タクシーとの交通事故は、示談が上手く進まず苦労するという話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。タクシーには乗客が乗っている場合もありますし、少し勝手が違いそうですよね。 今回は、タクシーとの交通事故と普通の自動車との事故では、どのような違いがあるのか、どのように対処したらよいのかなどを解説していきます。
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タクシーとの交通事故と一般的な自動車との交通事故の違い
タクシーとの交通事故は、一般的な自動車との交通事故と、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、タクシーと一般的な自動車との交通事故の大きな違いである、「やりとりをする相手」について解説します。
一般的な自動車との交通事故の場合は「当事者同士または保険会社」
一般的な自動車との交通事故の場合は、当事者同士または保険会社が事故についてのやりとりを行います。
一般的な自動車との交通事故の場合、まずは警察に連絡し、事故が起こったことを報告しなければなりません。そして、警察へ連絡した後、任意保険に加入していれば保険会社へ連絡することになります。
その後、保険会社の担当者が当事者の間に入り、示談交渉を行いますが、任意保険に加入していない場合は、原則として当事者(本人)が示談交渉を行うことになります。
タクシーとの交通事故の場合は「タクシー共済」
タクシーとの交通事故の場合、保険会社ではなく「タクシー共済」と示談交渉を行います。タクシーは、一台一台が任意保険に入っているわけではなく、タクシー会社としてタクシー共済に加入しているため、のタクシー共済が、通常の任意保険会社に代わって、やりとりを行います。
タクシーとの交通事故は解決までに時間がかかる?!
タクシーとの交通事故の場合、タクシー共済と示談交渉などをすることになりますが、解決まで時間がかかるケースが多いようです。
タクシー共済とは
タクシー共済とは、タクシー会社が集まって独自に作った共済組合です。
タクシー会社は多くの車両を抱えており、交通事故の発生数も相対的に多くなるので、一台一台が通常の任意保険に加入すると膨大な保険料がかかります。それを避けるために、ほとんどのタクシー会社は、タクシー共済に加入しています。
そのため、タクシーとの交通事故でケガなどを負った場合、示談交渉や損害賠償請求についてやりとりをするのは、タクシー共済ということになります。
タクシー共済は、タクシー運転手の味方
任意保険は、基本的に交通事故の被害者が支払えない額を補償することを目的とした、被害者を救済するための保険といってもいいですね。
一方、タクシー共済は「タクシー運転手を保護することが目的」の保険といえます。
そのため、被害者側がタクシー会社(タクシー運転手)の過失を主張しても反論されることが多く、任意保険会社よりも慰謝料や損害賠償金の支払いを渋ることが多いです。
タクシー共済に反論されたら
タクシー共済は、基本的にはタクシー会社(タクシー運転手)の味方です。
そのため、交通事故の被害者側がタクシー会社(タクシー運転手)の過失を主張に対し、反論されることがあります。タクシー共済のよくある反論は、以下のとおりです。
- ・そもそも交通事故は起こっていない
- ・タクシー運転手には過失がない
- ・交通事故によるケガではない
「そもそも交通事故は起こっていない」
まず、「そもそも交通事故は起こっていない」という反論です。交通事故は起こっていないのだから、損害賠償義務はなく損害賠償金を払う必要はないということです。
「タクシー運転手には過失がない」
次に、交通事故の発生は認めつつも「タクシー運転手には過失がない」という反論です。タクシー運転手に過失がなければ、損害賠償金を払う必要がないということです。
「交通事故によるケガではない」
そして、「交通事故によるケガではない」という反論です。交通事故と関係のないケガなのだから、損害賠償金を払う必要がないということです。
タクシーとの交通事故での注意点
では、タクシーとの交通事故の場合、どういったことに注意すれば良いのでしょうか。
基本的に、「少しでも痛みがあったり、ケガを負ったのであれば、物損事故ではなく、人身事故として警察に届出を出すこと」、「必ず病院の医師の診断を受けること」、「その場で示談を持ちかけられても応じないこと」などです。以下で詳しく説明します。
人身事故として届出を出す
タクシーとの交通事故でケガを負ってしまった場合、必ず人身事故として届出を出しましょう。物損事故として扱うことを提案されることもありますが、遠慮する必要はありません。
なぜ、人身事故として届出を出すのかというと、人身事故の場合には「実況見分調書」が作成されるからです。実況見分調書とは交通事故の状況や過失割合を示す資料で、後々争いが生じたときに有効な証拠となります。
また、交通事故によるケガの治療費は、人身事故の場合でないと請求することができないということも覚えておきましょう。
必ず病院に行って医師の診断を受ける
タクシーとの交通事故の場合、必ず病院で医師の診察(診断)を受けましょう。
交通事故の直後は、アドレナリンが多量に分泌されていて、痛みを感じにくい状態になっていますが、時間の経過とともに症状が出てくることがあります。
万が一、交通事故とケガの因果関係について反論されたときに不利になってしまうことがありますので、傷や痛みがなくても、交通事故から1週間以内に医師の診察(診断)を受けましょう。
示談を持ち掛けられても応じない
交通事故の現場で、示談を持ち掛けられても応じないようにしましょう。
事故が起こってしまったら、必ず警察に連絡して報告することが大切です。
なぜなら、警察に届出をしないと「実況見分調書」や「交通事故証明書」が作成されないからです。これらがないと、後々過失割合などの点で相違が生まれたときに、交通事故の状況を証明することができません。
交通事故で動揺するのは当然のことです。事故現場で示談を持ち掛けられても応じず、警察に届出を出してください。
交通事故で有効な対応方法
タクシーとの交通事故に限らず、交通事故での対応方法について解説します。
ここまで、タクシーとの交通事故の場合について説明してきましたが、一般的な交通事故でも、気をつけるべきことは基本的には同じです。
自動車を運転していれば事故を起こしてしまう可能性は誰にでもあるので、覚えておきましょう。
実況見分調書
「実況見分調書」は、交通事故の過失割合などの交渉の際に有効な証明書となります。過失割合によって損害賠償額が変わりますので、とても重要な書類です。
実況見分調書を作成するためには、必ず警察に人身事故の届出をする必要があります。
ドライブレコーダー
「ドライブレコーダー」は、事故状況を客観的に示すことができるため、過失割合が争われる際に有効な証拠となります。
最近は「あおり運転」などのニュースも多くみられますので、ドライブレコーダーの設置を検討してみてもよいでしょう。
交通事故証明書
「交通事故証明書」は、相手方が『交通事故は起こっていない』などと反論してきた場合に「交通事故が起こったことを証明する」有効な書類となります。
交通事故証明書は、警察へ届出がない場合には発行されないので、交通事故直後に必ず、警察へ連絡しましょう。
病院で診断書
「診断書」は、適切な損害賠償金を請求するのに必要な書類の一つとなります。病院で医師にの診察(診断)を受けたら、「診断書」を書いてもらいましょう。
入院や通院をした場合には、治療費や入通院交通費などを適切に請求することができます。
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