渉でお悩みの方は、当事者同士で解決を目指すのではなく、まずは一度、法律事務所にご相談にお越しください。
適切な解決策を、ともに探していきましょう。

担当弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(東京弁護士会)
東京弁護士会所属。法政大学法学部法律学科卒業、明治大学法科大学院修了。不動産法務における豊富な解決実績を有し、その強みを生かして事業承継を中心とした相続案件などにも注力している。不動産業界全般における幅広い法的トラブルに造詣が深く、建物取壊し・建て替えや借地権買取といった立ち退きに関する交渉、建物建築に関連する紛争、不動産の所有権移転や近隣トラブル、不動産賃貸借に関する紛争、不動産を含む財産の相続事件等、建物の建築・活用・相続・取り壊しまでに生じうる不動産関連のすべてのプロセスを一貫してカバーするリーガルサポートを提供している。
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