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新学期に子どもが抱える思い
4月になり、新生活がスタートしたというかたも多いのではないでしょうか?
お子さんが入学、進級したというご家庭もあると思います。
わが子も高校生活2年目を迎えました。
そんな中、ある記事に目が留まりました。
春休み明けのこの時期は、夏休み明けと並び、子どもの自殺が増える時期だという記事でした。
ただ、意外にも、そこには、なぜこの時期に自殺が増えると考えられるか、ということについての考えは示されていませんでした。
調べてみたところ、他の記事では、長期休みが再開したタイミングであることが自殺が増える背景事情として述べられていました。
子どもの自殺問題。
私が弁護士として向き合いたいと思っている問題の大事な問題のひとつです。
今回は、この問題に絡み、今のこの時期に子どもたちがどんな思いでいるのかということを私なりに考えてみたいなと思います。
いずれも、わが子、大昔の自分自身、または、周りで見聞きした範囲での個人的な経験に基づくものなので、一般化はできないだろうなと思いつつですが。
春休み中、子どもはどんなことを考えているのでしょう。
ただただお休みを満喫している子もいるかもしれません。
入学、進級を楽しみにワクワクしている子もいると思います。
一方で、新生活への不安でいっぱいになっている子もいるはず。
わが子は、前年度、自分自身納得いく学校生活を送ることができず、後悔でいっぱいになっていたので、進級後の生活には、不安がありながらも、前年度の後悔をしないために、「これをがんばるぞ」と熱い決意を秘めているようでした。
そしてスタートした新生活。
帰宅した子どもは、ぐったりした様子でした。
しばらく様子を見ていたら、ぽつぽつとその胸の内を話し始めました。
たくさんの子に話しかけて友達をたくさん作ろうとしていたのに、なかなか勇気が出なかったこと。
気付いたら、すでにたくさんのお友達グループができあがっているように見えて気後れしてしまったこと。
困ったことがあって先生に相談したいなと思ったけど、「これを相談したらどう思われるかな」と不安に思ってしまって、結局何も言い出せなかったこと。
そもそも、久しぶりの通学で体が疲れてしまって、力が湧いてこなかったということ。
そして、「がんばろうと思っていたのに、なんか全然がんばれなかったな」と言うのです。
そんな話を聴いていたら、私にも、子どもの言うその気持ちが少しだけわかるような気がしてきました。
そういえば、4月って、世の中が、希望に燃えて、新しいことにチャレンジしようとしている雰囲気に満ちあふれていて、そんな雰囲気を感じると、「私も何かにチャレンジしなきゃ!何かを変えなきゃ!」と焦り、プレッシャーを感じ、でも、思うように動くことができなくて気ばかり焦って、すごく苦しい思いをしていたな、ということを思い出したのです。
これは、学生時代だけじゃなくて、社会人になってからも同じだったかもしれません。
職場にはキラキラしたフレッシュマンたちが仲間入りし、ものすごい勢いでいろいろなことを吸収して成長していく様子を目の当たりにしながら、同じような思いになることがあったかも。
そんなことを思いながら、子どもと一緒に、その日に子どもが「したこと」にフォーカスして考えてみることにしました。
「そういえば」と言いながら子どもが話し出しました。
お休みが長かったのに、朝、起きて学校に向かったこと。
電車の中で、疲れていそうなかたがいたのを見て、席を譲ることができたということ。
学校に着いて、先生に、元気にあいさつをしたこと。
どの教室に行けばいいかわからず困っているように見えた新入生に声をかけて、教えてあげたこと。
授業中、少し体調が悪くなってしまい、いったん教室を出たものの、すぐに持ち直して教室に戻ったこと。
そんなたくさんの「したこと」を話しているうちに、「なんか、私、結構がんばってたんだね」と少しだけ笑顔に。
そして、「今不安に思っていることについて、先生に相談したいけれど、いざ先生を目の前にしたら、緊張してどう話していいかわからなくなってしまうかもしれないから」と言って、紙に、自分が相談したいことをメモし始めました。
いざ緊張してしまったら、先生にそのメモを見せて相談すればいいと思えたら、気持ちが楽になったようでした。
これまでのマイナスポイントを挽回しなくちゃ!みたいな思いも理解できるけれど、そもそも、どれもこれも「マイナスポイント」なんかじゃなくて、そのときどき、いつだって一生懸命生きていたよねということ。
「みんなはがんばっているのに、みんなはどんどん成長しているのに」って思ってしまうときの「みんな」にだって、見えていないだけでいろいろなことがあって、いろいろ悩んでいるかもしれないよねということ。
「お友達グループ」なんていうふうにひとくくりにとらえずに、一人一人と向き合ってかかわりをもってみたらどうなるだろうねということ。
仮に、学校に行けないとか行かないとかいうことがあったり、授業を受けられなかったり、お友達と話せなかったり、なんていうことがあったとしても、それは、「がんばっていない」を意味するわけじゃなくて、そのことを否定する必要なんてなくて、ただただ「いてくれる」ということ自体が一番大事なことだと思っているということ。
そんなことを私なりの言葉で伝えていると、最終的には、いつものとおり、子どもが、長すぎる私の熱弁に飽きてしまったのですが、それでも、こうして話をする時間は今の時期特に大切にしなくてはいけないなと思うのです。
これはあくまでも我が家の話。
きっと、子どもたちは、一人一人、いろいろな思いでこの4月の毎日を送っているのだと思います。
そして、そんな子どもたちの思いをしっかり受け止めるためには、私たち大人が自分自身をケアすることが何より大事だと思っています。
気温も上がったり下がったりして、体調も気分も不安定になりやすい季節。
大人である私たちも、自分の中の心の声を無視せずにしっかり向き合い、不安や傷をいたわり、癒しながら過ごしたいですよね。
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