コラム

示談交渉がまとまらない!トラブル事例からみる交通事故後の対応方法

交通事故の被害に遭った後の示談交渉がスムーズに進まず、加害者側とトラブルになったらどうすればいいのでしょうか?
適切な金額の損害賠償を支払ってもらうには、相手方の言い分に流されず、被害者として根拠のある主張をしなければなりません。
示談交渉におけるトラブルの具体例と、その対応方法を確認していきましょう。

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記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部政治学科卒業、桐蔭法科大学院法務研究科修了。交通事故分野を数多く取り扱うほか、相続、不動産、離婚問題など幅広い分野にも積極的に取り組んでいる。ご依頼者様の心に寄り添い、お一人おひとりのご要望に応えるべく、日々最良のサービスを追求している。
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交通事故の示談交渉とは?

交通事故の発生後は、事故の被害者と加害者の間で「事故発生のお互いの責任の割合(過失割合)」や「過失割合に基づく損害賠償(いわゆる示談金)の金額」を決めなければなりません。
これを裁判によらず、当事者同士の話し合いによって解決するのが示談交渉です。

多くの場合、交通事故の加害者は自動車保険に加入しており、加害者側の代理人として保険会社が示談交渉に入ります。
対する被害者側も、示談交渉の代理を自身が加入している自動車保険の保険会社に依頼できる場合があります。
このようなケースでは、お互いに保険会社の担当者を介して交渉が行われることになります。

また、加害者側には保険会社がついている一方で、被害者側は被害者本人が示談交渉に臨むというケースもあります。
被害者側に事故発生の責任が一切なく、加害者の過失割合が100%である事故(いわゆる「もらい事故」)の場合は、被害者側の保険会社は被害者の代理として示談交渉に入ることができないため、被害者は自分で示談交渉に対応することになります。

なお、いずれの場合であっても、弁護士に示談交渉を依頼することも可能だということを覚えておいてください。

示談交渉の重要性

示談交渉を経て、例えば被害者と加害者の過失割合が30:70に決まったとします。
この場合、被害者が加害者に請求できる損害賠償金は、被害者にも過失があった分30%減額され、損害額の70%の金額となります。
これを「過失相殺」といい、ケガを負ったことによる慰謝料や治療費などを含む被害者の損害額が300万円であったとしても、被害者が加害者に請求できる損害賠償の金額は300万円 × 70% で210万円となってしまうのです。

このように、被害者が加害者から受け取ることのできる損害賠償の金額は、示談交渉の結果によって大きく変わってきます。
では、交通事故の示談交渉において発生するトラブルとはどのようなものなのでしょうか?

示談交渉がまとまらない!よくある示談トラブル事例

示談交渉がまとまらない!よくある示談トラブル事例

示談においてどのようなトラブルが発生するかをイメージするには、加害者側の保険会社の立場で考えてみると分かりやすいです。
保険会社も営利企業である以上は、当然利益を追求するものです。
となれば、「加害者側の保険会社の担当者としては、『被害者に対して支払う保険金を少しでも抑えたい』と考えるのでは?」と想像できます。

では、示談トラブルには具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

提示された過失割合に納得できない

被害者が「こちらにはほとんど事故発生の責任などないはずだ」と考えていても、「あなたにも20%の過失がありました」などと言われてしまうことがあります。
しかし、この過失割合が適切なのか、根拠をもって判断することは難しいです。
また、過失割合を変更するには、単に「自分に20%もの過失があったはずがない」と言うだけでなく、事故後の状況の記録や目撃者の証言なども含め、論理的な主張をする必要があります。

事故とケガの因果関係を疑われる

交通事故の被害者が加害者に請求できる治療費は、事故に起因するケガの治療にかかる費用だけです。
事故とは無関係のケガや痛みであれば、当然ながらその分の治療費を支払ってもらうことはできません。
このため、事故とケガとの因果関係を疑われないよう注意する必要があります。

交通事故に遭ってから最初に病院に行くまでに期間が空きすぎていると、治療費を請求しても「このケガは交通事故とは関係ない、別の原因によるものでは?」と疑われてしまう可能性があります。
これを防ぐためには、事故後なるべく早急に病院に行き、レントゲンやCT、MRIといった画像検査を受けることによって、事故直後の受傷状況を客観的に証明することが重要です。
しかし、客観的に症状を証明することが難しいむち打ちや、事故後しばらく経過してから発症する高次脳機能障害など、事故との因果関係を立証することが難しい場合もあります。

