コラム
2021.02.02

交通事故の後遺症は何級になる?後遺障害等級の認定基準について解説

後遺障害の等級はどのようにして決まるのでしょうか?
交通事故被害による後遺症が「後遺障害」と認定されれば、加害者に後遺障害慰謝料などを請求できます。
1級から14級まである後遺障害等級のうち、どのような症状が何級に該当するのかを見ていきましょう。

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記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部政治学科卒業、桐蔭法科大学院法務研究科修了。交通事故分野を数多く取り扱うほか、相続、不動産、離婚問題など幅広い分野にも積極的に取り組んでいる。ご依頼者様の心に寄り添い、お一人おひとりのご要望に応えるべく、日々最良のサービスを追求している。
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後遺障害とは?

まず、どのようなものを「後遺障害」と呼ぶのかを整理しておきましょう。

交通事故を原因とする痛みや麻痺、傷あと、身体機能の障害などといった症状は、治療を続けても残ってしまうケースがありますし、身体の一部を欠損した場合、現代の医療技術で完全に元通りに戻すことはできません。
これらの症状については、治療やリハビリによって可能な限り事故前の状態を目指すことになりますが、一定の治療期間を経ても完全には治癒せず、「これ以上治療を続けても症状は治りきらず、将来にわたって事故による症状が残る」という状態に至る場合があります。
これを「症状固定」といい、症状固定のタイミングは医師の判断によります。

この症状固定を経て、後遺障害等級の認定を受けるための申請を行い、残存する症状に「後遺障害等級」が認定されて初めて、事故後に残った後遺症が「後遺障害」であると認められたことになります。
すなわち、事故によって後遺症が残っただけでは「後遺障害」とは言えないのです。

しかし、事故に遭ってケガをしたという精神的損害を賠償する「慰謝料」というお金の中でも、「後遺障害慰謝料」は後遺障害と認定されなければ加害者に請求することができません。
このことからも、事故被害者にとって、後遺障害と認定されるかどうかは非常に重要なことといえます。
では、実際にどのような症状があれば後遺障害等級に該当するのでしょうか?

後遺障害等級表に該当する症状

後遺障害等級表に該当する症状

後遺障害の各等級に該当する症状は、自動車損害賠償保障法施行令の別表に定められています。
後遺障害等級は、症状の程度が最も重い1級から、最も軽い14級までに分かれています。

詳しくはこちらをご参照ください。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment_pop.html

後遺障害の具体例

最も重度の後遺障害といえるのが、介護を要する後遺障害(別表第一)の1級です。
例えば、交通事故によって重度の高次脳機能障害となった場合、1級1号の「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」に該当する可能性があります。
具体的には、身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するケースが考えられます。

また、等級の中では最も軽度である14級の中でも、9号の「局部に神経症状を残すもの」の具体例として挙げられるのがむち打ちです。
レントゲンやCT、MRIといった画像検査では異常が発見できなかったとしても、事故後の症状が一貫しており、事故直後からの治療の継続によって事故と症状の因果関係が医学的に説明できれば、後遺障害等級14級に該当することがありえます。

認定基準は必ずしも明確ではない

認定基準は必ずしも明確ではない

ここまで説明してきたとおり、「〇〇という症状があれば後遺障害〇級」という基準は確かに定められています。
しかし、残存する症状は明確に数値化できるものばかりではないため、「局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)」と「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」のように、あいまいな部分もあります。
このため、むち打ちの症状などでは、事例によって「後遺障害14級と認められることもあれば、12級と認められる可能性もあるし、その一方で後遺障害と認められない非該当となることもありえる」という事態になってしまうのです。

また、後遺障害の「併合」といって、2つ以上の後遺障害が残った場合に、複数の後遺障害をまとめて1つの等級に当てはめることもあります。
それだけでなく、交通事故によって負った障害が等級表に載っていないもの(嗅覚脱失や味覚脱失など)だった場合でも、後遺障害に相当するものとして後遺障害等級が認められることもあるのです。

このように、後遺障害の認定基準は、後遺障害等級表を見るだけで分かるものばかりではありません。
そのため、「自分の症状は後遺障害等級の何級になるだろうか?」「後遺障害だと認定してもらえるだろうか、認められず非該当だと言われたらどうしよう?」と疑問に思ったとしても、等級表を見るだけで等級の見当がつくとは限らないのです。
適切な後遺障害等級の認定を目指すうえでは、まず「自分の症状では後遺障害の何級になる可能性があるか」を考える時点から、専門的な知見が必要になるといえます。

後遺障害の認定に不安があれば弁護士に相談しよう

後遺症が残っており、これから等級認定の申請をする方には、交通事故に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害の認定手続きにおいては、治療を担当してくれた医師が必ずしも詳しいとは限らず、手続きに必要な後遺障害診断書を医師に作成してもらううえでも、弁護士による助言が必要となるケースがあります。
また、「残存する症状は過去の事例に照らして何級になる可能性があるか」が分からなければ、実際に認定された等級に納得していいのかどうかも判断できませんが、その点についても知見を持った弁護士であれば適切に判断することが可能なのです。

それだけでなく、弁護士に依頼することによって、相手方に請求できる後遺障害慰謝料などの損害賠償の金額が大きく変わる可能性もあります。
等級認定の申請をする場合や、認定の結果に納得できず異議申し立てを行う場合など、納得できる結果を目指すのであれば、なるべくお早めに弁護士への相談を検討してみてください。

まとめ

「自分は後遺障害等級の何級になるだろう?」と疑問に思っても、実際に何級と認定されるのが適切かを考えるうえでは専門的な知識が不可欠です。
交通事故後、早い段階で弁護士に相談することは、相手方にどのような損害賠償を請求できるかを整理することにもつながります。
後遺障害の等級が何級になるか、また認定されるかどうかが不安な方は、お気軽にオーセンスの弁護士にご相談ください。

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