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カーシェアカードを悪用した無免許運転
先日、無免許運転を繰り返していた少年が、赤信号を無視して交差点に進入して他の車両と衝突したとして逮捕されたと報じられました。
この少年が運転していた車はカーシェア利用によるものだったそうです。
運転免許証をもっていなければ、カーシェアの会員にはなれませんよね。
会員になるにあたっては、運転免許証をもっていることを確認するための手続があるはずです。
それなのに、この少年はどのようにしてカーシェアカードを使って車に乗れたのか?
報道によれば、少年は、母親名義の会員カードを使ったそうなのです。
専用アプリで車を予約し、カードをかざせば車の解錠、運転ができる仕組みを悪用したとのこと。
私は、全く車の運転をしないので、カーシェアのシステムを知らなかったのですが、また、会社によってそのシステムにも多少違いがあるとは思うのですが、それにしても、報じられた内容を見る限り、ずいぶん簡単にだれもが車にアクセスできるのだなということに驚きました。
それにしても、少年は、どのようにして母親名義の会員カードを入手したのか?
この点、捜査中だと思うので、事実関係はわかりませんが、報道によれば、母親は、少年から、免許を持った友人が運転すると聞いて、少年にあてて会員カードを郵送したと説明しているとのこと。
そして、警察は、この母親に関し、無免許運転ほう助の罪(道路交通法)にあたるという疑いで検察庁に事件送致したとも報じられています。
無免許運転ほう助の罪は、無免許運転するおそれのある人に対し、自動車等を提供してはならないという犯罪です。
これに違反して車を提供し、実際に提供を受けた人が無免許運転をした場合の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
無免許運転と同じ重さです。
いくら無免許運転をしようと企てても、運転する車がなければ無免許運転はできません。
そして、無免許運転の人が車を入手するのは、結構大変なことですよね。
だから、無免許運転が成立するために必須といえる車を提供した人の責任は非常に重いといえるでしょう。
そして、無免許運転ほう助罪が成立するには、「無免許運転するおそれのある人」に車を提供する必要があります。
「無免許運転するおそれのある人」との認識が欠けていたら、犯罪は成立しません。
報じられている件については捜査中ですし、事実関係はわかりません。
でも、一般論で考えたとき、「たしかに息子は無免許だと知っていました。でも、息子は免許を持っている友達に貸すと言っていたから、自分が提供することになる車を無免許運転されるとは思っていませんでした」という説明があったのであれば、捜査機関は慎重な捜査をするだろうなと思います。
そもそも会員カードを他人に使わせることは禁じられているでしょう。
にもかかわらず、そのルールに反してカードを使わせるからには、いろいろなリスクを考えるはず。
事故があった場合のリスク、カードを貸していることが発覚した場合のリスク、そもそもその話がうそだった場合のリスク。
友達というのはだれか?
なぜ、その免許を持っているという友達は自分で車を借りたり、買ったりできないの?
いつカードを返してもらえるの?
もしかして、あなたが運転しようとしているんじゃないの?
そのようなやりとりが少年と母親との間で交わされたのかもわかりません。
でも、カードを送ることに関し二人の間で交わされたであろうやりとりを明らかにする中で、果たして、母親はカードを送るにあたってどのような認識だったのかという点を解明することになるのだろうなと思います。
そして、報道にもありましたが、今後、このような事例を踏まえ、会員以外が車を不正に利用することを防ぐための対策が講じられる必要があると思います。
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