導入事例

難易度の上がる法務パーソンの新規採用 人手不足解消にALSを活用!

法務クラウド事例
会社名株式会社クラウドワークス
業種IT・インターネットサービス
従業員数252名
都道府県東京都
お話しをお伺いしたご担当者様
部署コーポレート本部 経営管理部(インタビュー当時)
役職法務グループ マネージャー(インタビュー当時)
担当者名山口 栄貴

業務委託案件をインターネット上で発注・受注することができるクラウドソーシングサービスを運営する株式会社クラウドワークス(東京都渋谷区)。法務部門の人手不足を解消するのと同時に、法務部門の再構築を目指し、ALSを導入した。
リソースが足りないなか、資格を持つ弁護士が社内に入るとどのように法務部門は改善されるのか。
外部弁護士ではなく、社内に弁護士が入ることでどのようなメリットがあるのか、コーポレート本部経営管理部 法務グループマネージャー(インタビュー当時)の山口栄貴氏に話を聞いた。

サービス導入の背景

クラウドワークス様ではALSをご活用いただいています。導入前、どのような課題をお持ちで導入に至ったのでしょうか?

山口様: 導入当時、法務を担当していた者が退職してしまって、ほぼ「ひとり法務」のような体制になってしまったんです。人材のリソースが足りなかったというのがひとつですね。
ただ、それであれば法務パーソンを採用するというのもひとつの選択肢だと思います。当社では、当時からおかげさまで事業が順調に成長していくにあたって、取引件数もグングン伸びていたんですね。取引数が増えると、それに比例してトラブル事案などの法務相談も増えていきます。
そういった状況の中、トラブルに対しても対処療法を行うのではなく、そもそも法的トラブルが起こらない仕組みづくりをしたい。そのためには専門的な知見、バックグラウンドを持つ方の助言をいただきながら法務部門を再構築したいという思いがありました。
以前から使っていた契約書のひな型の整備や利用規約の抜本的な見直しといったところも含めてですね。
もちろん、人材の採用と並行しつつではあるのですが、弁護士資格を持つ方にお手伝いいただけないか、そう考えたのが一番のきっかけです。

御社の場合、新規事業も積極的に参入されています。

山口様: 新しい領域を模索していた時期でもありましたので、そういうフェーズでは法規制やリスクなどの課題や論点といったところも整理していく必要があります。そういう点でも、弁護士資格を持つ方のニーズが高まっていました。

導入したサービスの感想とその効果

一般的な顧問契約ではなく、弁護士資格を持つ人材が社内に派遣されるALSをご利用いただいて、ご感想はいかがですか?

山口様: 社員と同じように社内に入っていただいて、会議にも参加して手を動かしていただけたのは本当にありがたかったですね。どうしても、法務という分野自体が持つ宿命のようなものかもしれませんが、ある法的論点があった場合、どうしても保守的になりがちです。ALSの場合、社内に弁護士が入ってくださるので、困難に直面しても「どうやったらこの課題を克服できるか」を一緒に考えてくれる、これは非常に助かりました。

導入されてから、ALSはどのようにご活用いただいているのですか?

山口様: 基本的には日常的な法務業務をサポートしていただきつつ、スポットでお願いするのではなく、定点で見ていただけるように、週に2回の会議への出席をお願いしています。

実際に、サービスをご活用していただいてみていかがですか?

山口様: 定例で会議にも参加していただいているので、社内の事情などもご理解いただいているのはありがたいですよね。たとえば、論点も定まっていないような相談事項であっても、壁打ちしていただきながら、実際にお話していく中で論点が整理されていき、「じゃあ、この方向性でいきましょうか」といったケースが多々あります。社内の人間と同じスタンスでいてくださることで、弁護士の先生に相談するハードルがグッと下がった印象です。
もうひとつ挙げると、一緒に仕事をさせていただいている弁護士の方々が固定されているのもありがたい点です。当社は複数のサービスを運営していますが、どのサービスでこんなリスクがありそうだ、トラブルが生まれそうな部分はどういったところかなど、キャッチアップしていただいているんですよね。もし、外部の先生に相談するとなると、「こういうサービスがあって」「こういう点が問題で」と、ゼロから説明をしなければなりません。でも、ALSの場合、サービス名を伝えるだけで、そのサービス内容はご理解いただいているのですぐに相談に入れる。このスピード感はありがたい部分です。
社員と話をしているのと同じような感覚で、社内のもろもろを共通言語化できているので、コミュニケーションが非常にスムーズに進みますよね。

コミュニケーションの部分でストレスがないのはいいですよね。

山口様: そうですね。また、ひとりの弁護士の方にやっていただいているので、判断の軸がブレることもありません。相談してご回答いただく、その方針や判断は当社のナレッジとして蓄積されていきます。そういう点でも良いですよね。

契約書チェックなどもご依頼いただいているのですか?

