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警察庁は、4月2日、「令和元年における組織犯罪の情勢について」という報道発表を出しました。
そこでは、令和元年を振り返り、薬物の種類ごとに、統計をもとに、令和元年の薬物犯罪の情勢にどのような傾向があるかということが発表されています。
この発表の中で特に目を引いたのが大麻検挙件数の増加、そして、若年層が増加傾向にあるという点です。
今回は、その大麻検挙件数増加、若年層増加の裏に、どのような背景があるのかを見ていきたいと思います。
きっかけは「誘われて」動機は「好奇心」有害性認識は「ない」
警察庁は、令和元年10月1日から11月30日までの間に大麻を所持したとして逮捕された631人の捜査過程で集めたデータから、大麻を初めて使用したきっかけとしてどのような傾向があるかを調べました。
これによれば、まず、大麻を初めて使用した年齢としては、20歳未満という人が最多であったこと、そして、その使用のきっかけは、「誘われて」が最多であったことが明らかになっています。
では、誘われたにしても、そこでなぜ大麻を使用したか、という動機については、「好奇心・興味本位」が最も多くあげられ、ほかには、「その場の雰囲気」「断れなかった」などという回答もあったとのこと。
このような使用動機を見ると、大麻の怖さが十分に伝わっていないのだろうな、と思います。
驚くべきことに、実際、検挙された人が、大麻の有害性についてどう認識していたかについても調査されていますが、その結果、大麻に対する有害性の認識として「なし(全くない・あまりない)」という回答が78.9%を占めたそうなのです。
そして、その割合は、前年に比べても増加しています。
昨年も、芸能人が薬物犯罪で検挙されるニュースは報道されており、大麻所持による検挙も大きく報じられ、その都度、大麻を常用するようになるとどのような悪影響があるか、ということも報じられていました。
また、多くのかたが被害に遭った殺人事件においても、その被疑者(先日、死刑判決が言い渡され、確定しました)に大麻使用歴があったことがとりあげられ、殺害に至った経緯に大麻がいかに影響したのかが争点となっていました。
そのような報道を目にしながらも、大麻は有害なものではない、という認識が蔓延してしまうということは、まだまだ、大麻乱用による悪影響が十分に伝わっていない表れだと思います。
大麻は有害ではない、と認識している人たちは、友人らを通して、またはインターネットを通して得た情報をもとにそのような考えに至っているとのこと。
それを覆すためには、大麻の危険性について正確な知識を、具体的に伝える広報活動が急務だと言えるでしょう。
弁護士として…
大麻をはじめ、薬物を使用している人は、自分だけはばれないだろうと思う人が多いように思います。
でも、その周りにいる家族などは、同居する家を掃除する過程で、または、使用している本人の言動が不審だと感じて、薬物使用に気づくことがあります。
そのようなとき、ご家族だけで何とかしようとすることはとても大変なことです。
警察や弁護士に相談し、本人のしていることをまず明確にすること、その上でどうしたら薬物を断ち切ることができるかを、専門家の力を借りながら、それぞれの状態を踏まえて考えていくことが大切です。
弁護士として業務をする中で、薬物事件を未然に予防することはなかなか難しいことではあります。
でも、担当する薬物事件の弁護活動を通じ、今後二度と薬物と関わらずに生活するためにどうしたらいいかを本人とご家族と一緒に考えていきたいと思っています。
そして、その人が再犯に及ぶことを阻止することで、将来の薬物事件の発生を1件1件なくしていく、という気持ちで弁護活動をしていきたいと思っています。
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