自分には関係ないと思っていても、いつその被害に遭うか分からないのが交通事故です。
では、もし交通事故の被害者になってしまったら、いったいどのような行動をとるべきなのでしょうか?
事故の直後はパニックに陥ってしまう可能性があるので、どうすべきかを事前に知っておきましょう。
万が一の際に備えて、ぜひご一読ください。
目次
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事故発生後の流れ
まず、実際に交通事故の被害にあった場合に取るべき行動を大まかにご紹介します。
- 1. 加害者の情報取得
- 2. 事故の状況の確認・記録
- 3. 警察への通報
- 4. 病院の受診
- 5. 保険会社への報告
ほとんどの方にとって事故の被害者になるのは初めての体験なので、気が動転して混乱するかもしれません。
まずは身の安全を確保し、落ち着いて行動に移すよう心掛けることが大切です。
なお、現在では多くの方がカメラ付きの携帯電話を所有されていると思います。
交通事故に遭った際には、カメラはもちろん音声レコーダー、あるいは動画撮影機能も役立つことがありますので、日ごろから使い方を確認しておきましょう。
加害者を特定して情報を取得する
事故の被害者になってしまった場合、今後の手続きのためにも相手の情報を把握しておく必要があります。
加害者から取得する情報
被害者として加害者から取得すべき情報は以下の項目が考えられます。
加害者に許可を取ったうえで免許証などの写真を撮影できれば、間違いを防ぐうえでも役立ちます。
- ・ 氏名および住所:運転免許証を提示してもらい確認する
- ・ 自動車ナンバー:車両番号(ナンバープレート)は必ず控える
- ・ 勤務先:相手に名刺などをもらう
- ・ 電話番号:連絡のつく電話番号を確実に教えてもらう
- ・ 保険情報:自賠責および任意保険会社の名称、保険番号を教えてもらう
※自動車の所有者や管理者が運転手(加害者)とは別の人の場合は、所有者または管理者の氏名・連絡先を別途聞き出しましょう。社用車などの場合は、車体に社名が記載されていることがありますので確認します。
今後のやり取りをスムーズに行うためにも、出来る限り多くの情報を取得するようにしてください。
当て逃げ・ひき逃げの可能性もゼロではありませんので、状況によっては最初にナンバープレートを含めて加害者の自動車を撮影しておくのもおすすめです。
証拠として提示できるように事故現場の状況を確認し、記録する
のちのち時間が経ってから、被害者と加害者の主張の食い違いや争いに発展する可能性もあります。
事故現場や周辺の状況を可能な限り確認するとともに、携帯電話のカメラ等で撮影し、記録するように努めてください。
事故状況の記録が証拠となれば、双方の過失割合が決まる際の不本意な結果を防ぐことにも繋がります。
具体的には、
- ・ 車両の写真を撮っておく
- ・ 現場の写真を撮っておく
- ・ ドライブレコーダーの有無を確認する
- ・ 目撃者の有無を確認し、連絡先を聞いておく
特に目撃者がいれば、証言をメモまたは録音しておくのがおすすめです。
また、「万が一、調停や裁判になった際には証人として助けてもらいたい」という旨をお願いしておきましょう。
ドライブレコーダーの重要性
明らかに加害者側の過失が大きいと考えられる事例でも、加害者の主張によっては被害者がその状況を反証するように求められるケースがあります。
しかし、言葉だけで主張を通すのは非常に困難です。
そんな時にドライブレコーダーがあれば、客観的な映像を証拠として提出できます。
(例)右矢印信号で右折しようしたAと、赤信号を無視してきた対向車Bが衝突してしまったケース
Bの「こちら側の信号は青だった」という主張が認められた場合
過失割合 A:B=8:2
ドライブレコーダーの映像によりB側の信号が赤だったと証明できた場合
過失割合 A:B=0:10
いわゆる右直事故において、右折車と直進車では、基本的に右折車の過失が大きいとされるため、信号の色は非常に重要な判断材料になります。
最近は事故以外にも「あおり運転」の急増により、注目を浴びているドライブレコーダー。
まだ設置していない方も購入を検討してみてはいかがでしょうか。
警察に通報し、事故の届出をする
加害者には警察への通報義務がありますが、加害者が通報しない、またはケガによりできない場合は被害者が通報するようにします。
警察へ届出しないと、保険金請求に必要な「交通事故証明書」が発行されないなどの弊害が出ます。
加害者が警察に通報しないよう求めてくる場合もありますが、警察を呼ばないことは被害者にとって何のメリットもありませんので、必ず通報するようにしてください。
「物損事故」ではなく「人身事故」で届けを出す
「物損事故」には被害者にとってのメリットは1つもなく、デメリットしかありません。
そのデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- ・ 物損に対する賠償金しか請求できない
- ・ 自賠責の補償がなく、のちのちケガや障害が発覚しても治療費は自己負担になる
- ・ 自身で加害者の過失を証明しなければならない
物損事故の場合は、警察による実況見分調書も作成されません。
事故に関する詳細な資料を作成してもらえないということは、過失割合を決める場面で証拠となる材料が手に入らないなど、被害者側にとって著しく不利益となります。