山口様: 野村先生にはあまりお願いしていなくて、社内で進めている状況です。一時期、契約書チェックのニーズが増えてきたタイミングで、弁護士の先生を2人ほどALSで増やしてもらい、チェックをお願いしていました。ただチェックをしていただくだけではなく、事業部側への戻しなども法務部門を通さずに直接していただいていました。当社のSlackに入っていただいて、事業部とのやり取りもしていただいていました。

弁護士資格を持っている人間がチェックしているので、追加の確認が省けるということですね。

山口様: はい、もう現場のあのチャンネルに戻してください、よろしくお願いしますといった頼み方をしていました。通常だと、弁護士の先生と事業部との間に法務部門が入って、ハブとなり一部翻訳しながら進める必要がありますよね。この伝書鳩のような業務も、大した手間ではないのですが、チリも積もればで、そこそこ時間が取られてしまいます。そこを直接やり取りしてもらえるのは非常に良かったですね。

社内に弁護士がいる、という安心感の部分はいかがですか?

山口様: 導入前は、ひとり法務の体制だったので本当にこの判断で大丈夫かな? といった不安は常につきまとっていました。ALSを導入してからはカジュアルに弁護士の先生に相談できるので。精神的な安定性にはかなり効果がありました。
また、ご一緒させていただいている野村先生は、当社にご参画いただく前に事業会社に常駐で入られていた経験があるので、事業会社の立場に立ったビジネス意識、事業判断の感覚をお持ちいただいているんですよね。そこの信頼感や安心感も大きい部分です。
リスクについて相談しても、リスクはゼロではない。だけど、問題が発生する可能性を考えると相当低い。ここはリスクテイクしてもいいんじゃないですか? といった、守るだけの法務ではないアドバイスをいただける、これも感謝しています。

ALSをご導入いただいてから、法務人材の採用もうまくいったそうですね。

山口様: インターンとして入っていた若手もひとり正式に採用しました。とはいえまだ育成段階で、即戦力というわけにはいきません。育成の時期、もうひとり採用したいと考えていたときに業務量が激増してしまいました。そこで、次の採用が決まるまで弁護士の方を2人追加でお願いして乗り切りました。無事にもうひとりの採用も決まったので、追加でお願いしていたおふたりは解約させていただいた、という状況です。

業務量に応じてフレキシブルに人数を増減できるのもALSの特色のひとつです。

山口様: ここは少し増やして手伝って欲しい、いまは落ち着いたので減らして欲しい。そういった要望にも柔軟に対応していただけるのは大きいですよね。

導入サービスのおすすめポイント

ありがとうございます。最後に、ALSについて相談してみようかなと迷われているご担当者の方に一言いただけませんでしょうか。

山口様: そうですね。やっぱり、法務人材を採用しようと思っても、簡単にはいかないんですよね。法務人材の採用市場というのは、あまり流動的ではないとつくづく感じました。能力があり、かつ自社にマッチする人材となるとなかなか採用できません。
とはいえ、採用できないからといって、現在がんばっている法務部門の人材に負荷を掛け続けると、苦しみ続けて新たな退職リスクが発生しかねません。
そういったときに、即戦力として動いてくれて、人数もフレキシブルに対応できるところを考えると、一度ALSを使ってみるのは良いのではないかと思います。契約期間も相談に乗ってくれますので、入れてみて合わなければ解約するといったこともできるでしょうし。使ってから考えるというぐらいのカジュアルな感覚で、一度使ってみるのが良いのではないかと思います。法務部門のリソース不足に苦しむ自社の社員を守るためにも、ですね。

ありがとうございました。

担当弁護士のコメント

私がジョインした時期は人員不足が深刻で、「総務・法務グループ」としてバックオフィスの業務を少人数で一手に引き受けている状況でした。どのように業務フローを構築するかなど、伴走させていただきながらご担当者様と手探りで進めていきました。現在では、少しずつ法務専任のスタッフも増えていき、質・量ともに法務機能を担う部署としての体制が拡充されつつあります。
現場の実作業だけではなく、体制整備から法律相談まで、幅広くお手伝いさせていただくことで、組織の底上げをご支援できているのではないかと思います。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
一橋大学法学部卒業、一橋大学法科大学院修了。約2年半にわたり上場企業にて法務業務を常駐して遂行し、契約書の作成・レビュー(投資関連案件ほか)から、社内規程や株主総会・取締役会関連書類の整備、新規プロジェクト関連や社内フロー構築のサポートに至るまで、法務面で日々生じる多種多様な課題に取り組み、都度改善・解決へ貢献した経験・実績を有する。当該経験を活かした現場目線で有用なアドバイスを心掛け、主に予防法務に取り組む。
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