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ファスト映画を作って投稿したら犯罪?
石子と羽男3回目の放映で取り上げられたファスト映画。
ファスト映画という言葉自体知らなかったというかたもいると思います。
通常1本の映画は2時間前後であることが多いと思いますが、それを、制作したかたの同意なく、勝手に映画の内容を要約などして10分くらいの短いものとしてまとめたものを指してファスト映画といいます。
ファスト映画を作ったり、公開したりすると、その行為は、著作権法違反として、刑事処罰の対象になる可能性があります。
法定刑は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方です。
このような説明をすると、「ファスト映画の何が悪いのかがよくわからない」と言うかたもいます。
ファスト映画は、もともと、ある映画について興味を持っていなかった人に対し、その作品の良さが伝わるように映画の存在とその中身を広めるもので、それのなにが悪いのか、なぜこんなにも法定刑の重い犯罪になるのかわからないというのです。
ドラマの中の被告人も同じ趣旨の発言をしていたと思います。
なぜ犯罪になるか、というところは、著作権法という法律で禁止される行為(著作物である映画について、無断で複製したり、配信したり、改変を加えたりすること)にあたるから、ということが答えになります。
そもそもちょっと考えてみたいのです。
映画制作会社等映画の制作に関わったかたなどは、長期にわたり、いろいろな思いを込めて作品を作り上げるのです。
それを、その過程を何も知らない者が、自身の勝手な解釈で、「この映画、2時間くらいあるけど、要はこういうことを言いたいんでしょ?」と判断したことを10分にまとめて公開するのです。
2時間前後の映画に込めた思いを、誤っているかもしれない勝手な解釈を加え、編集などして10分程度のものとして公開するということはあまりにも乱暴な行為だと思いませんか。
ファスト映画は、刑事責任を科されるだけにとどまりません。
ファスト映画の制作、公開によって被った損害について民事上の賠償責任をも負うのです。
そして、その損害額は高額になる可能性も高いのです。
実際、最近も、ファスト映画を公開した者らに関し、著作権法違反の罪で有罪判決が確定した後、その者らに対し、大手映画会社など13社が、著作権侵害につき総額5億円の損害賠償請求訴訟を提起したとの報道もありました。
それにしても、このようなファスト映画は、それを見ようとする人がいなければ、ニーズも生まれないわけで、当然、公開しようという者もいなくなるはず。
この点、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(略称CODA)によると、事件となったファスト映画54作品の再生回数を調べたところ、265万回に達するものもあったと報じられています。
それほど多くの人が視聴する実態があるからこそ、ファスト映画制作、公開という犯罪が助長されているともいえるのです。
この話は、実は、映画のみならず、いわゆる漫画のネタバレサイトにも同様にあてはまります。
ネタバレサイト、ファスト映画があまりにも身近なものになっている今、この機会に、これらを視聴する行為が実は犯罪を助長する行為になり得るのだということを多くのかたが知るところになればいいなと思います。
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