A社では従業員が労働組合に加入し、労働組合から団体交渉を求められていました。
団体交渉には応じなければならないという認識があり、多岐にわたる労働組合の要求に全面的に応じていた担当者は疲弊していきました。
本来の業務にも支障をきたすようになってしまったこの状況を何とかしたいとご相談にお見えになったA社の例をもとに、団体交渉における弁護士の使い方についてご説明します。
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ご相談までの経緯・背景
A社では、従業員が労働組合に加入し、労働組合から団体交渉を求められていました。
団体交渉には応じなければならないという認識があったため、A社の担当者は労働組合からの要求に全面的に応じていました。労働組合の要求は多岐にわたり、また、提出を要求される資料もその都度異なっていたため、次第に本来の業務に支障がでるようになり、A社の担当者は疲弊していきました。
このような状況を何とかしたいと、弊事務所にご相談にお見えになりました。
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解決までの流れ
労働組合からの団体交渉というだけで常に応じなければならないわけではありません。まずはそのことを丁寧に説明していきました。
加えて、義務的団交事項に関してのみ団体交渉に応じる義務があり、また資料提出要求も誠実交渉義務の履行という範囲で応じれば足りるため、その範囲を逸脱する過度な資料提出要求には応じる必要がないことも説明しました。
さらには、現場の担当者がこのような判断をすることは大変難しいため、労働組合法を深く理解した専門的な判断が必要であることも合わせてアドバイスしました。
このような対応をすべて担当社員で行うことは本来の業務に支障が生じることになります。弁護士等の専門家を活用して担当者の負担を軽減する必要があるでしょう。
結果・解決ポイント
労働組合からの団体交渉要求が法律上応じなければならないものかどうかについては高度の法律判断が必要です。
現場の担当者がこれを判断することは大変難しく、その判断を誤って団体交渉要求に応じなければ不当労働行為となってしまいます。
他方で1~2ヶ月に一度の頻度で開かれ、時には数年間にわたって継続する団体交渉を担当者のみで対応すると、会社の本来の業務に支障が生じる可能性もあります。
これは最終的には労使双方にとって決してメリットのあることではありません。
そこで弁護士をアウトソーシングとして活用することにより、不必要な団体交渉を整理し、円滑な交渉を実現し、かつ担当者の負担を軽減し、本来の業務に専念できる環境を作ることが有用です。