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ワクチンをめぐる差別
ありがたいことに、一度だけ、コメンテーターとして坂上忍さんのお昼の情報番組に呼んでいただいたことあり、その際、1時間ほど同じ空間にいさせていただいたところ、それ以降、すっかり坂上さんのファンになってしまった私は、先日、リモートワークの合間にお昼休憩をとりながら坂上さんの出演する情報番組を見ていました。
すると、坂上さんが、「それワクハラなんじゃないの?!」と発言。
ワクハラっていう言葉、聞いたことありますか?
ワクハラというのはワクチンハラスメントのこと。
今、医療従事者を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種に関する労働相談が労働局に寄せられていて、その相談の中には、副作用の不安などから接種しないと意思表明した看護師のかたが、勤務先の病院から退職を迫られたことがあったということなのです。
報道によれば、その看護師のかたは、接種を断ると契約期限前なのに退職届へのサインを促されたとのこと。
この病院では、それだけでなく、ワクチンを接種しない職員を自宅待機とし、その間給料を支払わないとアナウンスしていたようなのです。
たしかに、病院側の立場で考えると、自分の病院に勤務するかたに、普段、コロナ感染と隣り合わせの仕事をしていただいている中、少しでも仕事を通して感染するリスクを排除してあげたいという気持ちもあるでしょうし、一人の感染をきっかけに集団感染が発生でもしたら、患者の受け入れ自体ができなくなってしまうという危機感もあるでしょうし、そのような思いからワクチン接種を病院として勧めること自体はあると思います。
でも、このワクチンは、まだ新しく、副反応などのリスクが必ずしも明確になっていないという見方がある中、人によって接種するかしないかという考え方が大きく分かれるはず。
厚生労働省のホームページを見てみますと、新型コロナワクチンの接種は、受けることをお勧めはしているものの、感染症予防の効果と副反応のリスクを理解した上で自らの意思で接種してほしいということ、職場や周りの人に接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないようにと明確に記載しています。
弁護士会としてもワクチン接種をめぐる差別や人権問題に関して無料で電話相談に応じる窓口を設定したりしたようです。
このたびの報道は、医療従事者に関するものでしたが、今後は、医療関係以外の一般企業においても同様の問題が生じる可能性はあります。
勤務先でワクチン接種を強制され、接種しない意向を示したことで退職を迫られたり、嫌がらせを受けたりその他不利益な取り扱いを受けたりした場合には、総合労働相談コーナー(電話番号、所在地などは厚生労働省のホームページに記載があります)や弁護士にご相談ください。
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