治療費の支払いを打ち切られる

交通事故のケガには、長期間の治療が必要となる場合があります。
もし完全に治癒しないとしても、「これ以上治療を続けても症状は治りきらず、将来にわたって事故による症状が残る」と医師が判断した状態(症状固定)に至るまでは治療を続けるべきです。
交通事故によるケガの治療費は、治癒するまで、あるいは症状固定までは加害者側の保険金でまかなうことができます。

当然ながら「これ以上治療を続けてももう良くなることはない」という段階になれば、それ以降の治療費を請求することはできません。
しかし、まだ治癒に向けて症状が良くなる余地があるにもかかわらず、加害者側の保険会社から「そろそろ症状固定の時期ではないですか?」と治療費の打ち切りを打診されることがあります。
このような場合は、治療継続の必要性があることを相手方に主張する必要があります。

そのほか、通院頻度が少ない場合や、医師の許可を得ず接骨院に通い、その費用を請求した場合なども、必要不可欠な治療であると認めてもらえず、トラブルになることがありえます。
加害者側の保険会社から「それは必要のない治療では?」と判断されると、その分の保険金の支払いが受けられない可能性が出てくるのです。

損害賠償の金額に納得できない

ここまで説明してきた過失割合や、治療費がどこまで認められるかという点を含め、やはり最終的に問題になるのは加害者側から支払われる損害賠償の金額です。
決して少なくない金額を支払ってもらえるわけですから、それが適切な金額かを判断するところまで頭が回らないかもしれません。
あるいは、提示された損害賠償を「事故後の負担に見合う金額ではない、これでは納得がいかない」と感じても、それ以上交渉を続ける気力もなく、示談の成立を受け入れてしまうかもしれません。

しかし、示談とは「話し合いによりお互いに納得して、問題を解決とすること」です。
一度示談が成立し、損害賠償を受け取ってしまうと、原則として示談をやり直すことはできません。

一つの交通事故について損害賠償を請求できるのは一度きりであることを念頭に、後悔しない内容の示談を行う必要があります。
そのためには、「自分自身の過失割合は何%程度が適切なのか」「治療費はいつまで支払ってもらえるのが妥当なのか」「損害賠償の算出根拠はどのようなものなのか」等、専門的な知識をもって示談交渉に臨むことが何より重要です。
そして、そのうえで非常に有効なのが、弁護士に示談交渉の代理人を依頼することです。

弁護士に示談交渉を依頼するメリット

弁護士に示談交渉を依頼するメリット

示談交渉において、弁護士に代理人になってもらうことには様々なメリットがあります。

保険会社と対等に交渉できる

特に被害者自身が相手方の保険会社と直接交渉するケースにおいて、被害者側と加害者側は対等な立場とはいえません。
保険会社は示談交渉のプロであり、一定の根拠に基づいて、過失割合や治療費の打ち切りを打診してきます。
そのような場合でも、交通事故に精通した弁護士であれば、過去の裁判例などからより適切な過失割合や必要な治療期間を導き出すことがき、有利な交渉が可能となります。

示談交渉のストレスから解放される

交通事故の示談交渉では専門用語が出てくることも多く、被害者自身にとって不利な情報を聞き逃してしまうこともあります。
示談のやり取りのたびに会話を録音し、相手の言い分が正当なものかどうか調べるのも大変ですし、その判断にも法律知識が必要になります。
一方、示談交渉を信頼できる弁護士に依頼できれば、依頼者の利益のために適切に交渉を進めてくれます。

損害賠償の金額が高くなる可能性がある

損害賠償の中でも、被害者がケガをしたり、死亡したりした場合に発生する精神的損害に対する慰謝料は、どのような基準に基づいて算定するかによって大きく金額が変わります。
保険会社が慰謝料を算出する際に用いる基準ではなく、弁護士が代理人となることによって適用できる「弁護士基準」で慰謝料を計算することによって、損害賠償の金額が大きく変わる可能性があるのです。

まとめ

交通事故の被害に遭った場合、自分に非がなかったとしても、示談交渉がスムーズに進むとは限りません。
示談交渉のトラブルを避けるには、事故後に早い段階で弁護士に相談しておくことが有効といえます。
また、実際に示談トラブルに遭遇した場合も、弁護士に示談交渉を依頼すればその後の交渉が有利に進められる可能性があります。
適切な金額の損害賠償を受け取るためにも、交通事故の示談交渉でお困りの方は、ぜひ一度オーセンスの弁護士にご相談ください。

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