<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら
面会交流は憲法が保障した権利?
離婚などで子どもと別居する親が子と定期的に面会交流することを保障する法整備がなされていないことで精神的苦痛を受けたとして国に損害賠償請求をしていた件で、先日、東京高裁が、一審の判決を支持する判断をしました。
一審は、原告の請求を棄却したのですが、その判決を支持し、原告の控訴を棄却したのです。
国が立法しないことが違法という評価をされるには、高いハードルがあります。
立法しないことが、憲法上保障された権利を侵害していることが明白な場合や、憲法上保障された権利を行使するために必要不可欠な立法を国会が正当な理由なく長期にわたって怠っている場合などに初めて、立法しないことなどが違法だと評価されるのです。
原告は、別居親の面会交流権が憲法上保障されているとした上で、その権利行使のためには、面会交流の決まりを反故にした場合のペナルティとしての柔軟な間接強制、養育費等の支払停止など、面会交流を促進するための法整備が不可欠だと主張していました。
これに対して、一審では、そもそも、別居親の面会交流権が憲法上保障されたものとはいえないとし、その行使の機会を確保するための立法措置が必要不可欠だということが明白だとは認められないと判断し、これを控訴審も支持しました。
コロナ禍 ますます難しい面会交流
先日、コロナによる感染リスクを理由に面会を拒否されて困っているというケースが増えていると報じる記事を見ました。
やっとのことでオンラインによる面会交流の機会を得ても、子が幼いと、画面越しに交流することの難しさを訴える声もあるそうです。
たしかに、幼い子どもと長時間パソコンやスマホの画面の前でコミュニケーションをとるということはなかなか難しいことかもしれませんね。
話す前に、まずは抱っこしてあげたい、触れ合いたい気持ち、もっともですよね。
一方で、「万一子どもが面会時にコロナに感染したら、病院に連れて行くのも看病するのも私がやらなければならない。自分も感染リスクが高くなる。だから普段こんなに気を付けて生活しているのに、自分の希望ばかり言ってくることに納得がいかない」という同居親の気持ちも痛いほどわかるつもりです。
だから、本当に難しい問題ですよね。
信頼関係が破たんしてしまっていることが圧倒的に多いといえる2人が、お互いの立場を思いやりながら解決策を見つけるのは至難の業だと思います。
「これは子どものためだから、相手への感情はひとまずおいて、子ども中心にどうしたらいいか考えなければ」ということ、頭ではわかっていても、なかなか難しくて当たり前です。
こんなときは、弁護士に相談してみることをお勧めします。
話し合いがこじれてしまう前に、お互い弁護士を窓口にして話し合いをしてみると、話し合いがスムーズに進むこともあります。
弁護士は、ただただ依頼者のかたと相手との伝言係をするのでなく、ときには、子どものことを考えたとき、依頼者のかたはどう対応したほうがよいと考えるか、客観的な視点で選択肢をお伝えしたり、子どものためにはどう対応したほうがよいのか、依頼者のかたと徹底的に話し合い、依頼者のかたが子ども視点でどうすべきか選択するお手伝いをします。
相手も相手で、代理人となった弁護士とそのような話し合いをすることができれば、当初、当事者同士で話し合っていたときとは違った第三の解決策が見つかることがあります。
もちろんそれでも簡単に解決策が見つかることばかりではありません。
そのときは、さらに、調停で、調停委員や子どもの心理等につき専門的知見を持つ調査官の力を借りながら、解決策を見つけていくことになります。
合意後に、決めたルールがきちんと守られるかどうかは、ルールを決めるときにどこまで丁寧に話し合い、お互いの立場をわずかでも理解し、双方納得いく解決策を見いだせたかにかかっていると私は思います。
離婚の話し合いをして別居中、離婚後の面会交流でご不安のあるかたは、お気軽に弁護士にご相談ください。
初回相談60分無料※ ※ ご相談の内容によっては、有料となる場合もございます
-
電話でご相談予約
-
メールでご相談予約
平日:10:00~最終受付18:00 /
土日祝:10:00~最終受付17:00