<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら
「実はコロナ陽性黙ってた」
先日、大学共通テストの第1日程が終わりましたね。
この時期になると、翌日の新聞朝刊に多くのページを割いて、試験問題が掲載されるので、とりあえず目を通してみるのですが、すでに1問目を正解することも困難になりつつあることを実感して焦りを感じます。
この大学共通テスト、受験生にとっての第一関門として一大行事であることは例年どおりなのだと思うのですが、今年は、コロナ感染拡大のさなか、いかにして感染リスクを軽減して試験を無事実施するかというところに注目が集まりましたよね。
直前まで、「本当に実施できるのか」と不安な受験生もいたでしょうし、体調が思わしくないなか無理をして集まる受験生もいるであろう共通テスト会場でコロナに感染し、勝負の二次試験を受験できなくなったらどうしようと不安な受験生もいたでしょう。
そして、その受験生を見守る家族はじめ周りの方々の存在もあったことと思います。
そのような中、驚くべきニュースを見ました。
試験が終わった日、SNS上で、コロナ感染を装ったうその投稿があったせいで、受験会場となった大学が対応に追われたというのです。
問題となったのは、ある大学で受験したという人による投稿。
自分は実はコロナ陽性だったが、それを隠して受験したばかりでなく、試験会場で唾をわざと吐いていたから、みんな二次試験は受けられないよと告げる内容だったというのです。
投稿後まもなく削除されたものの、すでに広く拡散しており、大学側は警察にも相談したと報じられています。
救いを感じられるのは、報道によれば、投稿者が、自ら、すぐに事の重大性に気づいて大学に連絡し、感染もしておらず、また、唾を吐くなどしたという点もうそだったと説明して謝罪したとのこと。
非難は免れないとは思いますが、自らその過ちに気づき、事態を放置しなかったことで、大学側がその後も迫られたであろう負担を軽減することができたし、なによりその大学で受験した多くの受験生や見守る家族らの不安をその時点で少しでも解消することができたといえるでしょう。
大学も、その対応に鑑み、警察への被害届はしない方針であると報じられていました。
この人物が、SNS上に問題となる投稿した行為、これは威力業務妨害罪に当たる可能性があります。
威力業務妨害罪、このコロナ下で何度も聞いたことがありませんか?
こちらのエッセイでもとりあげましたよね。
「まさか、自分の行為で相手にこんな迷惑をかけるなんて、こんな大騒ぎになって相手の業務を妨害することになるなんて思いもしなかった!軽率だった!」という言い訳をしたとしても、私は、この情勢でこの言い訳は通用しないと思います。
法律のことは熟知していなくても、一人一人がちょっと想像力を働かせれば、多くの人が集まる場で、自分がコロナ陽性者だと発信すること、そして、陽性者であることを隠して感染拡大するような行動に出たと発信することが、その舞台となった場所を管理する人や、その場所に集まった人らにどれだけ甚大な影響を与えるか、ということを、新規感染者数の最高値が毎日更新されていき緊急事態宣言も発令されている中、想像にも及ばなかったなどということはどう考えてもあり得ないと思いませんか?
昨年も、店舗に行って、自分がコロナ感染しているかのように店員に告げるなどした人が威力業務妨害罪で逮捕、起訴され、有罪判決を言い渡された報道を見聞きしましたし、つい先日も、「コロナ付着」などと書かれた紙と財布を入れた小包を学校法人に送ったとして、そのようなことをしたとされた人が威力業務妨害罪で逮捕されたと報じられました。
これらの報道を見ていても、捜査機関は、このコロナ情勢に鑑み、実際にコロナを感染させたわけでなくとも、感染を装うことで店舗等が負う負担が大きいこと、その場にいた人を含め社会に不安を広げることになることが明らかな現状で、威力業務妨害罪については厳しい処罰を求めるべく積極的に捜査に踏み出す方針だと考えます。
長引く自粛生活。
たまったストレスの行き場がなく、ついいつもなら到底思いもつかなかった言動に出てしまいそうになることもあるでしょう。
でも、その言動によって自分が得られるものはなにか?失うものはなにか?一瞬だけ冷静に考えてみる必要がありそうです。
初回相談60分無料※ ※ ご相談の内容によっては、有料となる場合もございます
-
電話でご相談予約
-
メールでご相談予約
平日:10:00~最終受付18:00 /
土日祝:10:00~最終受付17:00