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あたりくじが実はなかったら犯罪?
これってSNSが広く使われるようになっていることと関係があるのかな、などと思った2つの報道があります。
1つは、スシローのいわゆるおとり広告問題。
目玉メニューの提供ができない状況だったのに、インターネット上やCMによる広告を流し続けたことが、景表法で禁止されるおとり広告にあたるとして、消費者庁が措置命令を出したとの報道がありましたね。
これまで、私たちは消費者として実はよく経験することだったのではないかなと思います。
目玉メニューを楽しみにお店に行って、「うちでは在庫切れなんです」と言われても、「やっぱり人気メニューなんだなあ。もうちょっと早く来ればよかったなあ」で終わっていたような気がします。
たとえ、それが開店間もない時刻で、「お店が開いたばかりで売り切れっておかしくない?」と思っても、その程度の疑問として自分の中で処理していたような気がするのです。
それが、今は、SNS上で簡単につぶやくことができます。
「開店してすぐだったのに、もう売り切れって、おかしくない?」なんていうつぶやきに対し、「実は私も!」なんていうつぶやきが投げかけられて、どんどんそんなつぶやきの声が大きくなっていくということはよくあること。
今回発覚した経緯がなんだったのかはわかりませんが、SNSの存在と無関係ではないように感じます。
もう1つは、YouTuberのかたが、あるクレーンゲームくじには1等から5等までの景品があるとされているのに、実際は、5等とはずれくじしかないのではないかという疑いについて検証したという動画の話。
報道によれば、すべてのくじを引いたものの、結果として、5等とはずれくじしか出なかったとのこと。
最後は通報を受けて臨場した警察官が現場を確認する事態になったとのことです。
これも、詳細はわかりませんが、過去に、このYouTuberのかたが、ある祭りくじにあたりくじがないのではないかという疑いを検証する動画を配信したのを見たことがきっかけとなって、今回の検証依頼があったとも報じられており、SNSの普及と無関係ではない出来事であると感じます。
一般論になりますが、そもそも、あたりくじがゼロであるのに、あたりくじがあるかのようにうその表示をしてくじを販売したら、それは詐欺罪に当たる可能性があります。
買う側は、もし、そこにあたりくじがゼロだったら、そのくじを買わなかったといえるからです。
気になるのは、立証の難しさ。
あたりくじがゼロであること、そしてそれを売る側が認識していたことをどう立証するか?
たとえば、ある景品をどこでいくらでいつ購入して準備したかという供述を得て、その裏付け捜査をするとか、ルーティンとして、日々、だれが、どのようにしてあたりくじの管理をしていたかを聴取し、その裏付けとなるデータを確認したり、防犯カメラ映像を確認したりするのか。
少し考えただけでも、その立証は意外と難しいのではないかなと感じます。
とはいえ、こうした報道がSNSで拡散されている現状では、おとり広告や問題あるくじの販売を抑止する効果はありそうですね。
そして、その一方で、発信する側も、SNS発信の影響力を認識しながら、自身の発信がほかの人の権利を侵害し得るものであることを意識する必要があると感じます。
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