交通事故の被害に遭い、相手が保険に加入していなかったらどうなるかご存じですか?
いわゆる「無保険」だったとき、賠償金やその後の手続きに支障が生まれ、大きなトラブルにも発展しやすいです。
最悪のケースでは、賠償金を支払わずに逃げてしまう悪質な人もいます。
今回は万が一事故が発生し、相手が無保険だった場合について詳しく解説します。
事前に知っておくことで有効な対策もあわせてご紹介します。
目次
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交通事故の無保険には2つのパターンがある
無保険状態には2つのパターンがあります。
パターン① 自賠責保険のみ加入
自賠責保険は法律により加入が義務付けられている、最低限の補償をする保険です。
加入は強制で、任意保険は契約していなくても自賠責だけは加入しているというドライバーは多いです。
自賠責保険に加入していなければ車検が通らず、一般道を走行することはできません。
任意保険に加入していない人は、統計上3割程度存在していると言われています。
パターン② 自賠責保険も未加入
自賠責はあくまでも最低限の補償なので、通常であればそれを補うために任意保険に加入している人がほとんどです。
しかし最悪の場合、強制加入の自賠責保険にすら加入していない人も存在します。
つまりは、完全に無保険状態ということです。
続いてそれぞれのパターンごとに詳しく解説していきます。
相手方が自賠責にのみ加入の場合
自賠責にのみ加入しているときの流れと注意点をご紹介します。
自賠責保険へ請求を行う
本来、任意保険に加入している相手との事故であれば、任意保険会社の担当者が自賠責保険の手続きを行います。
しかし任意保険に加入していなければ、被害者自身で自賠責保険の会社に請求する流れになります。
注意!自賠責保険には賠償額に限度がある
自賠責保険には、支払われる賠償額に限度があります。
例えば、ケガ(傷害)の場合は最大120万円、死亡の場合は最大3,000万円までです。
この120万円は、慰謝料や治療費、休業補償費など賠償金のすべてを併せた合計額です。
つまり被った損害のすべてを自賠責保険だけでは賄いきれない可能性があるのです。
賠償金の総計が自賠責保険の限度額を超えた際は、加害者に直接請求し支払ってもらうか被害者の自己負担になります。
もっとも、加害者自身に賠償金を負担する能力が十分にない場合も多いです。
相手方が自賠責保険にも加入していない場合
相手方が自賠責にも加入していない、完全な無保険状態だったらどうなるでしょうか。
本人へ直接請求をする
保険に何も入っていないのですから、加害者本人へ直接的に請求するしかありません。
ただし、自賠責保険で補償内容をカバーしきれなかった場合と同様の問題が発生します。
加害者に資力がないおそれがあるという点です。
当事者同士で話し合い、治療費などをどう負担していくのか話し合うしかありません。
それでも加害者側が誠実な対応をしない、もしくは現実的に支払い能力がないときもあります。
事故のケガが原因で治療や入院したときは、「健康保険」を使うことも可能です。
病院によっては、手続きの煩雑さを理由に自由診療をすすめてきますが、健康保険が使えないわけではありません。
健康保険か自由診療のどちらの方法を選ぶかは、あくまでも被保険者が決める事柄だと覚えておきましょう。
また相手方に資力がない、もしくは支払う意思がないときには、「政府保障事業」という救済制度もあるので、検討してみても良いでしょう。
ただし、条件としては健康保険の給付を受けてもなお補償しきれない部分があるなど限定され、金額的にも自賠責保険に準ずる形となっています。
無保険事故の加害者が逃げてしまう可能性
無保険車両との事故では、加害者本人に直接請求すると言いました。
しかし万が一加害者本人に支払う気がなかったら逃げられてしまうのではと疑問をお持ちの方がいると思います。
実際どうなってしまうのかご紹介します。
加害者が逃げてしまう可能性はある
結論から言うと、逃げてしまう可能性は多々あります。
連絡が急につかなくなったり、支払いが途中でストップしたり、被害者からすると憤りしか感じないような事も多いのが現実です。
素人がそういった無責任な人を相手に交渉を続けていく事は非常に困難でしょう。
保険会社は法的措置を行えない
仮に相手との連絡が途切れてしまったり、行方が分からなくなってしまったりしても、保険会社や被害者本人がそれ以上出来る事は、残念ながらほぼゼロと言えます。
それは、被害者にも保険会社にも法的措置を行う権限が付与されていないためです。
無保険で支払ってくれない場合は泣き寝入り?
では無保険状態の加害者が支払いをしないときは、泣き寝入りするしかないのでしょうか?
対処法をご紹介します。
相手が無保険の場合の示談
示談交渉が決裂してしまったときは、裁判にて訴訟を起こすことも考えてみてください。
少額訴訟なら1日で終わることもあり、和解に持ち込めるケースもあります。
請求金額が60万円を超える場合は、通常の訴訟手続きに入ります。
弁護士なら差押えなどの法的措置が行える
可能な限り早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士であれば財産の差押えなど、必要に応じた法的措置に移行します。
加害者が逃げてしまうような結果を招かないためにも、法的に先手を打ちましょう。
必ず弁護士費用保険特約に加入しておこう
自分の任意保険に、弁護士費用保険特約というオプションを付けておきましょう。
特約があれば基本的に最大300万円までの弁護士費用を保険で賄うことが可能なので、安心して依頼できます。
特約のオプションを付けても保険料は年間でも1,000円ちょっとの差なのが一般的ですので、入らない選択肢はないですよね。
判決が下っても支払われない場合、差押えが可能
仮に訴訟にまで発展し、判決が下ったにもかかわらず加害者が支払いに応じない場合、法的措置として差押えからの強制執行に着手可能です。
差押えができる財産は、家屋や土地などの不動産から、生命保険や預貯金などが対象です。
弁護士に相談するのが解決への近道
加害者が無保険であった場合、様々なトラブルにつながりやすいと分かったかと思います。
したがって最悪のケースを考えて弁護士に相談するのが解決策への近道です。
弁護士に依頼することで得られるメリットをおさらいしておきましょう。
- ・保険会社とのやり取りを代行してくれる
- ・法的な主張および手続きを執ることができる
- ・無保険の加害者との交渉がスムーズに進む可能性がある
- ・弁護士費用保険特約があれば費用の心配なしに相談可能
全ての弁護士が交通事故の案件に精通しているわけではありません。
離婚問題や相続問題、借金関係など様々な分野があります。
自分で探す際は、交通事故の問題に強い弁護士および法律事務所を探すようにしましょう。
難しい損害賠償の問題や、示談交渉は専門家である弁護士に任せることをおすすめします。
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