今回は、誹謗中傷・風評被害が実際に企業にもたらすリスクや企業がどういう対応策を取るべきなのかについて、事例を交えて分かりやすくご紹介します。
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登壇者紹介
弁護士 高橋 直
早稲田大学法学部卒業、早稲田大学大学院 法務研究科修了。
誹謗中傷分野のマネージャーを務める。バイオ・繊維業界、ファッション業界、エンタメ業界などの業種の業務も担当して いるため、特許法、商標法、著作権法、不正競争防止法等知的 財産分野に造詣が深い。インフルエンサーやYouTuber、VTuber(バーチャルYouTuber)、ライバーの権利保護・救済に尽力している。
弁護士 川崎 賢介
関西大学法学部法律学科卒業、東海大学法科 大学院修了。
証券会社にて2年間、企業内弁護士として勤務。金融分野への深い造詣に加え、リース事業や太陽光事業の企業法務経験も有し、事前に紛争リスクを最小化する予防法務だけでなく訴訟対応も得意とする。現在は離婚、ネット誹謗中傷案件にも注力。依頼者の期待を超える「プラスアルファの選択肢」を提示する提案力を強みとしている。
このセミナーでお伝えすること
- 弁護士の紹介
- 誹謗中傷・風評被害が企業にもたらすリスク
- SNSで誹謗中傷をされてしまった場合に企業が取るべき対応
- サジェスト汚染について
- 日常業務で気を付けること
- 事例紹介
- 質疑応答
企業にもたらすリスク
今回、誹謗中傷・風評被害が企業にもたらすリスクをお話しさせていただきます。
ここでは取引先との関係性の悪化、売上への悪影響や採用活動への悪影響、社内の士気への悪影響という 4点を取り上げたいと思います。
では、まず1点目は取引先との関係性の悪化です。既存の取引先との関係の悪化や新たな取引先の獲得への悪影響のおそれがあります。やはり取引先が行政や大きい企業であると比較的ネットの情報も見ている傾向にあるというふうに感じるところがあります。企業の大きさは関係なく、どの会社もそれなり調査されて、契約関係に入ります。
継続的な関係にあったりするところであっても、途中で何かネットに書かれていないかをふとした拍子に目についてしまうこともあります。よって、こういう場合に取引先との関係性の悪化というところが挙げられます。
2個目が売上に関する影響です。誹謗中傷・風評被害に関する書き込みによって、売上が下がってしまったというご相談も実際にお受けしたことがあります。実際に裁判で、誹謗中傷で売上が下がってしまったという因果関係を証明するのは非常に難しいです。裁判所に認められるか否かに関わらず、相談を受けたことはあるので、実際に売上に影響してしまうという実態はあるのかなと、日々業務をしていると感じるところではあります。
3つ目の影響として採用活動に影響を与えることも考えられます。採用活動で特に影響を与える書き込みの例としては、求人サイトへの書き込みがあります。誹謗中傷とも言えるような全く嘘の書き込みやそれに基づきブラック企業との印象を求職者の方に与えてしまい、応募数が減少したり、辞退者が増えてしまったりする可能性はやはりあるかなと。そうなると採用活動が長引けば長引くほど、無駄に採用コストが増えてしまうというリスクもあります。そういう意味では、事業の数字への影響もあるかと思います。
4つ目が、社内への士気、モチベーションへの影響です。以前、弊所で担当した案件で Googleマップの口コミに書かれてしまった投稿によって、社内の士気が下がってしまったというご相談を受けたことがあります。こちらの案件では、障害者を支配している、飼い殺されている人の集まりである、というかなりひどい内容が書かれてしまいました。それが社内で話が広まってしまい、多くの従業員の方が目にすることになってしまったと。従業員の方も自分はこんな会社で働いているのかと感じ、多くの従業員のモチベーションが低下してしまったというようなお話をいただいたことがあります。
以上の4つで、取引先との関係悪化や取引先の獲得、売上の減少、人材確保、社内の士気という面で、企業運営に相当程度大きなダメージを与えかねないというところがあるかと思います。
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記事監修者
高橋 直
(千葉県弁護士会)早稲田大学法学部卒業。早稲田大学大学院法務研究科修了。企業法務を中心に活動。ベンチャー企業から上場企業まで幅広く支援。エンタメ業界、バイオ・繊維業界、ファッション業界、インターネット権利侵害問題に注力、豊富な実績を有する。離婚・相続問題、刑事事件、交通事故被害などの一般民事案件の実績も多数。
川崎 賢介
(大阪弁護士会)関西大学法学部法律学科卒業、東海大学法科大学院修了。リース事業や太陽光事業の企業法務をはじめ、不動産法務、離婚や相続などの家事事件、インターネットにおける誹謗中傷・人権侵害等の被害者救済などの刑事事件に積極的に取り組んでいる。
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