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子どもを丸刈りに
先日、父が、小学6年生の長女の頭髪を丸刈りにしたり、顔を蹴って眼底骨折などさせたりしたとして傷害罪等の被疑事実で逮捕されたと報じられました。
頭髪を丸刈りにする、という行為は、暴行罪に該当する可能性があります。
過去の裁判例でも、他人の髪を切った行為が暴行罪に当たるとされた事例があります。
本件では、まだ、逮捕された原因となった事実が証拠上認められるのかどうかわかりませんので、父がどのような行為に及んだのかという点については、今後の捜査、裁判所の判断を待つ必要があります。
ただ、報道によれば、父は、「しつけのつもりだった」と供述しているとのこと。
この報道が事実であれば、父としては、娘に危害を加える意図などなく、しつけの一環としての行為だったとして自身の行為を正当化しているように聞こえます。
これまでにも、しつけの名のもとに峻烈な暴力を日常的に振るい、子が命を奪われるという事件を見聞きしたことはあると思います。
しつけと体罰について考えてみたいと思います。
体罰禁止 法改正
体罰については、昨年法改正がなされました。
今年4月からスタートしています。
児童虐待防止法では、児童の親権を行う者に対し、児童のしつけに際して、2つのことを禁止するとしています。
1つ目は体罰を加えること。
2つ目は民法に書いてある、監護と教育に必要な範囲を超えるような行為。
民法には、親権を行う者が、子どもの利益のために、子どもの監護や教育をする権利を有し義務を負っているとし、そのために必要な範囲で「懲戒」できるという規定があります。
ここでいう「懲戒」とは何なのか?それを具体的に定めているわけではありません。
厚生労働省のホームページには、
- 何度も言葉で注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた。
- いたずらをしたので、長時間正座をさせた。
- 宿題をしなかったので夕食を与えなかった。
という例が挙げられ、これらはすべて体罰であると指摘されています。
体罰や懲戒についての解釈が好き勝手になされると、結局、いくら児童虐待防止法が改正されても、しつけの名のもとに暴力を振るわれるという事案がなくなることはないといえそうです。
民法の懲戒権の在り方は、今後引き続き議論されることになるそうです。
まだまだ不十分な点があることは否めません。
でも、こうして法が正面から体罰を禁止し、そのことが知られ、その内容をめぐり親の間でいろいろな意見が出るということ自体が大事な一歩かもしれません。
本当は、もっともっとこの問題について書きたいことがありました。
私が弁護士として目指すところの一つに関わるからです。
でも、いろいろ書いてみたものの、思いばかりがあふれてしまい、感情的な文章になってしまい、途中でカットしてしまいました。
弁護士として、すべきこと、できることを明確にしながら、日々の業務の中で全力を尽くしていきたいと思います。
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