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先日、機内でのマスク着用を拒否したかたが、最終的に降機することになったという出来事が立て続けに報じられました。
報道によれば、うち1件については、マスク着用拒否そのものが原因で降機することになったのではなく、着用拒否を端緒とした客室乗務員とのやりとりに関し、航空法上の安全阻害行為等にあたるとされて降機指示となったようです。
航空法とは
航空法では、航空機内にいる人は、航空機の安全を害し、航空機内にいるほかの人やその人の財産に危害を及ぼし、機内の秩序を乱し、航空機内の規律に違反する行為を「安全阻害行為等」と呼び、これをしてはならないと定めています。
そして、機長は、航空機内にいる人が、離陸のため航空機のすべての乗降口が閉められたときから、着陸の後、降機のために乗降口のいずれかが開かれるときまでに、安全阻害行為等をしたり、これをしようとしていると信ずるに足る相当な理由がある場合は、必要な限度で、拘束したり、抑止するための措置をとったり、降機させたりすることができるとされているのです。
機長が命令をしたにもかかわらず、これに従わないときには、50万円以下の罰金に処せられる場合もあります。
ある航空会社のホームページを見たところ、「お客様へのお願い」として、機内において「必ずマスクを着用してください※幼児または着用が困難な理由のあるお客様を除く」と記載されていました。
この「着用が困難な理由」が具体的に何を指すかは明示されていません。
このように記載するのも仕方ないとはいえ、解釈を許す表現ですよね。
そして、航空法の「安全阻害行為等」についても、「機内の秩序を乱し」等、やはり解釈を許す表現が含まれています。
このような状況では、マスクの着用を徹底するだけの根拠があるとも言いづらいし、着用を拒否した際、具体的にどんなときに安全阻害行為等といえるのかも明確ではない、ともいえ、同じようなトラブルが今後も発生するのではないかと心配です。
体質や持病等のことを考えると、例外なく着用を義務にするというのはなかなか難しそうです。
ただ、着用できない(しない)利用者のかたがいるということが、機内に離陸直前、離陸した後に発覚するというのでなく、もう少し前の段階でわかればほかの乗客のかたに大きな影響を及ぼすという事態を避けられるのではないかとも思いませんか?
少し時間に余裕をもった段階でマスクを着用できないかたの存在がわかれば、たとえば、そのかたが座る場所を調整したり、体調をより入念に確認させてもらい、仮に体調不良が判明したら乗り入れを辞退していただくことも視野に話し合いをしたりすることができるかもしれません。
機内乗り入れ前にマスクについて話し合う機会があれば、もしかしたら、その過程でマスクを着用するという判断に至るケースもあるかもしれません。
考え方の違いがあることを前提に
最近、どこを歩いていても、マスクを着用している人が多いですよね。
例年、インフルエンザの流行期は、外出時に感染予防のためにマスクを着用する人も見受けられるところですが、この時期、これだけ多くの人がマスクを着用しているということはこれまでにないことだと思います。
私は、体調を崩すと仕事のパフォーマンスが落ちてしまいますし、なにより、大事な裁判期日、お客様とのお約束に支障があってはいけないので、これまでも、人ごみの中を歩くときにはできる限りマスクを着用し、風邪予防に努めていましたが、今年は、自宅から一歩外にでるときには、たとえそれがマンション内のごみステーションに行くほんの数分であっても必ずマスクを着用するようにしています。
ですので、率直に言うと、電車内などでマスクを着用せずに会話している人がいると気になってしまい、そっとその場を離れるようにしています。
人によって考え方が大きく分かれるところですよね。
今回取り上げた機内での問題だけでなく、これまでにも、新型コロナ感染防止に関する考え方の違いが表面化するような事件が報じられてきました。
電車内でマスクを着用していない人がいるとして緊急停止ボタンが押されたとか、マスクをせずに路上を歩いていたら、見知らぬ人から文句をつけられ、持っていたスマホを叩き落されたという被害に遭ったという訴えが報じられたこともありました。
お互いにいろいろな背景があって、いろいろな考え方があるわけですから、相手の考え方をコントロールすることはできませんよね。
新型コロナウイルスの感染防止は、私たちが、今後しばらくは直面せざるを得ない問題となりそうです。
相手の考えを攻撃することなく、自分の大事な価値観を守るためにはどうしたらいいか、お互いの考え方が衝突するような場面に直面する都度考えていかなければならない課題だと感じています。
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