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知事のリコール請求 署名無効?
先日、愛知県知事のリコールを求める署名に関し、提出された署名の8割以上が有効と認められないとの調査結果がまとまったと報じられました。
「県知事のリコールを求める署名」と言っても、あまり身近にある話ではなく、イメージがしづらいですよね。
県知事のリコールを求める署名に関しては、地方自治法や地方自治法施行令という法令に規定があります。
住民自らが、県知事を解職させるリコールの制度。
県知事に対する強い効力を持つ一方、請求のためには法律で必要とされている一定数の連署をもって選挙管理委員会に提出される必要がありますし、投票では過半数の同意があって初めて解職となりますし、署名には押印が求められ、署名の期間が(都道府県の場合は)2か月間と決まっていますし、解職が認められるに至るまでにはいくつものハードルがあるといえます。
この制度は、住民が、直接民意を政治に反映させることのできる制度として、民主主義にとって重要な意味を持つといえるでしょう。
そのリコールを求める署名。
報道では、そもそも、法律で求められている数の署名を集められていなかったと報じられていますが、集まった署名のうち、8割以上の署名が有効とは認められないという選挙管理委員会による調査結果が出たとの報道があったのです。
具体的には、同じ人による署名と思われるものが多数あったり、選挙人名簿に名前がない人の署名があったりしたと発表されているようです。
そして、記事によれば、選挙管理委員会は地方自治法違反の告発事実で刑事告発を検討しているとのこと。
地方自治法には、解職請求にあたり署名を偽造するなどの行為があった場合は、3年以下の懲役、もしくは禁錮または50万以下の罰金が法定刑として定められています。
もし、報じられたように署名の偽造が事実であるなら、どこの報道でも叫ばれているように、民主主義の根幹を揺るがす大事件であるといえるはずです。
もっとも、どのような調査を経て、どのような根拠をもって偽造などと判断されたのかは気になるところです。
報道によると、「筆跡が似ている」ということも根拠として挙げられているようですが、それは専門家の判断なのか?専門家の判断だとしても筆跡というものは、なかなか、それだけを根拠として偽造だと判断できるわけではないですから、たとえば、その署名者本人に、確かに署名したか否かを確認し、本人が、「心当たりがない」と申告したのかもしれません。
ただ、報道によれば、偽造と判断された署名数は相当数にのぼりますから、その確認作業を正確に、すべてにおいて実施することはなかなか難しそうです。
この件に関し、報道では、「選挙管理委員会は、偽造というなら、なぜそう判断したのか、その根拠などをしっかり説明すべき」などというコメントも聞きました。
たしかに、もっともだと思います。
でも、もし、このような疑いがあり、刑事告発もされるということになると、今後、捜査機関が捜査していくことになるわけで、にもかかわらず、それを控えた今、選挙管理委員会は証拠関係ともいえる詳細を公表することは控えざるを得ないかもしれないですね。
刑事告発、その後の捜査の行方に注目していきます。
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