リーガルエッセイ
公開 2021.03.29 更新 2021.08.13

弁護士として、お客様の不安を少しでも解消するお手伝いをするために

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、上場会社の社外役員を務める。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら

「民事信託コンサルタント」に認定されました!

私は、普段、会社内で起きた着服事件の発覚を受けて、事実調査のサポートをしたり、告訴のお手伝いをしたり、刑事事件の被害者のかたの代理人として相手方と示談交渉をしたり、逆に被疑者、被告人の立場のかたの弁護人として適正な処分となるべく弁護活動をしたりといった刑事事件に関する業務を行っているほか、離婚に関わるご相談を受けたり、代理人として相手方と交渉したり、調停、訴訟に臨んだりといった業務を行うことが多くあります。

刑事事件と離婚事件。
一見、全然関係ない分野のように見えますし、実際、関わりを持たないこともあります。
でも、たとえば、配偶者の一方が刑事事件を起こしてしまったことがきっかけとなって、夫婦の間に亀裂が入り、その後離婚に発展してしまうということがあったり、離婚の原因が配偶者の一方による暴力にあり、離婚の話し合いの過程で、並行して警察への被害申告をするなどということがあったりします。
それって当たり前のことなんですよね。
人が人とかかわりあって生きている中で、ある問題が生じたとき、これは〇〇の分野の問題、あれは〇〇の分野の問題とはっきり切り離せるわけではなくて、いろいろな分野のいろいろな法律が絡み合っています。
もちろん、お客様が、ご自身の抱えている問題は、この法律にかかわる問題だと明確に認識できる場合ばかりではありません。
だから、弁護士として、特に多く担当している分野というものが絞られてくることはあるとしても、この分野以外については私は全くわかりません!ということでは、お客様にとってベストな仕事をすることができず、関わりそうな分野については常に広く勉強する必要性を感じています。
私は、離婚に関わる仕事をする中で、いつももちろん自分ができる限りのことを全力でしているつもりでいるのですが、ただ、いつも、もどかしい感じというか、かゆいところに手が届いていないのではないかというか、そんな思いになることがしばしば。
弁護士として離婚に関わる仕事をするとき、もちろん、何のご依頼をいただくかにもよりますが、多くは、離婚したいというご希望や離婚したくないのに相手から離婚を求められているために離婚を阻止したいというご希望などを受けて、そのご希望をかなえるためにお手伝いすることになります。
そうすると、形としては、離婚を希望されていたお客様に関しては、離婚が成立した時点でご依頼は終了となるのが通常です。
でも、離婚って、当然ですが、ゴールなんかじゃなくて、その後の新しい生活のスタートなわけで、離婚できるかどうかといった不安とか、離婚に伴って決めるべき条件面の話がちゃんと決まるかどうかといった不安はなくなるけれど、今度は新しい不安が生まれてくるはず。
お子さんの親権を獲得できた女性の立場で考えてみただけでも、

  • 決めた養育費はちゃんと払ってもらえるかな。
  • 子どもとの面会は弁護士が間に立たなくなった後もスムーズにやっていけるかな。
  • 離婚したことで子どもに何か影響が出たりはするかな。子どもにはいつどんなタイミングで説明しようか。
  • もし、再婚することになったら、子どもはどう思うかな。うまくやっていけるかな。

そんな不安を感じるかたは多いように思います。

もちろん、置かれている立場、環境によって、一番不安に思うところはどこか、人によって全然違ってくると思います。
ただ、私自身が考えて、何よりも不安に思うこと、夜も眠れなくなることがあるのは、「もし、今、自分に何かあったら、この子はどうなっちゃうんだろう」ということ。
この不安をなくすために、「もし、今、自分に何かあったら」とならないように、健康に気を付けたり、必要以上に行動に慎重になってみたり、そんないつも気を抜けない気を張り詰めた生活がしんどくなったり。
でも、身近に、子どもも普段から密に関わっている兄弟や親せきなどがいなかったらもちろん、そのような人がいても、果たして自分に何かあったときに、子どもが独り立ちできるようになるまで子どもを自分と同じように大事に大事にサポートしてくれるだろうか、サポートを得られなくなってしまったら子どもはどうなるのだろうか、そんなことを考え出すと夜も眠れなくなってしまう、そんなかたがほかにもいらっしゃるのではないか。
弁護士が、その不安を法的側面から少しでも解消するお手伝いができないか、ということはずっと考えていたことでした。
これを考える過程で出会ったのが、家族信託というものでした。
テレビで特集を組まれることもありますし、ネットで検索してもいろいろな記事が出ているので目にする機会もあるのではないでしょうか?
お客様の不安解消のためにどういう形で使うことができるだろうかと考えながら少し勉強してみました。
すると、私が家族信託について勉強するきっかけとなった、離婚後の女性が自分に何かあった後の子どもの生活への不安を解消するための一手段として使えるケースもあるのではないかという視点だけでなく、離婚されたかたに限らず、もっといろいろな場面で、「自分にもしものことがあったら」というお客様が抱く不安を解決する手段になりうることに気づきました。
今回、家族信託のお話を詳しく掘り下げていくと、とても語り切れない分量になってしまうので、それはまたの機会に譲りたいと思いますが、認知症対策に、事業承継対策に、争続対策に家族信託を利用することが有効なほか、障害があるために自分でお金を管理しながら自立して生活することが難しい子を持つ親が、自分が認知症になった後、自分が子を残して亡くなった後も子どもが困ることなく安定した生活を送れるように家族信託を利用することが有効な場合もあるのです。
もちろん、個別のケースによっていろいろだとは思いますが、この制度によって、自分にもしものことがあったらと思うと夜も眠れないというかたの不安を少しでも解消できるのであれば、その不安解消のためのスキルを身につけなければと思い、昨年から少しずつ家族信託の勉強を進めました。
一人で本を読んでみてもなかなか理解できなかったので、相続や事業承継の専門家によるコミュニティに入り、そこで、民事信託の勉強をする講座を受講してみました。
そして、その講座が終了したタイミングで、そのコミュニティが、今、商標出願中であるという「民事信託コンサルタント」という資格試験に挑戦し、先日、無事試験に合格しました。
ひとつの区切りにはなりましたが、当然のことながら、現場でお客様のためにクオリティの高いコンサルティングができるレベルになるためにはもっともっと勉強を続けなければいけないと思っています。
オーセンスでは、相続を専門とするチームが、家族信託ももちろん、遺言の作成、事業承継など、「自分にもしものことがあったら」の不安を解消するためのお手伝いをしています。
また、離婚されたかたが、ご自身にもしものことがあった後のお子さんの生活を不安に思う、そのご不安をなくすために何ができるかも一緒に考えます。
お一人で不安を抱えず、お気軽に弁護士にご相談ください。

Authense法律事務所では、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を受け、オンライン面談を実施しております。

初回の法律相談は60分まで無料となっております。

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