したがって、交通事故の被害者になった場合は必ず人身事故扱いにするべきと言えます。
実況見分や聴取に協力する
人身事故として警察に届出をすると、刑事事件として警察による捜査が始まり、実況見分や事情聴取が行われます。
この中で当然被害者にも警察から協力が求められますが、警察の協力要請には必ず応じるようにしましょう。
事故直後はケガの治療に気を取られますし、心理的なストレスもあってなかなか警察の捜査に協力できない状況もありえるでしょう。
しかし、加害者が警察に話した内容と、自分の主張したい内容が食い違う場合など、警察の協力要請に応じずにいるうちに、加害者の一方的な証言で捜査が進められてしまう可能性もあります。
事故の過失割合を決める際に不利にならないためにも、警察からの協力依頼には速やかに応じ、はっきりと自分の主張を伝えるようにしましょう。
加害者が人身事故扱いを避けたがる理由
加害者が人身事故として扱われるのを嫌がることがあります。
これは、物損事故にすると加害者にとって以下のようなメリットがあるからです。
- ・ 原則として免許証の点数に影響しない
- ・ 人身事故のような刑事罰の対象にならない
- ・ 加害者が負担する賠償金が車両の修理費用だけになり、安く済む
このことから、加害者が人身事故でなく物損事故の扱いにすることを希望するのはある意味当然と言えます。
当て逃げや無免許運転、酒気帯びによる事故でない限りは刑事処分や行政処分を受けることはないのです。
しかし、先に説明したとおり、物損事故扱いにすることは被害者にとって大きなデメリットとなりますので、やはり必ず人身事故扱いにするべきと言えるでしょう。
軽傷だと思っても必ず病院を受診する
事故後は必ず、可能な限り早めに病院へ行って診断を受けてください。
事故直後は痛みを感じなかったり、軽傷だと思ったりしても、後から症状が悪化したり、重大な障害に発展するケースも考えられます。
また、事故から最初の通院までに一定の期間があいてしまうと、事故とケガとの関係性に疑問を持たれてしまい、治療費等の支払いを拒否される可能性もあります。
事故当日、もしくは翌日までには必ず受診しましょう。
健康保険を利用することも検討する
被害者側にも過失がある場合は、のちに過失相殺をされる可能性があります。
過失相殺とは、両者に過失がある場合に損害を公平にするため、被害者側の責任割合相当分を損害額より差し引くことです。
しかし、健康保険を利用し治療費を抑えられれば、結果的に加害者からもらえる賠償金が高くなる可能性もあります。
交通事故の治療というと、健康保険を使わない自由診療をイメージする方も多いかもしれませんが、過失割合によっては健康保険の利用を検討するのもおすすめです。
ケガが後遺障害に認定される可能性
事故で負ったケガは、後になって後遺障害に認定される可能性があります。
この後遺障害認定は、受け取る賠償金に大きく影響します。
接骨院や整骨院で治療を受ける場合でも、定期的に整形外科などの病院も受診してください。
後遺障害認定の申請をする際は医師作成による診断書などが必要になるためです。
必ず病院で診断を受けることが重要です。
また、専門的な検査を積極的に受けるのもおすすめです。
賠償金請求において、客観的に事故とケガの因果関係を示す材料になるからです。
後遺障害の手続きにおける「事前認定」と「被害者請求」
・事前認定
事前認定とは、被害者の後遺障害認定の申請手続きを加害者側の任意保険会社にやってもらうことです。
保険会社が一連の必要書類を用意するため、被害者からすると手間が省けて楽です。
しかし、加害者側の保険会社がメインで動くことにより、被害者にとって透明性があるとは言い難いのも事実です。
また、もし本来の等級よりも低く認定されてしまった場合、認定に異議を申し立てるには専門的な知識や多大な労力が必要となります。
・被害者請求
被害者請求とはその名の通り、被害者自ら後遺障害認定の申請をすることを指します。
多くの書類を自分自身で集めなければならず非常に手間がかかりますが、申請内容を自分で把握できることは大きなメリットです。
適切な認定を受けるためには、被害者請求を選択したほうが良いと言えますが、専門知識が必要となるため、弁護士に依頼することも選択肢のひとつです。
保険会社への事故報告
加害者側の任意保険会社には加害者が連絡しているはずですが、被害者側としても自分の加入している保険会社に事故報告をしておきましょう。
被害者であっても過失がある場合、自身の保険を使う必要が出てくる可能性があるためです。
なお、事故後の保険会社とのやり取りは非常に複雑です。
相手方の保険会社との示談交渉を自分ひとりでやるとなると、専門知識の不足や認識の間違いにより、思わぬ不利益を被る可能性もありますし、精神的な負担にもなります。
交通事故の被害者になると、保険会社との交渉だけでなく、被害者請求による後遺障害認定など、専門的な知識が必要な局面が多くあります。
このような場合には、弁護士に依頼することで面倒なやり取りを代行してもらえますし、依頼者に有利になるようスムーズに交渉を進めてくれます。
交通事故に遭わないことが一番ですが、もし事故に巻き込まれて被害者になってしまったときは、弁護士への相談も検討してみてください。
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