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有事対応のセカンドオピニオン
先日、あるデータ解析支援企業が、企業の法務、コンプライアンス担当者らにアンケート調査を実施したところ、「不正や不祥事などの有事対応について、弁護士にセカンドオピニオンを求める動きが広がっている」ことを示す回答状況であった旨報じられていました。
報道によると、「有事対応の場で、最初に起用した弁護士事務所以外の弁護士事務所にセカンドオピニオンを求めたことがあるか?」との問いに、4割強が「求めたことがある」と回答し、2割強が「求めたことはないが検討している」と回答したとのこと。
セカンドオピニオンを求める意図としては、主に、取り得る他の選択肢を知ることにあるようです。
私自身も、かつて、有事対応に関し、セカンドオピニオンが欲しいというご相談を受けたことが何度かあります。
詳しくお話しすることはできませんが、私の場合、すでに、その会社には長年付き合いのある顧問弁護士がいたというケースが多かったように思います。
自社にすでに顧問弁護士がいるという場合、社内で起きた不正等の相談、対応もすべて顧問弁護士にすべきなのではないか?と、私への相談をためらいながらご相談にいらっしゃるケースも。
たしかに、長年会社をサポートしてきた顧問弁護士の方が、会社の事業についてすでに詳しい知識をもっているでしょうし、また、社内の組織構成、事業を営む上で日常的に生じる法務問題等についての認識もあるでしょうから、有事対応に関しても、顧問弁護士に相談できたほうが圧倒的にスムーズということもあるでしょう。
でも、有事対応に関しては、あえて、顧問弁護士でない他の法律事務所に所属する弁護士に相談するということが有効なケースも多々あると考えます。
まず、顧問弁護士が、必ずしも、有事対応業務を多く行ったことがないというケース。
有事対応に関しては、出発点として、早期に、事実を正確に把握することが求められます。
もちろん、弁護士は、証拠に基づき事実を認定するという業務を、あらゆる場面で行っていますから、どの弁護士においても一定のスキルはあるはずです。
しかし、特に、有事対応に関しては、限られた期間内に正確な事実認定をするために、何を、どのような順序で調査すべきか判断し、証拠となる物を確保したり、関係者からヒアリングしたりといった証拠収集を的確に行うことがとても重要になります。
これは、有事対応業務に特徴的なところで、やはり、経験に基づくスキルが必要とされるところだと考えています。
また、顧問弁護士の所属する事務所に複数の弁護士が在籍していないというケース。
有事対応をするためには、一定程度の組織力が求められることが多くあります。
有事対応の過程で行う関係者からのヒアリングは、もちろん事案にはよるものの、一斉に行うことが必要になるケースも多いです。
なぜなら、一人ずつ順にヒアリングをすることで、関係者間でヒアリング内容の共有がされてしまい、口裏合わせがはかられ、事実がゆがめられてしまうことがあるからです。
そうなると、方針を決めたら、一気に関係者のヒアリングを実施するため、複数の弁護士でヒアリングを担当することがあります。
同時に、各種資料の精査等も進める必要があり、これらの業務を一定期間内に完了させるためには相応の組織力が必要になると思います。
さらに、ちょっと違う視点から考えると、このような有事対応については、あえて、長年のつながりのある顧問弁護士等でない弁護士に依頼するべきと考えられることがあります。
社内不祥事が起きた際にいかなる対応をするかということは、近時の企業不祥事に関する報道を見てもわかるとおり、その後の会社の明暗をわけるといっても過言ではありません。
起きた不祥事自体というよりも、その不祥事に関し、会社がいかなる調査を行い、その発生原因をどう判断し、いかなる再発防止策を講じたか、ということが取り上げられ、そこにみられる会社の隠蔽体質、「身内への甘さ」などが非難されることも。
有事対応を、会社とふだんから密なつながりのある弁護士にゆだねるのではなく、あえて、外部の法律事務所にゆだね、公正な視点から調査等の対応をすること自体が社内外のポジティブな評価につながる可能性もあります。
有事対応に関し、ふだん相談している弁護士でない弁護士に、セカンドオピニオンを求めること自体は有効だとしても、「急ぎの対応が求められているにもかかわらず、のんきに他の事務所を探して面談に赴く、なんていう余裕はない」「いつも相談している弁護士に対して申し訳ない」などとお考えになるかたもいらっしゃるかもしれません。
でも、ここはあまり大きな問題にはなりません。
弊所では、最初にお問合せいただいた内容を弁護士が確認し、直ちにご担当者様とお話すべき状況にあると判断すれば、速やかにご連絡して、今すぐに対応すべきことをアドバイスするなどしております。
また、言うまでもなく、弁護士は、ご相談いただいた内容について守秘義務がありますので、セカンドオピニオンを求めてご相談をいただいたことが許可なく公になることはありません。
そして、必要に応じて、顧問弁護士の方とも連携し、会社にとってベストな対応を目指す体制を構築することができると思います。
有事対応が、会社の存続にも関わる重大問題であるということを考えれば、会社がとり得る選択肢をすべて認識した上で、納得感をもって、その中からベストな選択をする必要があります。
迷いなくベストな選択をするためにも、ぜひ、弊所にも検討させてください。
セカンドオピニオンご希望の会社様からのご連絡、お待ちしています。
そして、最後に。
有事対応は、突然その必要に迫られるもの。
いざというときに慌てないためにも、いつあるかわからない有事対応に備え、平時より「有事」の発生リスクを低減するための対策を講じることこそが重要ではあります。
そして、この発生リスクを低減するために必要な対策は、各社さまざま。
お時間があるときにお問合せいただけましたら、ご担当者様の課題感に合わせ、不祥事発生リスク低減策をオーダーメイドでご提案します。
費用ばかりがかかる、「やっている感」だけがある過大な対策ではなく、現状に合わせたミニマムなものからスタートすることがポイントです。
ご相談だけでもお気軽にお寄せください。
初回相談60分無料※ ※ ご相談の内容によっては、有料となる場合もございます
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