被疑者という立場になると、身体を拘束されている間、行動を厳しく管理され、家族等との交流もほとんどできなくなります。また、身体拘束が長引くほど、職を失うおそれも大きくなります。
そこで、私たちは、一日も早い身柄の釈放を最も重要な弁護活動の一つと考えています。
検察官や裁判官への働きかけ、示談成立に向けた活動など、適時に適切な手段を講じ、身柄の釈放に向けて全力を尽くします。
釈放される場面
移動の自由を奪われ、外部との交流を制限され、連日取り調べを受ける。想像以上に辛く苦しい身体拘束からの解放(釈放)は、重要な弁護活動の一つです。
被疑者が釈放される場面としては、
Ⅰ. 勾留を阻止した場合
Ⅱ. 処分保留もしくは不起訴処分となった場合
Ⅲ. 略式手続により起訴された場合
などが挙げられます。
Ⅰ. 勾留を阻止した場合
警察から事件の送致を受けた後、24時間以内に、検察官は勾留請求をするかしないか判断します。
証拠を隠滅するおそれがない場合や、逃走するおそれがない場合など勾留要件を満たさない場合には、勾留請求がされない、もしくは、勾留請求が却下され、釈放されます。
また勾留決定に対する不服申立てが認められた場合や、勾留の取消しがなされた場合にも釈放されます。
メリット
釈放されることのメリットは、何よりも日常生活を送れることです。自宅に戻れ、職場や学校にも普通に通えます。早期に釈放された場合には、刑事事件に巻き込まれたことを周りに知られる可能性も低くなります。捜査が終わるわけではありませんが、弁護の準備を十分に行うことができます。
Ⅱ. 処分保留もしくは不起訴処分となった場合
犯罪の証拠が不十分な場合や、そもそも犯罪の嫌疑がないと判断された場合、諸事情からあえて起訴する必要がないと考えられる場合などには、不起訴処分となり、釈放されます。
また、勾留期間中に起訴・不起訴の決定ができない場合は、処分保留として釈放されます。 この場合、捜査が終わるわけではありませんが、弁護の準備を十分に行うことができます。
メリット
日常生活に戻れることのメリットに加え、不起訴処分の場合には、事実上、今回の事件について起訴されないことになったといえるため、前科もつきません。
Ⅲ. 略式手続により起訴された場合
起訴がされても、それが略式手続による場合には、書類等により裁判が行われるため法廷に出る必要はなく、裁判所が略式命令を出したその日のうちに釈放されます。
メリット
罰金を支払う必要はありますし、罰金刑は前科となりますが、通常の刑事裁判が開かれる場合と比べて早期に身柄拘束から解放され、日常生活に戻ることができます。
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